シンママナースの マリアンナ です。
はじめに
離婚であれ未婚であれ、母子家庭になることは、
子どもに多かれ少なかれ影響を及ぼすものです。
発達心理学の世界でも、父親の存在が子どもの人格形成に大きく影響することが証明されています。
子どもが小さければなおさらですね。
母子家庭の道を選ぶ母親にとって、
父親がいないことが具体的にどんな影響を子どもに及ぼす可能性があるのでしょうか?
この記事では、
母子家庭で考えられる子どもへの具体的な影響と、その対処法を紹介しています。
1.父親不在が子どものアイデンティティ(人格)形成に影響する
1-1.アイデンティティと発達
アイデンティティとは人格、自我ともいわれます。
つまり「自分」です。
アイデンティティとは、すべての人が持つ「自分とはなにか」という概念です。
発達心理学において、
アイデンティティは思春期までにほとんどが形成されるといわれています。
思春期によくある反抗期は、このアイデンティティ確立のための一歩でもあり、
とても重要な精神発達の反応です。
子どもの反抗とは、「自分はこう考えるんだよ!」という、自我形成ができている証拠でもあるんですね。
子どもの反抗が激しくて困っているお母さん、安心してください、順調に成長してますよ。
話がそれた。
つまり、子どもから大人になる間にアイデンティティは作られるわけですね。
アイデンティティが形成される前に虐待やいじめ、レイプ等ショッキングな体験をすると、
アイデンティティの確立に影響するといわれています。
精神疾患でもある境界性人格障害や多重人格の原因は、
アイデンティティ確立ができなかったことが原因のひとつでもあります。
なんとなく、アイデンティティが子どもの成長に重要な役割をしていることが、おわかりいただけたでしょうか。
1-2.アイデンティティと父親の関係
健全なアイデンティティ確立に父親の存在は影響するのか?
はい、
します!
えぇぇぇぇえええええぇぇぇえええーーーーー|д゚)!!
す、すんのかーーーーい!!!!
また話がそれた。
シングルマザーにとってショッキングな事実ですよね。
でも影響します。ていうか影響しないわけがないんです。
アイデンティティ確立とは、
自分が女性であること、男性であること、息子であること、娘であること、
してはいけない悪いこと、しても良いこと・・・
自分を作る性、思考、モラル等すべての概念を作る心理的な成長段階ですから、
一番身近な男性になるべきはずの父親は、影響しざるおえないのです。
子どもはおのずと男性、女性がどうあるべきか、
男女の関係性はどうあるべきか、
父と母とはどうあるべきか、
男女関係含む性に関することはそのほとんどを母親と父親から学びます。
シングルマザーにとって、ちょっと辛い事実ですね。
子どもの心の成長に、父親の存在は影響が大きい。
でもこれはやはり、避けられない事実なんですね。
1-3.母子家庭で健全なアイデンティティを育てるための方法
父親がないから、健全な子どもに育てられないわけではありません。
母子家庭で育っても、十分自立して立派に生きているひとはいるし、
両親揃っているからって、まともな人間になるともきまっていません。
いても害のあるような父親なら、バッサリいないほうが子どもの成長に好都合です。
母子家庭であっても、父親という存在から得るはずのアイデンティティ確立を、
フォローすることはできます。
「良き父親の代役になるひとを作る」ことです。
これはとても重要なことですが、決して再婚や誰か男性と同棲することをお勧めしているわけではありません。
重要ですので重ねます、
決して再婚や誰か男性と同棲することをお勧めしているわけではありません。
具体的に良き父親の代役とは、どういう人をさすのか。
別に同棲してるひととか、再婚した新しい父親とかじゃなくてもいいんです。
むしろ、誰でもできるんです。
祖父や近くに住むおじさん、おじいさん、職場の男性、小学校の男性の先生、
習い事の先生、親戚のおじさんやお兄さん、教会やお寺の男性などなど。
男性とはこうあるべき人、というモデルになるような存在が近くにいることで、
充分アイデンティティ確立のために父親の代役をしてくれます。
- 悪い事をしたら威厳をもって怒る、威厳ある親せきの男性
- 優しくて上手にスポーツを教えてくれる、習い事や教会や神社等コミュニティやカルチャーにいる男性
- いつも声をかけてくれる近所の男性
- 何かしら話を聞いてくれる男性教師
- 友達の父親や母親の男友達
などなど、実は生活の中で子どもが男性とはどうあるべきか、
父親ではなく周囲にいるひとからも学んでいるのです。
父親がいなくても、子どもはそういった人との関わりのなかで男性に対する性のアイデンティティを形成を補うことができます。
2.再婚や母親の恋愛による子どもへの影響とは
シングルマザーにとって、恋愛や再婚は禁止とまでいわずとも
非常に慎重にならねばなりません。
下手にするならしない方がマシです。
状況にもよりますが、離婚や死別で父親の存在をなくし
少なからず「男性」という存在に過敏になっている子どもに、
新しい父親のような存在がきて、もしもその男性と良い関係が築けなかった場合、
アイデンティティの未発達や、人格障害の原因にもなりうるからです。
シングルマザーの再婚と恋愛における子どもへの影響について、
ひとつずつ展開してきましょう。
2-1.子どもでも自分のパーソナルスペースがある
人にはパーソナルスペースという概念があります。
この人なら自分とこのくらい近い距離にいても良い、と思う距離感のことです。
満員電車でかっこいいお兄さんが近くにいると、むしろ近づきたくもなるのに、
臭いおっさんが近くにいると、マジであっちいけや!とかおもいませんか?
それがパーソナルスペース。たとえが雑でしたね。
大嫌いな人、信頼していない人、不快に思う人って、近くにくると
「なんかいやだな」って思いますよね。
子どももしっかりパーソナルスペースの考えを持っています。
幼くて充分ことばで説明したり、表現したりできなくても、
この人と近くにいたいくないという考えが持てるのです。
子どもと信頼関係を築けていない男性が近くにいることは、
子どもにとってストレスでしかないのです。
母親が好きな男性=子どもが好きな男性 ではないのです。
2-2.無視してはいけないシングルマザーの再婚相手(交際相手)の心理
シングルマザーが恋愛・再婚するとき、盲目になりがちなのが、「再婚相手(交際相手)、すなわち相手男性の心理」です。
子どもを一見かわいがってくれる男性でも、シングルマザーと相手男性の関係がまだ恋愛真っ盛りの状態なら、
それが彼の本性でない可能性もあります。
シングルマザーである女性の気を引くため、子どもの気を引いていることもあるのです。
結婚や同棲は、お金や私生活上の責任が生じます。
見えなかった相手への悪いところも浮き彫りになり、
何より子どもという手のかかる存在が、
相手男性にとって大きなストレスになることがあります。
子どもは手がかかり、お金がかかり、時間と手間のかかる生き物です。
子育てほど大変で、責任の重い仕事はありません。
再婚で法的に父親になったとしても、
再婚相手は本来赤の他人です。
子どもと近くにいる相手男性が子育てを負担に感じたとき、子どもを疎ましく思って攻撃的になったりしてもなんらおかしな心理状態ではないのです。
近年増加する虐待の中で、
シングルマザーによる連れ子と再婚相手や交際相手による虐待は増加しています。
これらの事件から、過度な暴力を振るう男性側の精神的脆弱さも垣間見えますが、
相手男性が子育ての大変さを理解していないまま、
シングルマザーが同棲や再婚に踏み切っているようにも見えます。
子どもがいて恋愛をするなら、
子どもの存在を理解してくれる人でなければなりませんし、
子どもの相手男性の精神状態を見ながら
交際をすすめていくべきです。
それは相手男性や子どもではなく、
子どもの母親であるシングルマザーの責任範疇です。
2-3.シングルマザーは母親であること・女性であることの同一化が難しい
母親と女性というのは概念が違います。
良い母親とは、母性愛がありしっかり子育てをできるひとで、
素敵な女性というのは、女性的な魅力のあるひとです。
シングルマザーが恋愛すると、
母親であっても相手男性の前では女性でいることを意識するでしょう。
ですが子どもの前では、
良き母親でなければなりません。
近年、シングルマザーの連れ子へ相手男性が虐待をする事件では、
シングルマザーが母親の心理状態ではなく、
女性の心理状態になっているようなことが多いです。
虐待を止めることができなかった、と被害児の母はよく言います。
本来女にならず母親でいることに重点をおいていたなら、
子どもに危険性のあるひとだということを、事前に察知できたはずです。
子どもに危害を加えるであろうと人と、母親なら関わろうとしないはずですから。
相手男性と一緒に、自分の子どもに虐待をするシングルマザーもよくいます。
もう彼女はすでに、子どもの前でも相手男性の前でも、
相手男性を慕う女であり、母親の人格をなくしていたのだと思います。
ひとは恋をすると、その相手となんでも同じものをもっていたい、
同じ思考でいたいと思うものです。
ミラーリング効果(同調効果)といい、誰にでもみられる反応です。
人気アイドルが持っている小物は、ファンのみんながこぞって買うし、
人気アイドルが何か発言すれば、ファンはそれに同調しますよね。
シングルマザーである女性が、女にならなければ交際を続けられないような交際相手なら、
子どもの前ではその男性と会わないことです。
彼が子どもを疎ましく思って子どもに攻撃的になることに、ミラーリングしてしまう可能性があります。
シングルマザーは恋愛をしてはいけないわけではありませんが、
独身のように身軽に恋愛してはいけません。
自分自身の心理状態、子どもの心理状態、相手男性の心理状態をよく見て判断しないといけませんし、
母親である自分と、女性である自分の両側面を、自分でコントロールしないといけないからです。
2-4.シングルマザーの恋愛と、子育てを両立させるには
母親の恋愛は子どもの心の成長に影響を及ぼすのは、事実です。
決してシングルマザーが再婚や恋愛をしてはいけない訳ではありませんが、
恋愛・再婚をするなら、これらの事実をふまえた上で、
せめて子育てと恋愛を上手にバランスをとりながら交際するか、
前夫の子どもの育児と、「母親である女性」を尊重してくれる男性と再婚すべきです。
母親であるあなたを好きでいてくれる男性でなければ、
子育てと相手男性との生活を継続できません。
それができないなら子育てがいったん終わるまで、恋愛は控えましょう。
子育てなんて、20年。
20年しっかり育て、自立した子に育てられれば、あとは母親の自由な時間です。
子育て中に、子どもが情緒不安定になるような生活をさせると、
後のアイデンティティ形成に影響し、境界性人格障害やDV加害者・被害者になるなど
子どもの将来に影響する可能性があります。
離婚等から母子家庭になったからといって、
あせって新しい父親を作ろうとするのはやめましょう。
子どもに必要なのは新しい父親ではなく、まず自立した母親です。
3.大人不在家庭による子どものメディア被ばくと非行助長、犯罪被害リスクの増加
母子家庭に限ったことではありませんが、大人不在の家庭に子どもだけで生活するのは多くのリスクが潜在しています。
実際に、少年犯罪の各年齢層のうち、大人が家を空けがちな母子家庭育ちの少年は13~26%と群を抜いています。
(少年犯罪の統計より抜粋)
犯罪被害に関しても悲しいかな、最近では母子家庭での子どもが犯罪被害に合う事件が目立つようになってきました。
決して母子家庭だから巻き込まれた、とカテゴライズしたくはありませんが、
表ざたになる事件というのは氷山の一角で、実際にはもっと大きな数字であると予測します。
子育てという手のかかる大仕事を
母子家庭という手薄なマンパワー下で子育てするわけですから、
何かしらリスクはあるわけです。
母子家庭特有の家庭環境から考えられるリスクと対応策を考えていきましょう。
3-1.母子家庭の落とし穴、「働く時間>子どもとの時間」の法則
シングルマザーは、自分が身を切って働かなければ子どもとの生活を支えていけません。
お金を稼ぐために時間を惜しんで働きます。
ですがここでシングルマザーが見落としがちになることがあります。
生活費を追うばかりで、知らない間に時間の優先順位が
「働く時間>子どもとの時間」になっていることです。
子どもと過ごす大切な時間より、
お金を稼ぐ時間を優先してしまいがちになるのです。
20年で巣立ってしまう子どもと過ごす時間とはかけがえなく、
また母と子どもが過ごす時間は、
子どもにとって心の成長を促すものでもあります。
母子家庭の子どもにとって母親の存在はさらに大きいため、
家庭に母親の存在がない時間が長いというのは、
非常に心理的影響を及ぼすものと考えます。
でも生活費(お金)ももちろん大切。
子どもとの時間を作るためには、工夫が必要です。
働く時間を増やして生活費を稼ぐより、
働く時間単価を高くして、
働く時間を短くする工夫が必要になります。
子どもを抱えるシングルマザーが、
1時間800円しかもらえない仕事で10時間働いて8000円/日なら、
1時間1600円で5時間働いて8000円/日のほうがいいのは、
一目瞭然ですよね。
子育てにおいて、節約とはとても大切なことですが、
本当に必要なものは削ってはいけません。
子どもとの時間は、育児にとても必要なものですよね。
働くという時間を節約する工夫が重要なのです。
以下はシングルマザーが収入をあげるために有益な情報を
記事にまとめていますので、興味があれば参考にしてください。
シングルマザーでも稼げる!おすすめ仕事ランキング10種
シングルマザーが選ぶ仕事には、子供と生活できる十分な給与・働く時間の制限・働ける曜日の制限・有給のとりやすさ等、いろいろクリアしなければならない条件があります。
見つ |
看護学校にいる費用と準備方法:シングルマザーが看護師を目指すなら
シングルマザーの収入の現状
2016年現在、シングルマザーの平均年収は223万円、月収は約18万円と言われています。
都市部では2DK~2LDKでも家賃は7万以上するでしょうし |
3-2.幼いこどもへのメディア被ばくという恐ろしさ
メディアとは、総称して映像等の情報を発信するツールのことをいい、
テレビやラジオ、映画・出版社、DVDなどのマスメディア、
インターネットを介するパソコン、スマートフォン、タブレットなどのネットワークメディア、
メールやLINE、Skypeなどの個人のやりとりを目的としたパーソナルメディアなどのカテゴライズがあります。
ここではこれらを総称してメディアに統一して述べます。
インターネットの普及・映像技術の向上等から、
2000年を過ぎたあたりから、著しくメディアの魅力は高くなりました。
迫力のある映画やゲーム、いつでもいろんな動画を見れるインターネット、スマートフォン・・
90年代にはなかった情報を発信するスマホやパソコンなどのメディアは、
現代社会になくてはならないものとなりました。
すぐに得られる情報や映像は、わたしたちの生活をより豊かに、利便性の高いものにしました。
ですが「便利」の裏には「金儲け」が、
「金儲け」の裏には「悪意」が表裏一体と化しているものです。
利便性高くなるゆえ、メディアを使った犯罪は年々増加をたどる一方です。
その被害者が子どもに至ることもしばしばあります。
母子家庭でメディアに対して注意してほしいことがあります。
母親が働きにでたり、大人が少ない家庭であるからこそ、
子どもの発達に悪影響を及ぼすメディア被ばくをしても、
なかなか気づけないことです。
3-2-1.どもは五感から得たもので人格を形成していく
子どもは、幼いときから自分で見るもの、聞くもの、触れるもの等
五感で得た情報から感動や感情、思考を得てさまざまなことを学んでいます。
親とのふれあいだけではなく、普段目でみるテレビやインターネット、
動画などからも大きな刺激を受けています。
価値観やアイデンティティの形成とは、
心が成長していく中で、自分が得た情報から作られていくものです。
インターネットや映画、ドラマ等、
わたしたちの日常に溶け込んでいるメディアから
子どもは様々なものを習得しています。
3-2-2.メディアの利益(金儲け) と 刺激が強い映像の増加 は比例している
近年メディア業界では、より視聴率をあげ、より集客動員数をあげるため、
刺激の強い映画やドラマ、ゲームを配信するようになりました。
映画でいえば、進撃の巨人、暗殺教室や
ゲームであれば、バイオハザードやモータルコンバット、グランド・セフト・オートなど。
ゲームに関してはグロテスクなゲームでも人気youtuberが実況するなどして、
子どもたちの生活により浸透しやすい環境にあります。
テーマは殺人やリアルな戦闘シーン等、
日常生活ではありえない刺激あるものばかりです。
以下動画は日本でも人気を博した グランド・セフト・オート のシーンです。
映画はどれも人気作でわたしたちの私生活に溶け込んでいるものであり、
有名男優、女優を使った暴力的・残虐性のある刺激的な映画は、特に人気を博します。
刺激ある映像やゲームは、みんな興味を持ちますし話題になります。
ゲーム会社・映画関連会社は儲かります。
このからくりにひとつの落とし穴があります。
このように作り上げられていく刺激的で暴力的・残虐性のあるメディアは積み重なり、
純粋でまだ人格未形成の子どもたちに浸透していくのです。
そして子ども達とわたしたちの未来へさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
3-2-3.メディアを通して日常ではありえない残虐性・暴力性が子ども達へ浸透する
ニュースで残忍な事件を見るたび、インターネット上には加害者を批判するコメントや掲示板でにぎわいます。
同時になぜそんなことをするのかわからないと、加害者に理解ができない意見が多くみられます。
そこでどうか疑問に思ってほしいことがあります。
「純粋で素直な子どもだったはずの加害者が、残忍冷酷な事件を起こす悪魔になったのはなぜか?」
です。
刺激的映像が日常に溶け込むことが、子どもに悪影響を及ぼすことの根拠となる実例があります。
第二次世界大戦中のナチは、他国を支配するため残虐性がある兵士をたくさん育てる必要性がありました。
血も涙もない、暴力的で残虐性のある兵士を作るための教育を研究しました。
兵士になるのはもともとサラリーマン、自営業など、普通に勤めている民間男性です。
ですが精神状態が普通の民間人が、突然凶悪な殺人兵士にできるわけがありません。
ナチは頭を使いました。
人間には適応能力があります。
解剖を毎日勉強することで、人の死体を解剖・手術できるようになる医者や、
足がすくむような高い空でも、戦闘機を運転できるようになるパイロットのように、
人は毎日その環境に晒され訓練されることで、その環境・能力に適応するようになります。
ナチは兵士候補の一般民間人を残虐な兵士に育成するため、
まず毎日殺戮や暴力的なシーンを見せるようにしました。
そして次に小さな虫や動物を殺すよう指導しました。
最後に人を殺すことを指導しました。
始めに人を殺せと指導されてもほとんどの人がそれを実行できませんが、
まず映像から教育し、小さな命を殺めることから始めさせれば、
徐々に残虐性に対する抵抗性は薄れ、
それまで培った倫理やモラルをなかったことのようにできます。
残忍冷酷な兵士を育てることはステップをふめばカンタンなことでした。
短期間で数多くの民間男性が、100万人以上の大量虐殺(ホロコースト)を実践できる兵士に育ったのです。
この兵士教育は、近年の刺激的なメディアにさらされた、子どもたちと重なります。
人気女優・俳優が出演する映画やバイオレンスなゲーム、
簡単に世界中のあらゆる動画を見れるインターネット、
日常に溶け込んだ過激でときに残虐性のあるメディアは、
子どもたちの生活や脳裏に浸透しきっています。
海外でも日本でも、若年による残虐な犯罪の影に、
過激なメディアの影響があったことが多々認められています。
神戸連続児童殺傷事件の少年Aが、グロテスク・残虐性のある映画を嗜好してコレクションしていたのは有名な話ですし、
コロンバイン高校銃乱射事件の加害者少年は、バスケットダイアリーズという校内の銃乱射シーンをまねて事件を起こしています。
記憶にも新しい川崎市中1男子生徒殺害事件では、被害者少年の手を後方で縛り首を切るという、残忍な手口でまだ幼い少年が殺害されました。
これだけ残忍冷酷なことをした加害者ですが、加害者地震もまだ17歳という幼い少年でした。
事件当時、ISIL(イスラム国)による過激派組織の活動が活発になりはじめた時期で、
イスラム国で日本人二人が拘束され、首を切られた映像がニュースやインターネット上で出回っていた時期であり、
おそらくこの事件の一部を真似た行動であると考えられます。
適応能力が高い若年者へのメディアの影響力を物語っていますよね。
これらの刺激的なメディアが子どもの発達に悪影響を及ぼすことが事実であっても、
マスコミや政治、教育機関は積極的に留めることはしません。
マスコミもそのメディア会社がスポンサーですから、。
子どもがメディアから悪影響を受けるか否かは、親の管理能力にかかっているわけです。
少なからずこの著しいメディアの進歩が、
子どもに残虐性やバイオレンスな側面を植えつける元凶になっていることは間違いありません。
3-2-4.子どものメディア管理の必要性 ~プライバシーと保護の違い~
母子家庭だと、働き手になる母親が勤める間、家をあけることになります。
その分、子どもが悪影響のあるメディアにさらされる可能性は高くなります。
もちろんある程度幼い間は、使用しているパソコンやスマホを管理することができても、
そのうちできなくなるときがきます。
メディアにさらされることに危険性があったとしても、
メディアの進化が止まらない今、この先子どもに24時間張り付いて親が管理するのも非合理的です。
これからの情報化社会を適切に生き抜くには、
子どもが必要な情報、触れてはいけない情報を判断できる管理能力を教えることが大切です。
「こういう動画はみてはいけない」
「こういうゲームはしてはいけないし、楽しんですることじゃない」
みても良い情報と良くない情報を選択する知識と管理能力を教えることが重要です。
そういったメディアに関する倫理を教えることが、
子どもをメディア被ばくから守る一手になるのではないでしょうか。
3-3.非行は親の目を盗んで成長していく
3-3-1.親の目が行き届いていた非行は存在しない
近年少年犯罪は凶悪化しているようにも見えますが、
少年非行の前提として、親の目が行き届いていた非行はないはずです。
子どもが悪いと知りつつ、非行の道を歩んでいくとき、
親にその事実を隠そうとします。
子どもは天才ですから、まるで問題がない子どもを演じることができます。
その子どもの年齢、環境などに応じて、親が注意して見ておくべきところを見れていないとき、
非行行動というのは、成長していくんです。
わたし自身、非行に走り何度も警察に捕まった経験から、このことは自信を持って言えます。
3-4-2.母子家庭に非行が多くなる直接的原因とは
母子家庭に非行が多いことは、統計でも証明されています。
年齢別の犯罪少年総数に占める父子家庭,母子家庭の占有 % は父子家庭が各年齢で 5 ~ 7%,母子家庭が各年齢で 13 ~ 26% を占め,犯罪少年に占める割合は母子家庭の方が大きい
少年犯罪の統計より
文章中では、母子家庭の加害少年のうち、約20%の母親が放任(ほったらかし)であることも述べられています。
放任になってしまった理由は数あれど、母子家庭で要となる母親の5人に1人が子どもを放任しているのが現状です。
この数字だけ見ると、「これだから母子家庭の母親は・・」というありがちなバッシングが起こりそうですが、
問題は、母子家庭の5人に1人のシングルマザーが放任せざるおえない理由があったかもしれないことです。
めちゃくちゃセレブだとか、びっくりするくらい養育費があるとか、
生活保護世帯とかでもない限り、母子家庭で働いてないシングルマザーはそうそういません。
一般的には、子どもを養い生きていくため働いていますが、
やはり子持ちで、とくにこれといったキャリアなどがない女性の時間単価は非常に低いです。
安い時間単価で充分食べていこうと思えば働く時間を増やすしかありません。
そうなると子どもから目を離してしまいざるおえなくなるのです。
母子家庭だから、子どもが非行に走るわけではありません。
ただ、母子家庭が陥りやすい家庭環境が、子どもを非行に走りやすくさせているのは事実です。
いかに子育てにおいて時間が大切なものであるか
ご理解いただけると幸いです。
3-4-3.母子家庭の母親が、子どもが非行に走らないように守るべきこと
子どもが過度な非行に走ったり、犯罪に巻き込まれるのはいやですよね。
そうならないためにもシングルマザーの人に、意識してほしいことがあります。
「子どもとの時間>働く時間」
「今すぐできる仕事<より高い時間給の仕事」
です。
子どもを守るためにお金を稼ぐのであって、
お金のために働く意識を持たないようにしましょう。
とかいいながらマリアンナも必死で働いてるので、
なんともいえませんが・・汗|д゚)
でも、高い単価の仕事につけるよう、
いつも勉強をしてきたので、今のところびっくりするくらいジリ貧とかいうことにはなってません。
仕事をする上で優先順位が子どもであれば、おのずと高い単価の仕事につくにはどうしたらいいのか考えますし、
子どもを放任してまで、安い時間給で働き詰めになることはありません。
3-5.子どもが被害者となる犯罪が行われるとき、大人は不在である
子どもが犯罪に巻き込まれるとき、当たり前ですがその親が不在のときに巻き込まれます。
ですが見方を変えると、犯罪者は子供が一人になるときを虎視眈々と狙っているわけです。
以下はちょっと古いJCのCM動画です。
非常に子どもが被害者となる犯罪者の心理を抽象的に、視覚的に描いた内容です。
群れからはぐれた子どもシマウマを陰からひそめてみている犯罪者。
子どもを襲えるときを狙っているわけです。
3-5-1.大人不在と子どもの変化をキャッチするネットワークが必要
子どもが一人にならないようにするためには、母子家庭の母親だけではどうしてもカバーできないことがあります。
シングルマザーである以上、子どもを安全に育てるためには周りの理解とサポートは必須といえるでしょう。
些細な買い物をいっている間、どうしてもすぐ帰れないとき、病気のとき、、
近所に住んでいるひとの協力はとても助かります。
わたし自身、ご近所のひとにはいろいろ助けてもらっています。
特に子どもの成長とともに増えるママ友の存在は、
とても支えられます。
これは別に母子家庭だろうが普通の家庭であろうが、
お互いさまでなにかあったとき、子守を協力し合っています。
大人が常に子どもに付き添う環境なら、
犯罪者はなかなか近寄ることができないですからね。
子育てに近所のネットワークや人付き合いは、
必須ともいえるでしょう。
4.募る父親への思い、その後の心理状態へ影響
母子家庭になる理由は千差万別です。
離婚、未婚、死別、DV、浮気、借金など、
理由はひとつと言い切れません。
母子家庭の子供は母子家庭になった経緯や年齢にもよりますが、
相当ひどい仕打ちを受けたとか、存在の薄い父親じゃない限り、
父親の存在を意識しています。
父親の存在が、まったく気になっていない子のほうがすくないと思います。
父親を恋しがっていたり、父親がいる家庭にあこがれていたり、
父親を内心恨んでいたり・・
その父親への思いは千差万別です。
ですが例え父親を恋しがったり、ほしがったりしても
「再婚や母親の恋愛による子どもへの影響とは」でも述べた通り、
連れ子であることを理解してくれる男性でない限り、
父親の存在を埋めるためにむやみな再婚や恋愛はあまりおすすめできません。
たいせつなことは、こどもが健全に育つために必要となる
父親(男性)のイメージを、どのように他の存在でフォローしていくかです。
もちろん実の父親が、離婚・別居していても、
子育てに協力的で、なおかつ子どもの成長に悪影響のない父親なら、
実の父親に協力してもらうに越したことはないです。
実の父親が子育てに協力的ではないとき、
その子どもの父親に対する思いに合わせて、
必要なケアをしていってあげることが重要です。
内心父親を恋しいと思う気持ちを押し殺したまま、
大人に成長するのは良くありません。
仮にそう思っていても、
極力その思いが極端に強くなり、衝動的な行動にでることがないよう、
ケアしてあげることが必要なのです。
これは例ですが、
わたしの友人(女性)は、未婚の母の子として生まれ、父親を知らず育ちました。
母子家庭で貧しい生活で過ごす中、父親への憧れる思いは強くなる一方でしたが、
毎日まじめにはたらく母親に父親のことを問い詰めることができず、
その気持ちを押し殺して生きてきました。
思春期に入るころ、その子は父親の愛情を埋めるかのように、
男性と簡単に性行為をもつようになりました。
彼女いわく「寂しかったから」と。きっと存在しない父親の愛情を、
男性とのセックスに投影していたのかもしれません。
今は結婚し、幸せな主婦なので、めでたしめでたしなんですけどね。
子どもが父親を恋しがることは自然な感情です。
押し殺したり、叱ってはいけません。
父親の存在については
出来るだけのケアをしていくようにしましょう。
5.母と子だけの家庭、関係性構築の難しさ
母子家庭は基本、母と子という「育てる側」と「育てられる側」に分離します。
母子家庭では、家族人数が比較的少ないことが多く、
厳しすぎれば母親に絶対服従するような、完全な上下関係だったり、
甘すぎれば友達関係の延長のような、なぁなぁの関係になりやすいです。
厳しすぎると精神的に逃げ道がない家庭になり、
子どもが非行や問題行動を起こす原因にもなりますし、
甘すぎても、節度のない子どもになってしまいます。
大人が2人以上いれば、
「叱る役」と「フォローする役」にわかれることもできるし、
誰かが甘やかせば、誰かが厳しくすることもできます。
ほんっっっっとうに、
シングルマザーでの子育てって大変だと思います。
この「甘さ」と「厳しさ」のバランスもまた、
極力周りのフォローを得るようにしましょう。
わたしは両親に協力してもらっています。
わたしが叱り落ち込んでいるときは、
おばあちゃんやおじいちゃんにフォローしてもらうよう頼んでいます。
6.子どもの貧困が負のスパイラルを呼ぶ
貧困家庭の子どもはそうでない家庭に比べ、教育を受ける機会が少なく、学歴も乏しい。
就職後の収入も比較的低い傾向にあります。
日本の子どもにおける貧困率は、先進国でありながら世界で第4位。
いかに貧富の差が激しく、資本主義社会になっているかおわかりいただけたでしょう。
そして母子家庭における貧困率は50%を越えています。
ひとり親世帯のなかでも、母子世帯の貧困率は非常に高い。2008 年の OECD のデータによると、母子世帯の貧困率は 66%と突出して高くなっている。
日本では学費も高く、奨学金制度などもありますが、
学校によってとても高額な学費もあり、比較的富裕層が高学歴なのも納得ができます。
母子家庭では収入が低い家庭も多く、
勉強に対して意欲的になれない子どもが多いことも現状です。
収入が少なければ子どもに教養を受けさせる機会も減るし、
進学する学校の選択肢もせばめてしまうことになります。
子どもが小さい間は難しくても、
子どもが大きくなるにつれ、母親も収入をあげるため何かしらの技術を習得したり、
開業したりして収入を上げる努力は必ず必要です。
進路を選択しなければならない高校入学くらいまでには、
収入の基盤を整えるようにしましょう。
最後に
わたしが未婚の母となったとき、この子の人生に責任を持たないといけないと思いました。
責任と同時に親として必要な知識を学ぶ必要があると思いました。
教育学、犯罪心理学、発達心理学、社会的な統計等
子育てに関する様々な学問の本を読み漁り、
わたしが得たシングルマザーとして必要な知識や心構えを、記事にまとめてみました。
シングルマザーを取り巻く環境や現実を知るたび、
母子家庭での育児の大変さを思い知らされますが、
同時に母子家庭であっても、子育てに必要な要点をしっかり押さえれば、
母子家庭に多いといわれる子どもの学力低下や非行、問題行動などは避けられると思いました。
母子家庭でも子どもには健全に育成される権利があります。
シングルマザーは大変だけど、泣き言も言ってられないもの本音。
まず母子家庭に起こりうる影響を理解し、対策を計画していくことが大切です。
シングルマザーは大変だけど、大変な分やりがいもあります。
いつか子供は巣立っていきます。
大変だったことも、「あんなことあったね」と笑える日がきます。
シングルマザーのみなさんに必要なものがすべて与えられて、素敵な毎日を送ることができるように願っています。