シンママナースの マリアンナ です。
新人看護師にありがちなミスのパターンがあるのをご存知ですか?新人看護師が起こすミスには特徴があります。この記事では現役看護師が臨床でみる新人看護師が起こしがちなミスを紹介。プリセプティにもプリセプターにもおすすめの記事です。新人看護師にありがちなミスを理解し、医療事故防止につなげましょう。
新人看護師にありがちなミスの特徴
たいてい毎年新人看護師が同じようなことで怒られてる。新人看護師がよく起こすミスにはいつも特徴があるなーって思います。新人看護師さんが、自分がおこしがちな失敗を事前に知ることで、そのミスを予防できます。新人のあいだは怒られるのも仕事のうちなんですけど、やはり怒られて良い気分がするひとなんていないですもんね。もちろん怒る側も良い気分はしないでしょう。
新人看護師にありがちなミスの特徴を紹介していきますので、ぜひ新人看護師指導や新人看護師の心得に一読ください。
患者に挿入される異物を観察しない
新人看護師さんを見ていていつも思いますが、新人看護師ってまだ業務に慣れていないからか、広い範囲での観察がまだできません。バイタルをはかる、呼吸音をきく、とかのフィジカルアセスメントはしっかりできていることが多いです。ただし治療に付随する酸素投与や点滴ルート、尿カテーテル、ドレーンチューブ等の患者に本来ないはずの異物を観察することが、結構すっぱ抜けていることが多い。すごく重要な看護師の仕事なんですけどね。ちなみにわたしも新人看護師時代はこれがよく抜けてましたね。っていうか今でもときどき観察忘れすることがあります。
体にドレーンを挿入したり、持続的につけていたりする酸素とか点滴とかって、本来体に入っていないはずの異物。それが抜けていたり、投与量が多くなっていたりすると大変です。モニターがとれていたりすることもある。各勤務帯でドレーンや点滴とかの異物に異常があったかなかったかってことは、看護師として重要な観察と管理になります。新人看護師のうちは仕事になれませんが、患者を観察するとき、患者の体に本来なかったはずの異物(ドレーンとか点滴とか)は必ず異常がないか観察するようにしましょう。
内服等の投薬類の管理アセスメントができない
入院してきた患者に内服している薬やインスリンなどの注射類があることはよくあると思います。
その中でも結構ベースに認知症があったり、認知症になりかけている患者さんもいます。認知症までいかなくても、入院して環境が変わることで、その症状が増悪するだろう患者さん。普通の薬ならまだしも、インスリンとかの劇薬類とか、何があってもおかしくないですよね。もし入院することで、せん妄とかをおこして投与量を間違えてしまったら、大惨事になりかねない。患者の状況や理解力にもよりますが、少しでも危険性があるなら、患者に了承をえたうえで、看護師管理にするのが懸命です。
そういった患者が入院してきたとき、結構新人看護師さんって、内服類を患者管理のままにしたりします。これがまた怖い。一度だけ新人看護師がとった入院で、「インスリンは自己管理でOKです」って報告を受けたんですけど、よくよく見て見るとめちゃくちゃ認知症で、インスリンの投与量も、投与するインスリンも全部間違って自分で注射していました。幸いその患者さんは大事には至らなかったんですけどね。やはり新人看護師さんは、経験がないぶん、その患者に起こり得る想定がなかなかできない。それは仕方のないことです。ただ内服やインスリンなど、下手すりゃ命に関わりかねないことを管理するとき、かならず先輩に確認したほうが良いと思います。だから新人でも看護業務の中でもなにが致命的か、致命的なことでないのかくらいは、新人看護師であっても理解しておいたほうがいいのかも。
わたしが経験したそのインスリン量を間違えていた患者さんは幸い生きていたけど、もし気づかずインスリン量を多く打ち続けていたら、最悪の結果になっていたことも否定できないですから。
何の薬かわからないけど投与する
新人看護師にありがちな怖いミスとして、投薬のミスはよくあります。単純に誤薬っていうこともあるんですけど、新人看護師に特徴的な投薬ミスは、そういった誰でも起こり得る医療事故じゃなくて、やはり薬について「知らないまま」管理して起こるミスです。注射でも内服でも、何の薬かわかってないまま投与する、看護師にとってこれほど怖いことはない。
看護学校では看護展開の学びが中心で、実際に薬や注射を触って管理することは実習であまり学ばないので、やはり新人看護師って薬に関する知識が乏しかったり、管理能力的なところがまだおぼつかないことが多いです。自分もそうでした。
降圧剤を毎日飲んでいる患者さんでも、血圧が低いときは降圧剤の内服をスキップするとか。解熱剤を使いたいけど血圧が低いからショックを起こすかもしれないとか。定期でインスリン打ってるけど今日は血糖値が低めだし、打っていいのかどうかとか。薬って効果と作用があるから、患者のそのとき観察した状態に応じて、看護師が投薬をアセスメントしてあげないといけない。でも新人看護師のうちって投薬することに必死になってしまいがちで、「その薬は本当にいっていいのか」っていう、投薬へのアセスメントがすっぱ抜けてしまう。新人看護師ならなおさら基本飲ませる前に、注射する前に、何の薬か調べてから投薬しましょう。このステップ、本当に大事なんだよー。ベテランになってもすごく大事なことだとわたしは思っています。今でも薬は特に調べる。調べまくる。
薬に対して知識がないと、そういった間違った投与をしかねないので、どれだけ忙しかろうがなんだろうが、必ず薬の薬効や投薬方法は調べてから使用するようにしましょう。
新人看護師がミスをする原因と根本的な解決方法
新人看護師でミスをしない子っていないです。看護師免許は持っていても、看護師として働くのは初めてなんだから、当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。新人看護師が起こすミスに共通する原因は、投薬でも観察でもそのことにたいして、知識が足りない、つまり「知らないこと」です。知らないまま看護するから、ミスになる。看護業務って、知らないことは医療事故の原因にもなるからすごく怖いんです。でも看護師として働くのはみんな初めてだから、これはどうしようもないし仕方ないこと。
知らないことに対する解決策は3パターンしかない。「しらべること」と「聞くこと」と「見て学ぶこと」。
絶対この段階を踏んで、看護業務の知識をひとつひとつ積んでいかないと、看護業務のミスは減らない。言い方を変えれば、新人看護師の本来の仕事はこの3つだけです。見て学んで、聞いて、しらべて、知識を得る。看護師として働いていくなら、新人看護師時代にこの3つの段階をしっかり踏んで、基礎看護を習得しておかないといけない。
1年目は「なんでそんなこともしらないの!」とかよく怒られますけど、知らないことは恥ずかしいことじゃないんですよ。それよか知らないのに聞かない、調べないほうがよっぽど恥ずかしい。おまけに将来の自分に影響します。新人看護師のあいだに調べる癖をつけとかないと、あとあと後悔することになります。ミスをするといろんなことを言う人がいます。新人看護師が起こしたミスの場合、これはたいていが知識不足によるもの。知らないことは恥ずかしいことじゃない。次にミスを起こさないように、学べばいいだけのことです。むしろ次に同じミスを起こさないことが重要。
勉強はどの業界にいってもつきものですからね。業務を学ぶことは、社会人1年目共通の課題。看護師だから大変なんじゃなくて、一年目はどこの業界でもしんどいです。新人看護師って大変、でも看護師として一番肝心な時期でもあります。勉強大変だけどがんばりましょう。1年目を頑張れば、2年目で必ず成果を出せる時がきます。