お礼奉公で奨学金を借りているけど、病院を辞めたい!って思ったら読んでほしいコラム



シンママナースの マリアンナ です。

 

 



お礼奉公を採用している病院ほど、働きずらい何かがある

わたしは看護師を志した地点からお金がなかったので、病院からお金を借りて、数年働いたらその借りたお金を免除してあげる、というお礼奉公制度を使って就職しました。なので、実質看護学校にかかったお金はほぼゼロ。お礼奉公のおかげで、スムーズに看護学校にいけたといっても過言ではないです。

 

だけど、学生時代から「お礼奉公がある病院はなにかある」っていうのは聞いていました。

っていうのも、それだけ奨学金というコストをかけて看護師を無理やり確保しないと、人が集まらない(もしくはすぐ退職してしまう)病院だからです。たいてい、お礼奉公で看護師を確保している病院ってのは、院内にいる看護師のほとんどが「奨学生」であることも多い。つまり、お礼奉公でやっと看護師を確保している状態なんです。

 

お礼奉公が終わっていないから、やめたくてもやめられない。だからしぶしぶ在籍しているって看護師は多いです。だから、ちょっと働きにくい理由が病院にあっても我慢する。奨学金がおわるまでの辛抱だって思うから。だから余計働きずらい問題があっても、数年は看護師が我慢してくれるから、病院側も改善をしなかったりするんだと思います。

 

休みが少ないとか、人間関係が悪いとか、給料がやたら安いとか。看護師が退職したい本音の問題はこんな感じが多い。つねに人手不足だからこういった労働環境の改善ができないんだと思います。

 

で、奨学生の労働環境がそんなんだから、「奨学金を借りてるけど、なにがなんでも退職したい」ってことがよくある。働いてはみたものの、言ってた話が違うじゃないかー!みたいなやつです。わたしも一度奨学金をある病院から、今勤めている病院に奨学金を借り換えたことがあります。奨学金を借りたときに話していた内容と、いざ就職前になったときの内容が全然違ったからです。

 

最終的に最初に奨学金を借りていた病院側が、就職直前にしてきた提案は、「泊まり込んで働いてほしい」でした。

奨学金を契約したころは、子どもがいるわたしのワークライフバランスを重視してあげるよって言っていたのに、いざ就職前になったら「泊まり込んで働いてほしい」だったんです。もちろん子どもを家において。3交代の病院だったので、終電がない時間に帰宅できないことを言ったら、そういわれました。それか自腹で駐車場を借りて車を買って通勤するように、と。もちろん引っ越すお金もなく。

 

給料がすごく安い病院だったので、月数万円以上の通勤代を自腹なんてしてたら、生活が持たない。なので、その就職先は辞退し、他の病院にお金を借り換えました。今思えば、ほんとあのとき借り換えしていてよかったって思いますね。

 



奨学金を借りていようと、法的に退職はOKです

前置きが長かった。

 

奨学金を借りている病院を、やめられない。って思っていても、そこで就職すること、もしくは退職することは法的にOKです。お金を借りているからって理由で退職させないっていうのは、労働を強制しているようなもの。法律的に退職することはなんら問題ありません。

 

ただし、お金の貸し借りについては、本来の契約に基づいて返金する必要があります。一括で全額返すのか、毎月分割で返金するのか、残っている奨学金だけを返金するのか、その辺は各病院ごとに違う契約に基づいてお金を返す必要がありますね。今まで、奨学金を返すために親が家を売って返したケースも見たことがあります。就職する病院を間違えると、大変なことになりますね。

 

結局病院って、合う合わないもあるんだと思います。上司との兼ね合いとか部署の空気とか。病院自体がその子にあわないこともあります。ストレスで心身がおかしくなりそうだったり、最悪自殺なんてあたまによぎるようになるくらいなら、一時的に借金をしたとしても退職するのはアリかなーと思います。

 

で、よくあるんですけど、なんとか新人~3年目くらいまでの一番大変なときを乗り越えたものの、そのストレスから逃げるために、ギャンブルやお酒、男におぼれるタイプの子。結構いるんです。そんなんなっちゃうと、結局お金が稼げるようになって一人前の看護師になっても、からだを壊したり、お金をたくさん失って、元も子もない状態になります。続けられても失うものが多いっていうか。

 

そういう看護師さんを見ると、そんな無理してここで就職を続けるくらいだったなら、はやく辞めて自分が働きやすいところで働けばよかったのに。って思います。難しい選択ですけどね。でも、お礼奉公で奨学金を借りているとしても、あまりにストレスで心身に影響がでたり、よくないストレス解消法に依存しそうになっているなら、転職を考えてもいいと思います。退職するのは、けして悪いことではないですから。

 



やめるかやめないか。重要なのは自分の気持ち次第

わたしも看護師3年目くらいまでは毎日やめたいって思ってました。通勤中はどうやってやめようか、辞める理由をなんていおうかなんて毎日考えてもいましたね。ほんと3年目まで辛いの連続。怒られてばっかりですしね。それを上手に消化出来るひとと、できないひとがいる。でも職場で起こる辛いことを、うまく消化できないことが悪いわけじゃないと思うんです。ただ、合う合わないかと。

 

職場をかえるのって勇気がいります。ましてまだ経験値が浅すぎるとか、年齢が結構いってるとかだと、考えるものがある。思うに、「なんかいやだな」とおもいながら過ごす場所は、その後もずっと思い続けるいやな「なにか」はあると思います。ようは合わなかったり、ほんとにその職場自体に問題があったり。職場ってひとが作り上げるものですから。社員がなんかいやだな、って思うような場所って、なんかあるんですよ、たいがい。

 

いつやめるか、だけの問題ですね。

 

でも、やめて次なにしたらいいのか、って迷う。ただでさえも就職した場所がいやだったら。なら、働きながらいろんな職場をちょいちょい覗いてみて、いろんな病院の雰囲気を見ることが大切だと思います。

 



現役看護師が話す「本当に良い病院・悪い病院」、就職先の見分け方

本当に良い病院って、じゃあどんなの?悪い病院の特徴ってなんなの?ってところなんですけど。

わたしが感じている限りの就職先としての病院の良しあしとその特徴は以下のような感じです。

 

良い病院の特徴

  • 福利厚生がしっかりしている
  • 労働組合がある
  • しっかり病院経営として収入がある
  • あまり頻繁に求人をしていない
  • アルバイトやパートの看護師をたくさん採用している
  • 有給取得100%を目指していて実践している
  • 離職率が少ない

 

良い病院だなー、評判がいいなーと思う病院に共通する特徴です。

福利厚生や労働組合、有給など、働く側のことをしっかり考えている病院ほど、離職率はやっぱり低いです。また看護師は人手不足なので、どこの病院でも争奪戦なんですけど、ある程度バイトやパートを雇う余裕があり、正社員にしっかり有給を使わせられる病院はやはり働きやすいと思います。そういう病院は求人を積極的にしていないことも特徴的。そこまで離職がないので、求人自体そんなにしなくてもいいのかもしれなせん。

 

 

悪い病院の特徴

  • 福利厚生がボロボロ
  • 労働組合がない
  • 病院経営がやばい
  • 家族経営・親族経営
  • やたら上の役職が多い
  • いつも求人を出している
  • やたら奨学金で看護師を確保する
  • 離職率が高い、特に若い世代ほど多い

 

だいたい看護師が働いていて辛いと感じる病院の特徴です。もう、これが3つ以上そろったら絶対そこで働くのはやめとけって思う。そもそも病院として大切にしているのは利益だったり、借入の返済や上層部の収入だけだったり。だから働いているひとたちの福利厚生に目がいかず、結果的に離職が高くなったり、労働組合を持たなかったりするんだと思います。離職が停められないので人手不足を補うために奨学金で看護師をキープする以外術がなかったり。そういう病院に限って、天下りとか、同じ役職(部長とか課長とか)が二人も三人もいたりします。コネみたいな感じでしょうね。収入がそういうとこにとんでいくから、看護師の給与がやたら安くなったりします。やだねー。

 



退職を考える前に、他の病院も少し見てみよう

今後の予定もないまますぐ退職するっていうより、休みの日とかにちょっと他の病院見学会に行ってみたり、話を聞きに行ってみるのもいいと思います。もう病院がいやなら、介護施設系や治験コーディネーター等、企業や福祉施設で働くことができるのが看護師の最大のメリット。看護師の紹介会社に登録して自分が希望する職場を紹介してもらうのも手です。わたしはメディカルコンシェルジュのMC─ナースネットに登録はしています。短期バイトしたいときとか、仕事探すのめんどくさいとき(笑)に使ってます。希望は絶対聞いてくれるし、無理やり紹介とかはしてこないので、良い会社だなーと思います。


看護師ってたくさん需要があって仕事もあるので、悪い条件の職場ももちろんあるけど、条件が良い職場ってたくさんあると思います。わたし自身も調べているだけで結構近場に良い病院ってあったりしますから。

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