シングルマザーの同棲・再婚はおすすめしない理由。連れ子再婚の虐待はどうして起こるのか。



シンママナースの マリアンナ です。

 



船戸結愛ちゃんが書いたノートが語る「虐待される子どもの思い」

東京目黒で起こった5歳児虐待死事件。被害者である船戸結愛ちゃんが書いたひらがなの練習ノートに書かれた悲痛な思いに、心が痛んだひとは少なくありません。毎日のようにひどい仕打ちを受けても、自分が悪いと責めながら、毎日を過ごした幼い純粋な子どもの思い。やりきれません。

パパとママにいわれなくても しっかりと じぶんからきょうよりかあしたはもっとできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします もうほんとうにおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします

結愛ちゃんが書いたこの文章から読み取れるのは、虐待されている子ども自身は、自分が虐待されているなんて思ってもいない事実です。そもそも虐待を受ける年齢の子どもは、虐待というのが何なのか、まさか自分が虐待されているなんて思ってもいない。 自分が悪いからパパとママは自分を愛してくれないんだと、必死に愛されるために努力するんです。私自身良い環境で育ったとは言えないので、「ひどいことをされるのは自分が悪いから」と思う子どもの気持ちはわかります。

 

関連記事

虐待されたこども時代。今だから思う「虐待を受けたからこそ得られたもの」。

 

差別的かもしれませんが、虐待が起こる家庭の特徴として貧困・連れ子、若年出産などがあげられるのは事実。近年では特に「養父」と養父の言いなりになった「実母」が虐待するケースが多い。わたしは、自身もシングルマザーであるけれど、連れ子での恋愛や同棲、結婚は絶対やめておいたほうがいいことを推奨します。

世の中のシングルマザーが恋愛や再婚を検討しているなら、ぜひ思いとどまってほしいのです。そこに本当にリスクはないのか、それは今でないとだめなのか。自分だけの人生ではないからこそ、しっかり考えて判断すべきです。

 

関連記事

シングルマザーも恋愛したい、でも現実はシングルマザーの恋愛は難しい。そして何よりマイナス要因が多い。

 



連れ子再婚が危険な理由~連れ子再婚をすぐに決断しないで~

 

すべての連れ子結婚を否定するわけではありません。連れ子で再婚した相手の男性すべてが虐待する、なんて言っているわけではありません。

ですが、知っておいてほしい事実があります。

 

ほとんどの哺乳類のオスは、一緒になったメスの連れ子を本能的に殺す

wiki「子殺し」のページから抜粋。

野外での子殺しの発見

動物行動学・行動生態学の発展の中で、子殺しの行動が見直しをされるようになったきっかけは、インドのサルの一種であるハヌマンラングールの例である。

このサルは、成獣の雄が多数の雌の群れをハーレムとして持ち、雌たちとの間で子供を作る。群れで生まれた雌は群れに残るが、群れで生まれた雄は群れから出て若い雄の群れを作る。成長した雄はやがてハーレムを持つ雄に攻撃を仕掛け、勝てばハーレムを所有するに至る。この時、群れを乗っ取った雄は、その群れの雌が抱えている乳児を、全て殺してしまうというのである。これは突発的、異常などではなく、群れを乗っ取った雄は必ずこうするのだという。

この行動は1962年に杉山幸丸によって初めて発見された(発表は1965)。当初はその行動の突飛さ、残虐さと、そして当時は普通であった種の利益の観点にそぐわず、ほとんど認められなかった。しかし、その後1975年にアフリカのライオンにおいても同様の行動が発見された。タンザニアのライオンも、単独の雄が複数の雌を抱えて繁殖し、雄が入れ替わった際に新しい雄は群れの中の乳児を殺すことがある。この発見によって、ハヌマンラングールの例も広く認められるようになったのである。その後さらに、複数のサル類やジリス、イルカなどいくつかの分類群でも同様の行動が確認されている。

雄ではなく、雌が子殺しを行う動物もいる。鳥類の中では珍しい一妻多夫制の繁殖形態を持つトサカレンカクでは、雄が子育てを行う。その雄が育てている雛を、縄張りを持たない雌が襲撃し、殺してしまうことがある。雛を失った雄は繁殖行動に移るので、縄張りを持たない雌にも子を残す可能性が出てくるのである。

 

多くの場合哺乳類のオスは、連れ子の子どもを殺してしまう。

決して子ども憎いとかではなく、メスに自分の子どもを産ませ育ててもらうために、それが一番効率的だから、と解説されています。メスが前のオスとのあいだにできた子どもを育てている間、メスは子どもにばかり目がいって、オスとしてはなかなか自分の子どもを産んだり育ててもらえない。子どもの存在が自分の子孫を残すのに弊害になる。オスは自分が生きている間に子孫を多く残さないといけない。前のオスの子どもを育てている時間が無駄。自分の子孫を多く効率よく育てるために、前のオスの子どもをいっそ殺してしまう。

 

これが哺乳類に多くみられる、オスが連れ子を殺す原因と研究されています。

 

人間には理性がある。だけど、本能もある。

人間には、動物と違って理性があります。

人を殺すことはもちろん、幼い子どもに言葉の暴力、からだの暴力をするのはだめなことだと、みんな頭ではわかっているはずです。これまで子どもに虐待をして逮捕されたひとたちも、それくらいわかっているはず。ではなぜ、虐待を自制できなかったのか。それは、どこかで潜在的にオスとしての本能があったからではないかとわたしは思います。そうでなければ、明らかにからだの小さな子どもに対し過剰な暴力や攻撃をする、あれだけ理性を欠いた行動をとれないはずだからです。

 

 

人間って理性があるから悪いことをしない。男性の目の前に魅力的な女性がいて、本能的に女性に触れたいと思っても襲ったり触ったりしないのは、理性があるからです。でも理性がなくなると、その下にある本能がむき出しになって、まるで動物のような行動をとってしまう。

 

連れ子再婚で貧困や若年などの条件が揃ったとき、ストレスフルな環境で恐らく理性が乏しくなってしまう、オスとしての本能がむき出しになってしまう。加害男性のなかで、子どもの存在が邪魔になり、執拗な暴力・虐待に発展するんじゃないでしょうか。

 

恋愛や再婚を考えるシングルマザーなら、まず男性の性質や本能をしっかりふまえておくべきなのかもしれません。

世の中決して、いつも理性を保てる男性ばかりではないのです。

 

連れ子で結婚するなら、しっかり時間をかけて判断していくべき

男性の多くは、連れ子の父親になりたいから結婚するのではなく、母親と結婚したいから事務的に連れ子の父親になる。どんな男性でも、結婚してしまうと環境や責任が変わって、連れ子への思いも変化するでしょう。

 

自分の子どもでも育てるのは大変なのに、まして他人の子どもを自分の子どもとして育てるなんてすごく大変なこと。連れ子で結婚することは、子どもはもちろん、相手の男性にとっても負担があるのです。

 

近年連れ子虐待が増えるなかでよくあるのが、同棲・結婚までに至るスパンがすごく短いこと。連れ子ありきの結婚生活をしっかり二人で話し合う時間もないまま勢いで結婚する。結婚後、想定外の子育ての大変さに、男性が連れ子を邪険に思ってしまうのも無理はありません。夜泣き、看病、経済的な負担、子守・・。子育ては大変なことがたくさんあります。再婚を考えるなら、連れ子ありきで送る結婚生活がどれだけ大変なのか、想定してしっかり話し合い結婚を決めていくべきです。

 

 



相手の本当の本心はわからない

男性は、子連れの女性と結婚を考えるなら「お前の子どもを自分のこどもみたいに思ってる」「あの子にこんなこと、あんなことをしてあげないといけないな」とか、父親が考えるようなことをあなたに言うこともあるでしょう。その言葉にあなたは「この人はわたしのこどものことを考えてくれている」と受け取るでしょう。

 

だけど、それはまずあなたと結婚する口実である可能性もあり、本心かどうかはわかりません。本心を見極めるには、彼の言っていることをうのみにするより、長年交際してそのひとの行動をしっかり見て評価すべきです。

 

再婚した理由に「子どもを大切にするって言われたから」だけでは、少し根拠に欠けるのです。彼が子どもを本気で大事に思っているか。それは何年も子どもありきの交際をして、やっとわかること。その人の考えていることは、口で何と言おうとよく見ていると行動に現れます。

 

母親であるなら、相手が連れ子のことを本気で考えてくれている人なのか、しっかり見極めてから再婚すべきでしょう。

 

 



女は男の色に染まる。見た目も、思考も。

女は男に染まる生き物です。不思議なもので、相当自分を持った女性出ない限り、好きになった男性の色に染まります。見た目や料理、考え方も。心理学では、こういった現象を「ミラーリング」とよんでいます。ミラーリング効果とは、好きになったひとと同じような行動や思考を持つことです。

 

女性は自分の子どもであっても、惚れた男性がその子どもを虐待するなら、その思考に染まってしまう可能性がある。それは心理学的に十分あり得ることで、誰にでも起こりうることなのかもしれません。

 

全然好きじゃないアーティストでも、好きなひとがよく聞く歌なら、なんだかその歌を好きになったり、アーティストが好きになったりしませんか?まったく好きじゃない服装も、大好きなひとが好きな服装なら、チャレンジしてみたり。自分は絶対ありえないと思う価値観でも、好きになる相手によっては、かんたんに同じ価値観を共有してしまうものです。

 

今までかわいいと思っていた実子でも、再婚相手の男性が邪険に扱っていると、自分もそう思えてくる。これはミラーリング効果でもあり、母親の欠点でもあり、連れ子再婚による虐待の原理かもしれません。

 



子どもが巣立つまでは親の責任。同棲するなら子どもが巣立ってから

えらそうにつらつら書きましたが、わたし自身もシングルマザーです。わたしは一生結婚するつもりも、同棲したりするつもりもありません。わたしは、もし好きになった男性が子どもを虐待したら、それを止められる自信はないからです。自分のなかで子どもをかわいいと思っているし、虐待なんてありえないと思っています。だけど惚れた相手が虐待するなら、それに同調してしまう可能性もある。本気で誰かを好きになったら、ミラーリング効果みたいに、思考も生活も相手の言いなりになってしまうかもしれません。わたしは強い人間ではないので、シングルマザーである以上、恋愛はしないと決めています。

 

どんな惚れた相手だろうと、自分の意見を突き通せるぞ!っていう強い女性であるなら別ですが。そんな強い人間ではないと自負するなら、再婚や同棲は子どもがしっかり巣立ってからするようにしましょう。

 

子どもが自分の思いをうまく説明できないくらい幼いときに再婚したら。子どもは連れ子としての思いを誰にも打ち明けられません。ある程度こどもが自分で行動できる、発言できる、判断できる年齢になるまで、再婚は急がなくてもいいと思います。本当に男女が一緒になりたいと思い合うなら、別に成人してからでもいいわけで。

 

自分で判断して行動できる、それなりの成人になるまでは実親の責任です。再婚がダメだ!なんて言いませんが、しっかり考えてからすべきです。第二の人生を考えるなら、できるだけその責任がおわってからであってほしいな、と思います。

 

幼児虐待は決して連れ子再婚だけが問題点ではありません。日本は圧倒的に養育費が支払われない国であったり、子育て支援が少なかったり、母親が働きにくい社会であったり、結果子育て世帯の貧困とか、母子家庭の貧困とかが相まって、様々な要因が絡まって起こるんだと思います。だけど、まず子どもを守る母親一人ひとりが「虐待を起こさないために親としてなにが必要か」を意識をしていくことが大切かな、と。

 

現在の法律では虐待を十分フォローしきれていない。虐待にフォーカスした法改正ももっと力をいれていくべきとも思います。

 

虐待事件は少しでも減ることを願って。