シンママナースの マリアンナ です。
慢性硬膜下水腫とはなにか。慢性硬膜下水腫の症状と原因、治療や手術適応について、認知症の関係について説明しています。
慢性硬膜下水腫とは
慢性硬膜下水腫とは、くも膜と硬膜との間に髄液・血液・浸出液などの水分が貯留した状態のこと。
慢性硬膜下水腫については以下のサイトで詳しく掲載されています。
http://www.eisai.jp/medical/useful/consult/vol54/no560/13.html
臨床には頭を強く打つ外傷などで硬膜下に出血することで起こる慢性硬膜下血腫をよく見かけます。硬膜下に水が貯まることを意味する硬膜下水腫は、髄膜炎、低髄液圧症候群で起こることがあるそうです。慢性硬膜下水腫と慢性硬膜下血腫ってほぼ同じような意味合いですが、貯留しているその水分に違いがあるんですね。
慢性硬膜下水腫の症状
船橋市立医療センター脳神経外科の資料によると
硬膜下水腫は初期には増大するがやがて安定する。また、減少し消失することもある。
と記載されています。
つまり、水腫による圧迫から起こる症状にもムラがあることが予測されますね。硬膜下水腫により脳が圧迫された場合、症状が出る可能性があることも書かれています。
脳が圧迫されることで起こる症状について、東京女子医科大学脳神経外科HPには以下のように書かれています。
血腫が脳を圧迫した結果、頭痛、物忘れ、認知症症状などの精神症状、失禁、半身に力が入らない、歩行障害、などの症状を呈する事が多い
頭を強く打つなどの頭部外傷を起こしてから、頭痛や物忘れ、認知症状や失禁、脱力があったときは慢性硬膜下水腫や慢性硬膜下血腫を起こしている可能性があるといえます。
慢性硬膜下水腫 原因・治療・手術適応は?
また慢性硬膜下水腫の原因や治療、手術適応については以下の通りです。
- 頭部外傷から硬膜下水腫が出現するのは受傷から数時間~数日経過後である
- 硬膜下水腫は出現時増大し経過とともに状態が安定する。また、減少し消失することもある
- 硬膜下水腫から硬膜下血腫に変化していくのに、数週間から数ヶ月後かかる
- 血腫が脳を圧迫し、症状が出れば手術適応になることもある
- 硬膜下血腫になっても減少し消失することもある
船橋市立医療センター脳神経外科の資料 参照
転倒後、認知症が強くなった。慢性硬膜下水腫との関係
転倒転落したあとに認知症状が強くなった場合、その原因は血腫及び水腫が脳を圧迫していることも考えられるんですね。
転倒転落して頭を打っても、意識も失っていないから大丈夫かとおもいきや、頭の中ではとても危険なことになっていることもあるので、しっかり医師の診察をうけるのが賢明。大事に至らないように早めの診察を心掛けましょう。