シンママナースの マリアンナ です。
近年増加する幼児虐待事件。
残念ながら、シングルマザーに関連した事件が多いのは、否定できません。
シングルマザーの交際相手、もしくは再婚相手から虐待を受ける事件が多くなってきました。
なぜシングルマザーに関連した虐待事件は、増加の一方をたどるのでしょうか?交際相手となる男性の心理や、連れ子で交際するシングルマザーの心理状態はどのようになっているのでしょうか?
今回はシングルマザーと虐待に関する記事を紹介したいと思います。
1. 児童虐待件数の統計、虐待増加と背景
シングルマザーで交際相手がいる方は、連れ子となるわが子が男性とうまく親子関係が築けるのか気がかりではないでしょうか?
また、子供が原因で交際相手の男性との仲が壊れてしまう心配や、家庭を支える収入源を失う心配などで、男性に意見を合わせがちになってしまってはいないでしょうか?
交際相手や配偶者によって母親が弱い立場にさらされれば子供はどうなるでしょうか?
実際に男性パートナーからの身体的暴力を受けた女性が母親となった場合、
身体的なケガや精神的に健康を害した母親から子供は育児放棄、
または身体的な虐待を受けていたケースが報告されています。
児童虐待が社会問題として認識され関心が高まったのは1990年代以降とされています。
それまでは、折檻(せっかん)、子殺し、体罰、遺棄(いき)、育児放棄という用語で、
むしろ対象となる児童まやは幼児にそういった扱いを受ける理由が何かが問題視されていた傾向があったといいます。
児童相談所に虐待相談と対応件数は統計を取り始めた1990年には約1,000件から、
20年ほど経過した2009年には40倍に激増したという結果報告があるそうです。
これは、マスコミによる児童虐待が社会の問題であるという視点を報道によって拡散された結果、
一般に認知度が高まった結果と言えます。
現在、虐待が原因で子が死亡したケースは年間で50件を超え、ニュース報道で月に1度は耳にすることもあります。
子供がいうことを聞かなかった、泣き止まないなどでしつけとして行った結果、
死亡に至る内容であったり、また生まれて間もない赤ちゃんへの育児放棄により餓死や病院に行かなかったことによる病死も存在しています。
社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会第8次報告の例を見ると、
実際に加害者となるのは実の両親であり、0歳児が一番死亡件数が高い報告がされています。
その中に、実母と継父による虐待、継父単独、母親の交際相手による加害件数も含まれています。
特にしつけという意識下で養父としての責任意識から死亡に至らしめてしまったことが報告されています。
では、赤ちゃんや子供が亡くなるケースにおいて親になった人物像を調査した結果を見ると、
0歳児が亡くなる場合の母親の年齢が若年層であるが目立ちます。
特に19歳未満で望まない出産をしていることが理由にあげられます。
また、年齢に関わらず、死亡に至った児童虐待の過程には貧困などにより親自身が社会的虐待を受けている事実も多く存在しています。
児童虐待が社会問題として関心を集める理由がここにもあると思います。
2. シングルマザーの連れ子に対する男性心理
シングルマザーと付き合う男性のすべてが暴力的であるわけでも支配的であるわけでもありません。
仲良く幸せな暮らしを送っている家族もいらっしゃいますが、継父や母親の交際相手に虐待を受ける、または死亡する子供がいる事も事実です。
死別や未婚、または離婚など、一人で子育てをしている女性には様々な理由があって今の現状があると思います。
よくサクセスストーリーとして、ハリー・ポッターの作者J・K・ローリングさんや元カリスマモデルの益若つばささんが起業しお金持ちになって一人で子育てしている姿は情報番組などで見かけます。
ハリポッター作者:J・K・ローリングさん。
シングルマザーでありながら、ハリポッターを執筆。当初無名であるも、ハリポッターシリーズは大人気シリーズとなり、シングルマザーの有名な成功者となる。photo
元カリスマモデルでシングルマザーの益若つばささん。ファッション業界に絶大な影響力を持つ一人であり、別名「100億円ギャル」とも呼ばれる。photo
結婚せずとも自分の経済力で子供を育てる力のある女性の多くは社会の中で地位や立場があるからこそ男性の経済力に頼らずにいられる背景があります。
では、若年層で出産した社会経験が無いなまま母親となった女性が、社会に居場所を持ち生計を立て子供も育てる事は簡単なことでしょうか?
多くの場合、思うような仕事につけず、貧困と育児疲れ、望まなかった現実に精神的にまいってしまうこともあると思います。
そんな時に、経済的に支援してくれて、女性としても扱ってくれる男性がいたら頼らずにはいられないでしょう。
その時、母親として子供にとって最適な人間性を男性に見出す事ができますか?
女性が家族内に他者となる交際相手の男性と関係をもつことにより、母親と女性の役割が変わり家族の位置づけに変化が起こり、子供への虐待が起こることから子供は男性に対し母親を奪われた感情を抱きます。
また、男性の中には自らも幼児期に虐待の経験をもっていらっしゃる場合もあり、積極的にシングルマザーと関わりたいと思う心理の中に、自分の子供の頃の経験から助けてあげたい、自分とは違う環境を与えたいという気持ちがある事もあります。
しかし、子供の頃に受けた虐待のトラウマの克服ができず、社会的に孤立していたり、自信がないため人間関係がうまく構築できていない人であれば、男性も貧困層で生計を立てている場合もあります。
また、育児に対して無知であるため、女性の連れ子である子供が男性に対抗意識を抱くと、継父となった男性は威厳を示そうと力で従わせようとします。養父としてしつけをする義務感から体罰を良識としてとらえた考え方があり、良い父親で有ろうとすればするほど過度なしつけが虐待となっていることが児童相談所の記録から現実に起きていることとして認識しなければなりません。
3. 虐待を受けた子供が将来抱える発達のリスク
生まれたての赤ちゃんの頭の骨は4枚に分かれており、成長と共につながって一枚の頭蓋骨になっていきます。
子供の成長の中でこの頭蓋骨が出来る頃には言語能力が発達し、簡単な意思を伝える事が出来、善悪や好き嫌いなど感情についての思考を言葉で表現することもできるようになってきています。
柔らかな頭蓋骨を大人の力で思い切り殴りつけると脳挫傷を起こし、一部脳細胞が死滅し、身体にマヒや言語や記憶に関する能力に障害を持つこともあります。
この他、火傷や骨折、栄養失調による度重なる体への負担は発達段階の子供の身体的にも心理的にも将来に大きな影響を与えています。
子供への言葉の暴力、親が配偶者から受ける暴力などを目撃することで発達段階の子供の脳は見えないダメージをその脳内で受けています。
幼少期に強いストレスを受けた発達段階の脳は、好き嫌いを判断する偏桃体という部分が過剰に反応するようになり、成長をするために必要な脳内物質を軽減させ、脳そのものの成長を妨げます。
栄養不良の子供を含め、身体的にも心理的にも虐待にさらされた子供の脳の発達は遅く、前頭葉が委縮している傾向があります。
これにより感情のコントロールや抑制、深い考察をすることが難しくなるのです。
これによって感情のコントロールがきない、集中力が欠ける、暴力的な行動で物事を訴える状態を起こします。
成長期の脳は基本となる思考回路が形成される時期です。
この時期に虐待を受けたことで情緒が破壊された状態で成長していきます。
すると社会に適応するのが難しくなり、他人とうまく付き合えず仕事が得られない貧困から犯罪や事件を起こすようになります。
また、社会的な孤立から精神を病み生きることが難しい大人へなっていくでしょう。
多重人格障害を発症したビリー・ミリガン氏はわかっているだけで24人の人格を形成しました。
継父の体罰から逃れるために生み出され、彼自身が生きるために生み出した人格達です。
それらの人格は殺人や強盗も犯しました。
虐待による社会性発達障害からの精神疾患が起こした有名な事件です。
親の貧困や無知が子供の脳を壊し、将来を奪っている実例が存在しているのです。
お子様の将来に虐待が与える大きな障害を未然に防ぐためにお母さんの心の健康と社会の受け皿を探すことを諦めないでください。
一人で抱えず、同じ境遇の人と助け合って相談できる人を一人でも多く持ちましょう。
まとめ
虐待が子どもに対し取返しのつかない障害や心の傷を負わせることがお分かりいただけたと思います。
シングルマザーが男性と交際するときは、しっかり相手を見極めて、
子どもの存在を理解してくれるような男性と交際するようにしましょう。