PNS看護方式のメリットデメリット!PNSは今後普及されるのか



シンママナースの マリアンナ です。

新看護体制PNSとは?臨床看護師が実際に体験したPNSを元に、PNSのメリットとデメリット、PNSで働く看護師の本音を解説します。



看護体制PNSとは

新看護体制「PNS(パートナーシップナーシングシステム)」が実際に普及されるようになってきました。

PNSとは、2人の看護師がその日のパートナーとしてともに看護を提供する新しい看護体制。PNSはこれまで普及していたプライマリーナーシング、チームナーシングとは異なって、今までにない「2人ペア」という斬新なアイディアの看護方式です。わたしが働いている病院でも、PNSを本格的に導入するようになりました。この記事ではPNSの体験を踏まえて、PNSのメリットとデメリットについて解説しています。



看護体制PNSのメリット

PNSはメリットとデメリットがはっきりしています。まずはメリット。

いろんな視点の看護を学べる

PNSで特に感じる最大のメリットは、PNSで実際にラウンドするなかで、やはり一人で部屋持ちをするときでは体験できない、他の看護師の看護を近くで学べることです。これは実際にすごく勉強になりました。

自分にはなかった看護の方法や、観察視点、患者がさんとの関わり方、時間の使い方、、ささいな業務のコツみたいなものを、リアルに他の看護師から学べる。一人で行う看護業務の場合、なかなかこういった視点で看護を学ぶことはできませんでした。ペアナーシングならではのメリットだと思います。

看護って結構ケースバイケースな仕事で、教科書を読むだけじゃスキルは向上できないようなところがある。やはり症例ごと、部署ごとによって求められる看護って違ってきますから、自分の経験値を高めるのには、いろんなひとの視点や看護を見ることが一番です。だから看護を学ぶという点では、PNSはすごく勉強になっています。やはり他の看護師の看護を間近で見て、「こんなやり方があるんだなー」って感心することは多々あり。PNSはうまくいけば互い研磨しあえる良いメリットだと感じますね。

業務が重なったとき助け合える

看護師の仕事って結構、猫の手も借りたくなるようなときがよくあります。暴れる患者さんのサーフロ挿入やたん吸引、ストレッチャーでの検査出し、急変と入院がかさなったとき等・・。担当の部屋持ち看護師が一人の場合、こういった人手がいるときに誰かに協力を依頼しないといけない。そういったときに限って、みんながバタバタしたりしていて、なかなか協力を依頼できないときもあります。でも、PNSなら確実に「ペア」がいるから心置きなく協力を依頼できる。違いに確実な協力関係にある相手がいるのは結構心強いし、安心して看護業務に挑めるメリットがあります。

「このアセスメントって合ってる?」相談できる相手がいる

看護ってケースバイケースな仕事だから、「これ」っていう答えがない仕事です。症例や患者の状態によって、必要な看護を自分で展開していかないといけない。だからこそよく「これってこういう判断で合ってるのか?」って思わされる場面に遭遇します。

一人ではなかなか答えが出せないようなことでも、相談できる相手がそばにいることで、「これってこうじゃない?ああじゃない?」って話し合うことができます。自分で適切な判断を導き出せないとき、相談できる相手がいる。思い込みが防げるというか。近くに相談相手がいることで、以前よりひとりで悩む時間は減りました。そういった面では心理的なプレッシャーは軽減されています。



看護体制PNSのデメリット

信頼しあうペアだからこそ生まれる業務の「漏れ」

PNSが導入され多々おこるデメリット、ペアだからこそ起こる業務の「漏れ」。

相手を信頼するがゆえ、多忙になってくると「これはあの子がやっておいてくれるだろうな」とお互いが思い込んでしまい、結果としてどちらもその業務をやってもらず、業務漏れがでることです。どうしても多忙になると細かいことまで声をかけあうことができないのが現状。そうなってくると、違いに信頼関係があるからこそ、「これはあの子がやってくれてるはずだ」なんて思うようになったりします。結局その信頼が逆に業務漏れを生じさせるようになったりします。PNSだからこそおこるデメリットです。

忙しくなるとペアナーシングが機能しない「機能不全」

急変や入院、手術、検査などが重なり、人手がいるようになると、いくらペアといえどずっといっしょにくっついて仕事はできません。ひとりがどこかに手をとられると、もう一人の看護師がひとりで部屋を担当することになります。そうなると結局はひとりで部屋持ちをしているのと同じことになります。かつペアナーシングになると、二人で部屋を受け持つから、ひとりで受け持ちするよりも患者数は多く割り当てらることが多い。多忙になってペアナーシングが機能せず、ひとりで部屋持ちをすることになった場合、結局は部屋持ちナースの負担が増えていることになります。

その日の忙しさによって担当する患者数は増えてるのに、看護師はひとり。みたいなことがよく起こるんです。正直この状態になったときは、ほんとPNSやめてくれって本気で思います。PNSの典型的なデメリットだなーって思います、

相性が悪い相手とペアだと全てがうまくいかない

これは同僚の相性の問題ですが、やはり人間ですから合う合わないの問題があるものです。

どんな病棟でも、ウマの合わない相手がいたり、意地悪な看護師さんはいるもの。そんな相手とペアナースになった日には、どんな簡単な業務でもうまくいきません。神経が緊張するからか、普段しないようなミスが増えます。わたしはときに意地悪な先輩とあたったときは、緊張してるからか逆にあれこれと業務に漏れを起こしてしまいますね。やはり「一緒に働く」っていう気持ちより「怒られたくない」っていうほうが先にたつので、その怖い先輩看護師中心の動きになってしまうからでしょう。看護師の数が少ない病棟だと、看護師のペアパターンも限られてくるので、どれだけ考慮してもらっても、こういった「合わないペア」ができてしまうこともあるんです。

経験値の差による違いの負担

新人看護師や経験の浅い看護師とペアの場合、指導兼ペア、みたいな立場になるので、結局経験値が多い看護師の負担は大きくなります。また、ベテランとペアになる経験の浅い看護師も、相手の性格によっては、精神的なプレッシャーが生じることがあります。

互いに研磨しあえるはずのペアナーシングですが、極端に経験値が違う相手だと、業務負担増しや、精神的な負担が大きくなることも。人間関係によってはPNSの「良い機能」が機能しなくなってしまうんですよね。



PNSメリットデメリットのまとめ

わたしが臨床で実際にPNSを体験してみて思ったのは、決して悪いところばかりではないと思う反面、やはりデメリットも大きい。まだまだ発展途上な看護方式なのかもしれません。

PNSのメリットをひとことでいうなら、

助け合いと研磨しあえる看護方式であること。

PNSのデメリットをひとことでいうなら、

人手が足りず、人間関係がいびつな部署では逆効果

ってところですかね。

 

ペアになることで、最大の効果が発揮できるのはやはり人手が足りている状態、また相性が合う相手であるときだけです。時間と業務にゆとりがあって、違いに教えあえるような関係だからこそ、違いに相談しあい、看護の質を高めたり、違いの学びになったりすることもできます。

忙しい病棟だとそもそも相談しあえる暇もないのが現状。そうなると仲が良かろうが、相性がよかろうがペアナースとしての機能はしなくなってしまうんです。そもそも時間がないっていう。多忙で人手が足りないところを無理やりペアで組ませても、ひずみが出るだけ。逆効果になってしまう。

どちらかっていうと、やはり病院って人手が足りていない所の方が多いので、デメリットのほうがおおきいんじゃないのか、と思います。看護師や看護助手の人数が多い病院では、有効な看護方式かもしれませんが、人手不足な二次救急ではまだまだ課題も多く、本格的な導入には時間が必要だと感じます。正直二次救急レベルの病院で働く看護師が本音ではっきりいうと、人手不足の病院は手を出さないほうが良いのでは?っていうのが本音ですかね。

臨床の看護師がPNSの限界を感じる部分もあるので、今後根強く普及することはそうそうないんじゃないか(っていうか無理じゃないのか)っていのがわたしの推測です。新しい看護方式として導入しようとする病院がたくさん出ていますが、課題もたくさんあるので、スムーズにはいかないんじゃないかと。

上層部の上司は、PNS看護方式を積極的に取り入れようとしますが、現場では細やかな問題があるし、その事実を上層部が理解する必要があると思います。完璧な看護方式なんてないですから。PNSが良いものとなるか、悪いものとなるかは、現場を監督する師長や主任クラスが、どれだけ上層部に現場の声を訴えられるか、にかかっているんじゃないでしょうか。

PNS看護のメリットデメリットについては以上です。

 

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