新人看護師にありがちな「SOAPの書き方の間違い」と「改善策」



シンママナースの マリアンナ です。

 

 



新人看護師・看護学生にありがちな「間違った」アセスメントの書き方

 

かれこれ、新人指導看護師とか看護学生の記録とかを見ていると、だいたいいつも同じところで看護記録の書き方の失敗しているところがあるんです。

それは、「SOAP」がつながっていないこと。

 

SとOで得られた主観的・客観的情報に対して、全然関係ないことをアセスメントとして記録していたり、

アセスメントに書いていることと全然関係ないことをプランにあげていたり。

 

「S・O・A・P」ってその記録方法の性質上、すべてがつながっているはずなんですけど、なぜ新人看護師さん、看護学生さんの記録を見ていると、SOAPの流れが途切れてしまったり、つながっていなかったりする。

 

だから、あとから読んだひとたちからすると、

「え?なにを問題と思ってこのプランを看護ケアにしたんだ?」

「結局なにを看護問題として見ていたんだ?」

って疑問視されてしまう。結果、質問攻めにあってしまうという負の連鎖が起こるわけですね。

 

「SOAPがつながってないよ」

っていう指導は、新人看護師を指導するとき、8割くらいの確率で指導してます。

 

 



どうして「SOAP」がつながらないのか

 

かと言い、わたしも同じようなことを、看護学生時代・新人看護師時代は注意されてきました。

だからSOAPがつなげて書けない気持ちもすごく分かります。

 

この書き方で書くとA指導者さんから注意されるけど、B指導者さんにはこう書けって言われた。

前の先輩にはこう書くように言われた。

 

なんかいろんなひとから指導を受けるもんだから、しかも指導内容も微妙にひとによって違ったりするから、新人や学生のあいだって、自分の看護記録に統一性が持てなかったりするんです。

で、ちゃんと勉強してるからこそ、

「あれも書かないといけないんじゃないか」「これも書かないといけないんじゃないか」っていう知識が引っ張り出されてくるわけですね。

 

 

で結果、SOAPがつながらなくなってしまう。

自分もそうだったから気持ちはわかるんですけど、やはりSOAPは法的な看護記録。

SOAPの流れがひとつになっていて、「そのときの看護問題はなんだったのか」が明確にわかる文章であるべきなんです。

 

 



どうして「SOAP」をつなげないといけないのか

 

看護協会の「看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針(9ページ)」には、SOAPについて以下のように記載されています。

 

表:看護記録の構成要素「経過記録」より

看護を必要とする人の問題の経過や治療・処置・ケア・看護実践を記載したものである。経過記録には、叙述的な記録と経過一覧表(フローシート)がある。叙述的な記録には、経時記録、SOAP、フォーカスチャーティングなどがある。

 

 

叙述的な、の意味は、「(物事の有様を)順を追って(書き)述べること。」です。

つまり、文章を読んでいくとすべてつながった文章であるべき、ということ。

 

看護記録として、SOAPは流れが全部つながった状態で記録してね、ということが求められているわけです。

 

そもそもSOAPは、看護者がなにを見て、なにを問題と思って、何が必要と判断して、何をしたのか、がはっきり記録として残せるように開発された医療の記録様式。

だから、SOAPって書かれているすべてが、つながっていないとダメなわけなんです。

 



患者の「何の問題」にフォーカスして「何が必要だと思ったのか」整理してから記録を書く

 

だけど、看護記録ってなにを書いたらいいのか、何を書かなくてもいいのか、判断が難しい。

新人看護師、看護学生のあいだはとくにそうです。

 

「なにをどうかけばいいのかわからない!」

 

そうなったときは、まとまった看護記録を書く「コツ」があります。

 

 

患者さんの「今問題と思ったこと」「今これが必要だ!と思ったこと」は何か

 

看護記録をうまく書けないときは、まず頭のなかで

「今問題と思ったこと」

「今これが必要だ!と思ったこと」

を思い浮かべてください。

 

患者さんが話したこと、患者さんから得た情報をみて、

何が問題と思ったのか。

 

それに対して、

なにが必要だと思ったのか。

 

例えば、もし発熱していて、体熱感が著明で、倦怠感を訴える患者がいたら、

きっと多くの看護師がクーリングして、安静安楽が保てるよう環境整備します。

 

ここでいう問題と感じたことは「発熱による倦怠感」で、

必要だと感じたことは「解熱に対するケア」と「安静安楽の援助」です。

 

この「問題と思ったこと」はアセスメントに、

「必要だと感じたこと」をプランに記録すればOK。

 

あとは、この二つに関連するSとOをピックアップして、

記録にまとめれば、なにが問題に感じていたのか誰がみてもわかるし、SOAPはつながります。

 



新人看護師にありがちな「SOAPの書き方の間違い」と「改善策」まとめ

 

わたしが今まで見た中で、よくある新人看護師・看護学生の看護記録ミス。

情報を十分整理できていないまま記録してしまったことで、SOAPがつながっていない看護記録がよくあること。

 

これを克服するためには、まず看護記録を書く目に、

患者の

  • 何を問題と思ったか
  • 何が必要と思ったか

を整理すること。

 

このふたつがはっきりすれば、

  1. 何を問題と思ったか・・それをアセスメントに書く
  2. 何が必要と思ったか・・それをプランに書く

でOK。

 

SとOは、1と2に関連する情報だけをピックアップして順に羅列すれば、SOAPがつながった看護記録の出来上がりです。

アセスメントから中心に考えて書けば、「なにを問題と思ったか」っていう「看護問題」から記録がブレないので、SOAPがうまくつながって書けないひとには、おすすめです。