シンママナースの マリアンナ です。
ワンオペ育児って何だ?
ワンオペ育児って知ってますか?わたしも最近知ったんだけど。
どうもワンオペってのは「ワンオペレーション(one operation)」、つまり一人で切り盛りしているってことの表現らしい。
人手不足、人件費削減が問題視される飲食店でよく使う言葉なんだって。
確かに牛丼チェーン店とか、夜ひとりでバイトが店内走り回ってる光景、みたことあるよね。
ワンオペ育児ってのは、一人で子育て頑張ってる「育児」のこと。
旦那の単身赴任、残業とかで協力を得られないママや、シングルマザーも含まれる。確かに世の中のお母さんって髪振り乱して生きてる感じする。わたしも含めて。
わたし子どもが小さい時、働きながら一人で子育てしてたから、鏡ずっと見てなくて、眉毛つながってたこととかよくあった。
子どもが大きくなってくると同時に、少しずつ時間の余裕もできてくるけど、子どもが小さければ小さいほど、もう、自分が女性っていう生き物だったことも忘れてしまうくらい、ワンオペ育児って大変だと振り返っても思う。
正社員の責任、ワンオペ育児の負担。過労で倒れたわたし
経済的な理由もあって、子どもが2歳にならないくらいから、正社員で働くようになったんです。
そのときはおばあちゃんとか、父親とか誰の協力を得ることなく、「一人っきり」で育児していたときがあって。
「自分がやらなきゃ」っていうプレッシャーと、実際子どもはやっぱり「ママ」に懐く生き物だから、子どもの世話をしてあげたい気持ちでいっぱいいっぱい。
同時に子どもを食べさせていくのに仕事も大切で、ブランクがあくと仕事を復帰しずらくなるので、がっつり正社員で働きました。
仕事が終わったら行き急ぐように保育園まで走っていきます。遅くても19時までに迎えに行かないといけなかったから。
17時におわって順調に帰れても、電車で地元までかえって保育園につく頃は18時。少しでも残業になると19時ぎりぎりになる。
こどもは早く迎えに来てくれなくて、泣いてるときもありました。2歳3歳ってまだお母さん恋しい時期でもあるからねぇ。今思い返しても、かわいそうで辛かった。
そこから買い物。もうごはんとか作ってられない。
優雅に「今晩のレシピは・・」なんて考えてる余裕ない。
いかに早く食べさせれて、腹を膨らませられる出来あいのおかずを買う。
もうね、栄養とかおいしいとかそんなんどうでもいい。とりあえず飢えないために食べる、みたいな。
帰ったらご飯食べさせて、かたずけて、風呂に入れる。だいたい早くて21時くらいかな。そこから、寝かしつけようとするけど、毎日そんなうまくいかない。夜泣きすることもある。
一息つく間もないまま、就寝して朝。順調な日でこんな感じで、ちょっとでも仕事が忙しくなったり、子どもが体調不良になると、ほぼ寝る時間がない日が続く。
あるとき、仕事が忙しくて寝れない日が続きました。家にも仕事持ちかえって。
で2~3歳とかってすごく熱とかよく出すんですよ、定期的に。看病しながら、家でも働きながら、みたいな日々。
すごく繁忙期で、残業はあまりしたくないから、家にも仕事持ち帰ってやってたんです。
当時はリーマンショックとかの影響もあって不景気だったから、仕事があるだけでもありがたいし、クビになりたくない一心でがんばりました。
だけど、子育ても手を抜きたくなくて。
結局からだを壊して、ぶっ倒れた。職場で倒れたんです。意識が急になくなった。
過労です。今思えば貧血か、低血圧かな。寝たら治ったけど。今思えば頭のうちどころ悪かったら、死んでたな。
だけどこのとき、女が正社員でがんばること、同時に子育てを両立することに限界を感じました。
がっつり働きながら、小さい子の子育てなんて、一人で無理だって悟って。
で、短い時間でも働ける、それなりのお給料がもらえる仕事につこうって思って、看護師の資格をとることにしたんですけどね。
ワンオペ育児とワーママの両立は無理がある。
でも、女性が働かないと成り立たない社会になりつつあるけど、子育て支援の整備が乏しい。
そんな日本の社会問題について、考えさせらえるようになりました。
時短勤務の条件厳しすぎ、実際職場で簡単に使えなさすぎ
確かに、日本には「時短」たる制度があります。正式名称は、「短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)」。育児・介護休業法に基づく制度です。
ようは介護とか子育てとか大変なひとたちは、働く時間を短くしてあげましょうよ、って制度。
素晴らしいですね。
でも、実際のワーママ・ワンオペ育児している当本人だったわたしは、この制度にたくさんツッコミをいれたい。
短時間勤務制度の対象条件
とりあえず、時短のルール。こういう人は時短受けれるよ、でもこういうひとは受けれないよっていうルールがあるんです。
ここで、おい!って思うルールがいくつかあって。
ワーママ×ワンオペ育児経験者として突っ込みたくて仕方ないから、ちょっと言いたい。
短時間勤務制度の対象
短時間勤務制度の対象となる労働者は、次のすべてに該当する労働者。
① 3歳に満たない子を養育する労働者であること。
② 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
③ 日々雇用される者でないこと。
④ 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと。
⑤ 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。
短時間勤務制度の対象外
本来、短時間勤務制度の対象となりうるものの、労使協定により短時間勤務制度の対象外とすることができる労働者は以下の通り。
ア) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
イ) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
ウ) 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
参考URL:厚生労働省 パート労働ポータルサイト「短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)について」
時短ルール無理ゲー1:3歳に満たない子を養育する労働者
なんか根本的にここが違うような気がするんですが、3歳まで手かかるけど、3歳すぎたら手かからない的な感じでしょうか。3歳でそんな極端に時短がいらなくなる根拠知りたい。
私的には3歳すぎても子育ては時間がすごく必要だと思ったし、小学校に入っても、子どもによってはお母さんが早めにかえってきたほうが良い家庭ってたくさんあるとおもいます。
いや、3歳以降も、時短必要なひとは必要だろう、と。
で、3歳すぎたからって保育園が延長してくれるわけでもないし、職場が残業を免除してくれるわけでもないから、はて、ワーママ・ワンオペ育児ママはどうしたらよいものか。
3歳って何の基準か知らないけど、子供の成長ってほんと個別性あるから。5歳まで夜泣きする子もいれば、1歳2歳で結構手が離れる子もいるし。
この辺の子どもの年齢ってすごく差があるから、ママの負担もすごい千差万別。この年齢のふり幅を考えた制度にしてほしいです。
小学校は学童とかあるけど、実際地域によっては学童にも待機児童があって入れなかったりします。
実際わたしは学童が待機児童30人待ちで入れなかったです。待機児童は保育園だけではないことに衝撃うけたっていう。
でも小学校1年とか2年くらいの、まだ危険を判断できない子どもを家に1人でおいとくのって、正直怖いです。
小学校低学年でも十分時短対象者であるべきじゃないかって思うんですよね。
学童にそもそも入れないとなると、ワーママ×ワンオペ育児家庭はどうやって子育てしたらいいんだって途方にくれるわけで。1年生の子ども家に1人でおいとくのも、不安がある。
3歳といわず、小学校低学年くらいまで選択できるようにしてほしい。無理なら学童の待機児童を解消してほしいですね。
時短ルール無理ゲー2:当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
いやこれおかしい。いやはや、いやはや。
じゃあいろいろ事情があって、赤ちゃん産んで間もないまま就職したばっかりのワーママかーちゃんは、時短が利用できない。えー。
3歳未満を子育て中のママを支援したいのか、したくないのか、どっちなの。
ワンオペ育児で働き始めたばっかのママだと、確実無理ゲーすぎる。なにが時短じゃってなる。
働き始めるタイミングとか理由って、家庭によって違うからね。みんながみんな、1年以上勤務してるわけじゃないよっていう。子ども生まれてすぐ旦那倒れたらどうすんだ。
時短ルール無理ゲー3:業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者
そんなこと言い出したら、福利厚生が優秀な大手企業以外、全部無理じゃないかと思う。
どこも人材不足、人件費削減に必死。
人件費ピーピーの、人手足りない職場に、「すいませんわたし子育て忙しいんで時短使わしてください」って言える勇気ある女性、KYになる。わたしは言えない。
現実社会で、都合よく時短つかえる職場と部署がどれくらいあるのかをまず統計とってほしい。
ちなみにわたしは子どもがまだ3歳くらいだったけど、時短どころか繁忙期に残業しないことについて呼び出されてすごく怒られました。怒られる意味もわかるけど、幼子をワンオペ育児してる身として、死ぬほどつらかった。いや、わたしにどうしろっての、って思った。でも職場からすればそうもなるよね。だから、時短とかそれどころじゃなかったっていうか。制度なんかあってないようなものだった。
少ない人数で利益を生み出してる中小企業って、やっぱり一人抜けるだけで他のひとの負担が増えたりするから、そんな簡単に時短なんてお願いできない環境もあるんじゃないかと。
そんな時短とか余裕で使えますよ、みたいな理想的な雇用できるのって、やっぱり大手企業とか公務員、労働時間に制限があまりない業種だけなんじゃないだろうか。
営業とか、医療系、客商売とかは難しいね。
子どもはだいたい小学校くらいまで手がかかる生き物であることを、周知してほしい
いつだったか、小学生のこどもたちが留守番している家庭で火事がおきて、子どもはまだ自分で対処できなくて、結局こども数人が火事で亡くなったってニュースを見たんだけど。
夕方くらいに火事がおきて、まだ母親は仕事中だったと。
もう少し子どもが成長した年齢だったら、
もうあと1~2時間誰か子どもを預かってくれる環境があれば、
もう1~2時間母親が早く帰ることができる職場環境なら、
こんな事件は起きなかっただろうなと思うことがあって。
結局ワーママ×ワンオペ育児してみた意見からすると、子育てなんて個人差あれど、中学校はいる前くらいまではなんだかんだって人手がいるもので。
小学校くらいにもなると、ある程度成長しているとはいえ、危険を回避したり、悪い人や悪い行為を判断する「判断能力」みたいなのって、まだ乏しい。
ワンオペ育児だと、がっつりフルタイム勤務は、協力者がいるか、すごく理解がある職場でない限り、どっかで支障がでるんじゃないかな。
今の日本女性も子ども預けてもっと働け、みたいな流れになってきて、世の中これが当たり前になってるから、この無理難題な子育て環境が問題視されないのかもしれない。
人口が減ってきて、働き手も減ってくるわけだから、仕方ないっちゃないけど。
結局、正社員の責任と、手のかかる子どもの育児の責任が、ママ一人にのしかかること自体に限界がきてるんだと思うんだよね。
学童とか保育園って言っても、待機児童多いし。小学校は夏休みとか冬休みの長期休暇もあるし。
時短だけじゃないけど、制度って作ればいいってもんじゃなくて、作ってからやってみて、どうだったかを評価してほしい。
時短作ったはいいけど、実際時短使える人、使える環境のひとってどんだけいんのだろうか。
みんな四苦八苦で働いてる中、私一人「子どもいるし早く帰りたいです」って言えねー・・。
子どもって小学校くらいまではなんだかんだで親の手がいるし、必要だと思う。
時短制度、もっと充実させてほしい。
とりあえず子どもは3歳以降も手がかかるし、目離したらいけんのだよ。
「子育て四訓」にもありますよね。
- 乳児はしっかり肌を離すな
- 幼児は肌を離せ手を離すな
- 少年は手を離せ目を離すな
- 青年は目を離せ心を離すな
結局少年といわれる学童期くらいまでは、目が離せない。子育てに時間がかかるってこと。
昔のひとはうまく言ったもんだ。
ということで、ワーママ×ワンオペ育児体験の愚痴でした。
結局私は
- 一人で子育ては無理
- ハードな職場は無理
って結論に至り、
- 子育てを親族に協力してもらう
- キャリアアップして職場を変える
っていう方向にシフトしましたけど。
世の中にはきっと、この「ワーママ×ワンオペ育児=子育て無理ゲー説」な日本の制度に限界を感じてるママってたくさんいるんだと思う。
日本の制度って充実してるんだか、してないんだか。需要にあってるようであってない法律多い。
母は強し。子育てがんばりましょう。