転倒転落して患者がケガをした責任はなんで看護師なの?



シンママナースの マリアンナ です。

 



患者がこけるたび「看護師の責任だからね」って上司は言うけど。なんか腑に落ちないっていうか

看護師として病院で働いていると、たいがい一回は経験するであろう、患者の転倒転落。歩いたり座ったりできないような状態の患者さんがひとりで動こうとしたり、動こうとしたときにベッドから落ちたり、一人でにこけていたり。怖いのは頭部打撲したとき。ADLが低い患者が転倒転落して頭部を打撲した場合、脳内出血、硬膜下血腫などを起こす可能性があり、最悪緊急手術や後遺症が残るケースだってあるんです。

だから看護師って患者をこけさせまいと必死。っていうのも、患者さんが一人で動こうとして転倒転落をした場合、何かしらケガとかするんですけど、そしたら始末書みたいなの欠かされるんですよ。アクシデントレポート、インシデントレポートとか。これがまた辛い。「今後どうしたらこのような事故を起こさないで済むのか」みたいな計画まで立てないといけない。どうしたら事故を起こさないかわかってたら、事故なんかおこさねーよ!って思いながら書いてますけど。

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転倒転落なり、例え患者の自発的な行動で起こった事故であっても、病院内で入院している患者の事故である以上、その責任は看護師にあります。患者が転倒転落の大けがとかして、裁判になったら100:0で看護師が悪い。ったとえ患者がした行動でも、それを予測できなかった看護師が悪いんです。ていうか看護師の責任っていわれても仕方ないんですよね。だからこういった事故が起こったときに、決まって上司がいうのは「看護師がちゃんと見てないからでしょ!」っていうキメ台詞的な。

まぁ、そうなのかもしれないんですけど。でも上司だからこそ、下で働く看護師が、一人の患者につきっきりで仕事をできる状態じゃないのを知ってるはずだから、こういう風に指導されるのがすごく腑に落ちないんです。看護師は看護師一人で7人くらいの患者を観察します。もちろん7人以上のことだって多々あります。7人の患者のうち、手術する患者もいるし、トイレだ食事だって全介助が必要なひともいます。一人につきっきりの看護はできない。

だから、転倒転落リスクが高い患者がいるときは、看護師の負担を分散するなりしてほしいんですよね。患者の数を少なくするとか、看護助手を増やすとか・・看護師の本音です。でもそんなこと聞き入れてもらえるわけがないので、もちろん言いませんが。

 



一時的な転倒転落リスクは仕方ないけど、この高齢化社会、ほとんど転倒転落リスクがあるひとばかり

もうね、病棟に1人、2人とかならいいんですよ。でも病棟に3人、5人とかリスキーなひとがたまたま重なるときは、本当にしんどいw。もう、自分が看護をしているのか、患者を監視しにきているのかよくわからんってなる。こけさせまいととりあえず見守りしてみるけど、ずっとこけそうだからずっと見守っている。夜間でもパソコンを横にもっていって、見守るときもあります。休憩はなしで。3分に一回のトイレ介助希望、強い帰宅願望・・どうしたらいいのかわからない、ってなる。もう患者さんの希望通り3分に1回くらいトイレ連れて行ってたら、ずっとトイレとベッドの往復で一日が終わりそう。それを無視するのも倫理に欠けるしねぇ。

 

 

医療業界って保険診療の関係で、看護師の数を減らそうとしているけど、無理があると思う。減らそうとはするより、必要なところに増やそうとする働きをしてほしい。認知症の看護とかケアってほんっとうに大変、もう本当に大変ですよ。最近やっとテレビで認知症の介護がすごく大変だって、世間に報道されるようになってきたけど、1人2人のマンパワーで常時安全を守れるような状況じゃないですからね。

 

もっと人手がほしい。看護師が無理なら、看護助手でもいいから。看護師だけで危険行動が多い患者を看護するのは、限界を感じています。

っていう愚痴でした。失礼しました。