【看護実習生がうざい】と感じたときの、上手な断り方



シンママナースの マリアンナ です。



ある日突然シレっと頼まれる「看護実習生つけていいですか?」の依頼

入院していたら、突然看護師さんにシレっと「看護実習生をつけていいか?」って聞かれることがあります。それでOKしたら、看護学生が日々訪れ、いろいろお話したり、バイタルサインを図ったりしてくれる。特にこれと言って大きな処置とかをするわけでもなく、部屋にきてたわいない話をしたり・・。わたしが子どもを出産したときも、看護学生さんがついてました。いきなり看護師さんがきて、そのときわたしは看護師とか全然興味なくて、適当にOKして。大人しい学生だったし、密室で知らん女の子と二人っきりっていうのも気まずくてこちらから話を振るけど、さほど話も続かず・・。

 

なんだか、しがないスナックのねーちゃんになった気分。なんでわたし知らない女子に、必死に話題を提供しているんだ。子ども生みに来ただけなのに。入院してるのになんでこんなに気つかってんだ。ここは飲み屋なのかい。まぁ勉強がんばってるわけだし、まぁいいか。くらいな感じでしたけど。まさか自分がそのあと看護学生になるなんて思ってもなかったけど、人によっては看護学生につかれることがとてもストレスに感じたり、うざくて仕方ないひともいるみたいで。看護学生がつく患者の気持ちもわかるし、患者のところへいく看護学生の気持ちもわかる。

 

ということで、患者から見た入院中の看護学生の対応について、いろいろお話したいと思います。

 



わたしが代わりに謝ります。「ごめんなさい」看護実習生がうざい

とりあえず、入院していてただでさえもしんどいのに、看護学生がついてうざいわ!寝たいわ!って思っている患者の皆様、看護師であるわたしが看護学生の代わりに謝ります。

 

ほんとうにごめんなさい。とてもお疲れだっていうのに。

 

どうか許してやってください。彼らには悪気などそうそうないのです。なかにはむしろ、疲れているあなたに申し訳ないと思いながら、あなたのベッドサイドに言っている看護学生もたくさんいます。病室にしょっちゅう行きたいわけでも、もう会うことのない患者さんの生活を根ほり葉ほり聞きたいわけでもないのです。ただ、その看護実習で患者の情報を得なければならないという工程があるから、聞いているだけなのです。

 

でも、患者さんは療養中。他人とはなすのが好きなひともいるけど、そういうのがストレスに感じる人もたくさんいるでしょう。まして病気とか、産後とかならなおさらですよね。

 

もうごめんなさい。入院している人にこれだけ気を使わせたり、しんどくさせるのはよくないってわかっています。

でもちょっとだけ、看護学生の気持ちを代弁してもいいですか??

 



なんで何回も部屋に入ってくるの?

寝ようとしたら看護学生がくる。テレビでも見ようかと思えば看護学生がくる。「看護実習生、つけてもいいですか?」って言ってたけど、こんなに来るんかい。と思われた患者様。迷惑をかけまして、ごめんなさい。

 

看護実習生は、看護実習で「患者の情報を収集する」という項目がございます。それはカルテ上からだけの情報ではなく、患者様の会話のなかから、また日内変動のなかから、患者がどう過ごし、何を感じ、何を好むのか等を調べ、治療の上でどんな問題があるのかを考察していくためです。それが、学生に課せられた課題でもあります。

 

実際患者に提供する看護に、そこまでベッドサイドに行く必要があるのか?と聞かれれば、臨床ではそんなにいらないです。でも、学生である以上、時間余しているんだから、もっと患者のとこ行けよ!グズ!!みたいな圧で、やたら患者のところへ行くよう促されることもあります。

 

看護実習生も、患者さんもそんなに来てほしいと思っていないことは分かっている。でも、やっぱり教えてもらう身分である以上、指導通りいかないといけない。

 

この辺は、看護学生も辛いところ。わたしも看護実習生時代、患者さんは「これ以上わたしのとこへきて、何を話すの?」みたいな顔してるし、指導者さんたちは、「もっと患者のとこへ行ってきなさい」というし、板挟み感になったことは多々ありました。

 



したくもない話を無理に振ってくるのはなんで?

看護実習生が患者さんのところへしょっちゅう来る最大の目的は、実習課題で言う「情報収集」です。実習の採点項目として、必ず「情報収集ができる」っていう項目があるので、その点をとるために、看護学生も必死なんです。看護学校は基本その実習で単位を落とせば、1回くらいは再試を受けれても、2つ3つと単位を落とすと留年確定。単位を落とすことは死活問題なので、なにがなんでも落とせない。

 

看護師になってからは、そこまで情報収集を求められないものの、看護実習生のあいだは、患者のすべてといっても過言ではないくらい、情報収集することを求められます。

 

時に患者の嗜好、日常生活、セクシュアリティ、ストレス、病気に対してどう思っているか等もろもろ、その患者に応じて多様な情報を収集しなければなりません。それが、看護実習の課題だからです。普通に考えたら、聞いたら失礼になるような項目もあったりします。

 

看護学生は、ただたんに時間潰しに話をするときもあれば、聞きたいことを率直に聞くのが失礼だから、遠回しに話を振りつつ、あなたの情報を聞き出していることもあります。現にわたしもそうでした。

いきなり話したこともないやつに「病気のことどう思ってる?」なんて気われたらいやなひともいるじゃないですか。ちょっとずつさぐるんです。相手の顔色を見つつ、失礼にならないように。看護実習はそういう意味で言えば、相手の性格を判断しながら、情報を得ることを訓練しているようなものかもしれません。

 

だから、看護学生は悪気はないんですけど、どうでもいいような話を振ったりします。どうか、許してやってください。

 



何回もバイタルサインを図らないでほしい

看護実習生によくあるのが、必要以上に熱やら血圧やらを図りに来ること。自分が患者として入院していて、看護学生がついたとき、別にそこまで体悪くないのに、なんでそんなに図りに来るの?ってよく思ってました。で、自分が看護学生になったときも、「こんなにバイタルサイン(熱とか血圧)はからんでもいいだろ」って思いながらはかりにいってました。

っていうのも、看護実習生は指導者さんや先生に、「午後の熱はどうだったの?血圧は?正常と言える根拠は何なの?」とか、突っ込まれたりすることもあって。そこまで突っ込まれても答えられないので、念のため測る、みたいな感じで測ってました。わたしは。減点されないために必死だったんです。

午前も午後も学生がきて、バイタルサインを測られることを、内心いやだと思っているひともたくさんいると思います。でも、看護学生も無駄に測定にきているわけじゃなくて、そういった背景があるんですね。

入院されているみなさん、何度も熱やら血圧やら、測定しにいってすいません・・。不快な思いをされていたら、謝ります。ごめんなさい。

 



看護実習生をウザいと感じたときは・・断るときは、看護学生が悪いわけではないことを強調してあげて

入院中、看護実習生がつくことで話し相手が出来て、喜んでくれる患者さんもいれば、負担に感じる患者さんもいます。どちらが良いとか悪いとかじゃなくて、相性や性格、患者さんの状態によってもそれは負担に思うこともあって当然。全然断ってもらってもOKです。患者に負担をかけてまで実習することはないので。

ただ、断るときに看護学生が悪いわけではないことを必ず伝えてあげてほしいです。学生本人にも、指導者ナースさんにも。

もしちゃんとした理由を言わないで看護実習生を断ったら、看護学生の接遇が悪かったことになり、結構な割合でその単位を落第になったりすることもあるんです。看護学生に不備がなかったのであれば、ぜひその点は強調して、ただ、「学生がつく」ことが負担であることを伝えてあげてくれるとありがたい。

 

看護学生がやたら部屋に来て話したがったり、変なことを聞いてきたり、熱やら血圧やらを頻回にはかりにくるのは、看護学校の独特な実習課題だったり、教育方針だったりに理由があったりします。「またきた!看護実習生ウザいわ!」なんて思われる方もいるかもしれない、でもどうか許してやってください。ぜひ断るときは、看護学生さんのフォローもよろしくお願いします。

 

未来を担うナースのたまごたちを、患者さんのみなさんが応援してくれると嬉しいです。