特定看護師って何?資格・制度・給料・大学院・今後の需要について調べてみた

看護師


シンママナースの マリアンナ です。

認定看護師や専門看護師等、専門分野での上級看護師の需要が高まる中、

平成27年、新たな特定看護師制度が発足されました。

40年ほど前からアメリカでは特定看護師は普及しており、

日本にはいつできるんだろー、って思ってたので、

わたしにはとても衝撃的な制度改革に見えます。

医者がしていたことをどんどん看護師がしていく。

なんだか医療業界が進化してるって感じですよね。

今日は制度ができたばかりの「特定看護師」について、

資格・制度・給料・条件等、様々な角度から調べてみました。

看護師

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特定看護師(診療看護師)とは

特定看護師とは、平成27年10月厚生労働省より施行された新しい看護師制度です。

一部では診療看護師、NP(ナースプラクティショナー)看護師とも言われていますが、

2016年7月現在、日本では「特定看護師」の呼び名で統一されています。

 

今まで看護師ではできない医師が行っていた特定行為(インスリンの投与量の調整、脱水症状に対する輸液による補正、橈骨動脈ラインの確保等)を、

特定看護師が行えるようになります。

 

特定看護師は看護師と医師の中間的立場にあるともいえますね。

ただし2016年現在、法律上特定看護師という名称で位置づけられていますが、

現地点では資格ではありません

法律上、「特定看護師」という資格はありません。
2011年に取りまとめられたチーム医療の推進に関する検討会報告書「チーム医療の推進について」において、「特定看護師(仮称)」の提案がされましたが、その後の議論を経て創設された「特定行為に係る看護師の研修制度」はあくまで研修制度であり、新たな資格をつくる制度ではありません。
しかし、特定行為に係る看護師の研修制度の普及・活用にあたっては、「特定行為研修を修了した看護師」を略して「特定看護師」と呼称することは問題ありません。

日本看護協会HP

 



特定看護師が出来た背景

団塊世代が後期高齢者に達する2025年、日本人口の約3割が高齢者になることが予測されています。

2025年には医療・介護のニーズが急増し、需要と供給のバランスが保てなくなることが考えられます。

 

2016年現在でも、医師・看護師不足は深刻な問題です。

このままでは2025年頃、日本の医療制度が崩壊してしまいます。

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それを防止するため、

厚生労働省は人口構成が大きく変わる2025年に向けて、

新たな改革を打ち出しました。

 

これまで医師しか行えなかった特定の医療行為をピックアップし、

その技能を持ち合わせる特定の看護師に行わせるのです。

 

コストが高い医師の仕事を、特定の看護師に一部割り振ることは、

医療費削減や、今後高齢者増加に伴いさらなる需要が見込まれる在宅医療の下支えになります。

 

この特定看護師制度は、ナースプラクティショナーという名目で

アメリカでは何十年も前から普及しています。

 

日本では医師会の反対も強く、なかなか発足しませんでしたが、

厚生労働省の後押しもあり、平成27年本格的にこの特定看護師制度が発足されることになりました。

 

 



特定看護師が行える特定行為

2016年7月現在、特定看護師が行っても良いとされている医療行為は以下の38項目です。

 

  1. 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  2. 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  3. 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
  4. 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
  5. 人工呼吸器からの離脱
  6. 気管カニューレの交換
  7. 一時的ペースメーカの操作及び管理
  8. 一時的ペースメーカリードの抜去
  9. 経皮的心肺補助装置の操作及び管理
  10. 大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
  11. 心 嚢 ドレーンの抜去
  12. 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更
  13. 胸腔ドレーンの抜去
  14. 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む。)
  15. 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
  16. 膀胱ろうカテーテルの交換
  17. 中心静脈カテーテルの抜去
  18. 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
  19. 褥 瘡 又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
  20. 創傷に対する陰圧閉鎖療法
  21. 創部ドレーンの抜去
  22. 直接動脈 穿 刺法による採血
  23. 橈 骨動脈ラインの確保
  24. 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析 濾 過器の操作及び管理
  25. 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
  26. 脱水症状に対する輸液による補正
  27. 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
  28. インスリンの投与量の調整
  29. 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
  30. 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
  31. 持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
  32. 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
  33. 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
  34. 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
  35. 抗けいれん剤の臨時の投与
  36. 抗精神病薬の臨時の投与
  37. 抗不安薬の臨時の投与
  38. 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整

 



特定看護師の給料

気になる特定看護師の給料・手当ですが、

まだ発足したばかりで、どの病院も明確に表示していません。

そもそも特定看護師に関する診療報酬制度も取り決められていないので、

まだ給与相場は未知数の状態です。

 

特定看護師に対し、

どれだけの診療報酬改定と法改正があるかが

今後特定看護師の需要と待遇を左右するでしょう。

 

現地点で国立病院機構では、

特定看護師に対して一律6万円の手当を支給すると公表しています。

 

また国立病院機構に就職し、特定看護師取得のために大学院通学する場合、

通学中に基本給の7割を支給する制度もあり、

勤めている病院によっては大学院通学のサポートも手厚くなりそうです。

支援制度もあります。

研究機関によっては、働きながら習得可能な施設もあります。

厚生労働省作成 特定看護師リーフレット

 

 

医療機関・診療報酬制度でも、

厚生労働省のバックアップや後押しもあり、

特定看護師に対する待遇は考慮されていくでしょう。

 

今後の2025年問題は国家問題でもありますので、

恐らく特定看護師の需要は高くなると思います。

 

 



特定看護師になるには

 

特定看護師になるには、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 看護師として5年以上の経験値があること
  • 厚生労働大臣が指定した指定研修機関で研修を終えること

 

指定研修期間によっては、大卒でなくても受験できる機関もあります。

学ぶ分野は、全てに共通して学ぶ「共通科目」と

特定行為区分における「区分別科目」にわかれています。

 

特定行為研修を行う指定研修機関は以下の通りです。

 

特定行為研修を行う指定研修機関

日本看護協会HP

 

 

 

特定看護師    仮称養成 調査試行事業の指定・情報提供一覧


A修士課程 調査試行事業


16 大学院 32 課程

大分 大分県立看護科学大学大学院 看護学研究科 老年、小児
大阪 大阪府立大学大学院 看護学研究科 急性期、がん
岡山 岡山大学大学院 保健学研究科 がん
熊本 熊本大学大学院 保健学教育部 精神
東京 慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 老年
高知 高知女子大学大学院 看護学研究科 がん、老人、小児、精神、在宅
栃木 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 慢性期
東京 順天堂大学大学院 医療看護学研究科 慢性期
東京 聖路加看護大学大学院 看護学研究科 老年、小児、精神、在宅、周麻酔期
千葉 千葉大学大学院 看護学研究科 がん
東京 東京医療保健大学大学院 看護学研究科 クリィティカル
徳島 徳島大学大学院 保健科学教育部 がん
新潟 新潟大学大学院 保健学研究科 慢性期
東京 日本赤十字看護大学大学院 看護学研究科 慢性期
兵庫 兵庫県立大学大学院 看護学研究科 慢性期、がん、老人、小児、母性、精神、在宅
北海道 北海道医療大学大学院 看護福祉学研究科 プライマリ・ケア

 

 

 

B研修課程 調査試行事業


研修機関 3 課程

東京 日本看護協会 看護研修学校 救急、皮膚・排泄ケア、感染管理

 

 

C養成課程 情報収集事業


19 大学院 34 課程、2 研修機関 2 課程

[大学院]

 

青森 青森県立保健大学大学院 健康科学研究科 クリティカルケア、小児、母性
石川 石川県立看護大学大学院 看護学研究科 がん、老人、子どもと家族
大阪 大阪大学大学院 医学系研究科 がん
大阪 大阪府立大学大学院 看護学研究科 母性;リプロダクティブヘルス
東京 北里大学大学院 看護学研究科 クリティカル、がん、母性、
京都 京都橘大学大学院 看護学研究科 老人、母性
福岡 久留米大学大学院 医学研究科 がん
群馬 群馬大学大学院 医学系研究科 がん、老年
東京 慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 がん、精神
高知 高知女子大学大学院 看護学研究科 家族
高知 高知大学大学院 総合人間自然科学研究科 クリティカルケア、高齢者
滋賀 滋賀医科大学大学院 医学系研究科 皮膚・排泄ケア
静岡 聖隷クリストファー大学大学院 看護学研究科 がん
千葉 千葉大学大学院 看護学研究科 がん・老人・小児・母性・精神;専門看護師強化コース
東京 東海大学大学院 健康科学研究科 クリティカル
東京 東京女子医科大学大学院 看護学研究科 クリティカルケア、がん、老年、小児、精神
宮城 東北文化学園大学 周術期・救急
兵庫 兵庫医療大学 クリィティカル
広島 広島大学大学院 保健学研究科 慢性期、がん

 

 

 

[研修機関]

 

東京 北里大学 看護キャリア開発・研究センター 新生児集中ケア
広島 広島大学大学院 保健学研究科附属先駆的看護実践支援センター 新生児集中ケア

 

厚生労働省

 

 



まとめ

まだまだ発足したばかりの「特定看護師」。

制度やできる特定行為も安定していませんが、

今後需要が増えることは間違いなさそうです。

 

現段階では、制度を考案中であり、

取得しようとするにはまだ早い気もしますが、

幅広い活動範囲と需要がある特定看護師は、

キャリアアップを考えている看護師さんにとって、

とても好適な制度ともいえます。

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