「先輩によって言うことが違う」新人としてベストな3つの対処法



シンママナースの マリアンナ です。

新人看護師お悩みあるある「先輩によって言うことが違う」という悩み。A先輩の指導通りにすれば、B先輩に怒られ、B先輩の言う通りにすればC先輩に怒られます。どの病院の新人看護師にも共通する問題です。「先輩によって指導内容が違う」ときのベストであろう解決方法を3つにまとめて紹介します。



新人看護師の悩み:先輩によって言うことが違う

わたしが新人看護師時代、わたし含む新人看護師の同期がみんな悩んでいた共通の悩みごとが、「先輩によって言うことが違う」ことでした。

A先輩に教えてもらったことをしたら、B先輩に怒られ、B先輩のやり方でするとC先輩に怒られる。もう、1日3回くらいあったと思います。指導内容くらい統一してくれよ!って叫びたかった。今になってもその心の叫びは正論だと思います(笑)。ただ新人看護師っていう立場もあり、「これはA先輩に教えてもらったんですけど・・」って相談するのもトゲが出そうだし、先輩の言うことなので、モメたらいやだし・・と、いつまでも答えの出ない悩みを抱えていたのを覚えています。女社会だから悪口ばかり言う先輩や嫌味を言う先輩、愚痴ばかり言う先輩も多くいるので、目の仇になるようなことはしたくなかったんです。

新人看護師の悩みイメージ

自分がある程度の年数を重ねた看護師になってから、なぜ看護師は先輩によって指導内容が違うのか理解できてきました。これは新人看護師の悩みっていうか、看護業界特有の問題だなーとか思います。看護師といえど看護業界は技術内容も技術力も統一された業務内容じゃないのが大きな要因だと思います。その看護師の価値観や経験値、受けて生きた教育の違い等によって技術や判断力が違いますからね。

 

話がそれたので、戻します。

 

新人看護師が悩む「先輩によって言うことが違う」ことへの対処法をポイントにしてまとめました。

ぜひ日々の業務を楽にできるよう、役立ててください。

 

 



解決ポイント1:まずはその職場の人間関係に合わせる

先輩によって指導内容が違うとき、新人看護師としては何を優先していいのかわからなくなります。「いやA先輩にはこう教えてもらったんですけど」「本にはこうのってたので、こうしました」と言いたくなります。でも、ちょっと待って。新人看護師のあいだはこういうとき、まずその場の人間関係に合わせましょう。

郷に入っては郷に従え、出る杭は打たれるといいましょうか。その職場の新人看護師としてまず意識すべきことは、新人らしく振舞っておくことです。「いやだってあの先輩言ってること間違ってるじゃん!」っていいたくなることもあると思います。でもある意味で、新人の間は腑に落ちないことがあっても、先輩の前では新人らしく何もわからないふりをしておけば、先輩も「また教えてあげよう」っていう気になります。先輩も善意で教えてくれていることは確かですからね。たとえ腑に落ちないことが起きても、女社会ですからそれを態度に出して先輩看護師に目をつけられると、目の仇にされることもあります。ほんと、看護師の人間関係ってシビアで、ドロドロですから。新人のあいだはとくに目がつけられやすいです。

とりあえず、先輩によって言っていることが違うことに動揺しても、その場ではその指導を受容してください。そして、恐らくその職場で一番権力者であろうひとの指導を最優先に聞いておく、聞いているフリをしてください。看護師の世界って、病院によってはモロにカースト制度みたいにトップがいて、そのひとの癇に障るとえらいことになることがあります(風通しの悪い病院とかはよくあります)。先輩によって違う指導を受け戸惑っても、まずはその人間関係の中で目立たないように、傾聴する姿勢でいましょう。

 

 



解決ポイント2:先輩看護師によって違う指導内容の根拠をこっそり調べる

先輩看護師によって違う指導をされ混乱することがありますが、その場では指導を傾聴した態度をとっておいて、こっそり看護師先輩の指導内容の根拠を調べてください。これ、ほんっとーに大事です。先輩看護師に教えてもらったまま、はあとあとやばいことになるんです。絶対、先輩看護師が言っていたことが事実か、二人の先輩看護師の言っていたことが違う内容なら、どっちが本当でどっちが間違っているのか、必ずこっそり復習してください。

 

なぜそんな複数の先輩看護師から受けた指導をわざわざ「調べる」必要があるのか。

 

それは、絶対複数の指導を受けて、内容が違い混乱しているということは、どちらかの指導内容に間違いがある可能性があるからです。これ本当に怖いんですよ。先輩看護師に知識がなくて、後輩看護師にそのまま教える。そして、後輩看護師は何の疑いもなく、間違った技術や知識を持って成長していくんです。新人看護師といえど看護師です。先輩看護師に教えてもらったことをそのまま実行して医療事故でも起これば、その責任のほとんどは、先輩看護師ではなく新人看護師にあります。先輩看護師が間違った指導をしたとしても、裁判とか訴訟になるとそれを間違いと気づかなかった新人看護師が悪いんです。

 

先輩看護師といえど人間で、正直看護師としてそこまでキャリアのないひとや、スキルのないひともたくさんいます。間違っていることがあるんです。でもその指導を受けて間違いを犯したらその責任は新人看護師に発生します。だからその責任を負うことのないよう、しっかり先輩看護師の言ってたことが正しいかどうか、自分で調べるしかないんです。その積み重ねが、2年目、3年目に実となり、花になりますから。

新人看護師 新人看護師の悩み

これはわたしの例ですが、病棟で一番権力者であり、勤続年数が長いであろうA先輩に、腰椎圧迫骨折急性期の患者に対して、足浴を行うよう指導を受けました。A先輩は内科系知識にたけている人でしたが、外科・整形外科は苦手なひとでした。骨折急性期はまず安静と疼痛の軽減に努めるべきです。わたしはその指導に反抗できず、だめなんじゃないかと思いながら、その患者に指導通り足浴を施行しましたが、激痛で足浴どころじゃありませんでした。患者は動かしてほしくなかったと思います。患者にとっては安楽であるはずの足浴も苦痛でしかたなかったでしょう。

そのあとこっそり違う先輩看護師Bに「先輩に指導を受けたことをしないといけない気持ちはすごくわかる。新人看護師って立場があるから。でもその指導が本当に正しい内容かは、しっかり調べておくんだよ。」と指導を受けました。

わたしはB先輩の指導が心に残っています。

 

その場では職場の人間関係もあるので「なんか間違ってない?ほんとにこれあってる?」って思うようなその指導を受け入れざるおえない。でも自分でそれが本当に正しいか学びなおすことはできます。むしろ先輩の指導内容が違うことに混乱する新人看護師にとって、これが一番大切でしないといけない過程です。先輩看護師の言っていたことが正しいのかどうか、そう指導する根拠は何なのかしっかり調べてください。

 

どんな病院に努めようと、どんな業界に努めようと、最初の1年目は指導を受けますし、いろんなひとからいろんなことを言われます。ただそれを今後に生かすも殺すも自分次第です。いずれ自分が指導する立場になったときに、必ず意味をなすものになるよう、自分で知識をつけていくしかないんです。

 

先輩看護師の言っていることが違って振り回されているように感じる1年目。ストレスも多い時期ですが、ここはぐっとこらえて、2年目、3年目の先をみて、しっかり自分が行う看護と技術を向上させるようにしましょう。

 



解決ポイント3:当たり障りのない先輩に相談しておく

先輩看護師によって指導内容が違うとき、それも過剰になればすごくストレスですし、業務に支障をきたすこともあります。

A先輩看護師のいうことを聞いて、B先輩看護師に怒られ、そしたらC先輩に怒られ・・・もう精神が持たなるし、常に自分のしていることがあっているか確認が必要になって業務に支障すらきたすでしょう。

 

指導内容のバラバラ加減も「もう耐えられない」ってレベルまできたら、信頼できる先輩看護師にそっと相談してください。

ただし相談することで、正しい答えがかえってくる保障もないし、職場環境がかわるわけではありません。

先輩の相談する目的は、統一性のない指導で業務がなかなか覚えられず「あの新人覚えが悪い」なんて目の仇にされだした時、新人看護師である自分の身を守るための手段になるからです。自分が先輩看護師になっても毎年思いますが、新人看護師はいつも必死です。新しいことを覚えて、先輩にお膳たてして・・。それでも意地悪な先輩や気にきつい先輩は「なんであの新人看護師使えないの!?」と毎年怒っています。お前どんだけできるんだよ、とか内心思ってますけど←性悪(笑)

一生懸命覚えようとしているのに「あの新人看護師使えない」とレッテルを張られ、職場のみんなにそんな噂吹き込まれたら、聞くに聞けない、働きずらい職場環境になってしまいます。まだ誰かに教えてもらわないといけない新人の立場なのに、こうなると辛い。

だから信頼できる先輩看護師に複数人に相談しておくのです。このとき決して愚痴っぽく相談するのではなく、困っている風に相談してください。いざというときのための、味方をつくっておくんです。

そうしておいて、複数の先輩看護師に悩んでいることを伝えておけば、いざ「あの新人看護師使えない」と誰かが騒ぎだしても、そう言われるまでの過程を共感してくれる味方が数人いるので、そこまで新人いじめみたいなのも、過激にならず抑えられます。

 

決して自分の飲み込みが悪いから何回も人に聞いたりしているわけではない、もの覚えが悪いわけではないことを、嫌味のないようアピールして証明しておくのです。だから、決して愚痴や悪口をいうのではなく、あくまで「困っている風」で(ここ大事ですよ笑)、優しい先輩看護師を数人つかまえて、「こんなときどうしたらよいでしょうか?」ってな感じで、相談しておきましょう。

 

技術面でも、人間関係でも、自分の身は自分で守る。これは新人看護師にとって一番大切な心得です。



新人看護師の悩み:先輩によって言うことが違う解決方法まとめ

 

先輩によって言うことが違う解決方法をまとめます。

解決ポイント1:まずはその職場の人間関係に合わせる

いったんはその場の人間関係を保つため、指導内容を受容しましょう。どんな理由であれ指導を跳ね返すと、ときに先輩看護師のプライドを傷つけてしまい、いじめにあってしまう可能性があります。そもそも教えてくれているということ自体は、すごくありがたいことですからね。A先輩はこういってたのに、B先輩はこういってて、わけがわからん!ともどかしく腹が立っても、善意で教えてくれている先輩の顔を立て、まずは受容をすべきです。新人看護師として先輩の話を聞く態度はとても大切な姿勢です。

解決ポイント2:先輩看護師によって違う指導内容の根拠をこっそり調べる

先輩看護師といえど、どんなひとでも完璧はありません。本当に指導内容があっているかどうかは必ず自分で調べる癖をつけましょう。新人看護師といえど、自分が行った看護には法律上自分自身に責任があります。仮に指導内容が間違っていて医療事故を起こしても、その責任は免許を持っている新人看護師にあるのです。先輩は裏切っても、努力して得た知識は自分を裏切りません。新人看護師の一番の仕事は、学ぶことです。どれだけ怒られても、これだけはやめることのないようにしてください。

解決ポイント3:当たり障りのない先輩に相談しておく

先輩によって指導内容が違い混乱していることは、あまり過激であれば複数の信頼できる先輩看護師に相談しておいて、自分が目の仇にされないように先手で釘をうっておくのが良いです。新人看護師が指導内容に混乱していても、こちらからそれを発信しない限り、先輩の中では、「何かわからないけど、指導してるのに混乱してできない新人看護師」と見えるからです。なぜ自分が混乱しているのかを発信して味方を作っておくことで、あとあと誰かに目をつけられるようなことがあっても、自分の身を守ることが出来ます。

 

振り返ると、新人時代って懐かしいなぁ・・。大変だったけど。いまでは良い思い出です。でも、もっと勉強しておけばよかったとか思います。

勉強していないのにプリセプターするの、辛いです。