看護計画と看護問題の書き方~症例を使ったOP・TP・EPと書き方~



シンママナースの マリアンナ です。

看護実習の看護問題・看護計画立案って大変ですよね。それが必要なのはわかるけど、教員や指導者に何度も指摘され、参ってしまいます。

この記事では看護学生がスムーズに看護実習をクリアできることを目的に、看護問題と看護計画立案の基礎知識を紹介しています。また、理解しやすよう例を用いた看護問題と看護計画を説明します。

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筆者も実際に使っている看護計画やアセスメントに役立つテキストです。
  • スタンダートな看護計画はほとんどこれで網羅できる。
  • 患者によく起こる症状とその看護が根拠とともに書かれていて、わかりやすい。


看護計画立案の基礎知識

看護計画とは、患者の健康問題に対して、予防・症状軽減・問題の解決や健康の増進を目標にして、患者とともに行動するための行動計画を言います。患者をより良い状態に導くための具体的なプランですね。看護計画は、患者と家族がともに行えるものであり、看護師全員がその計画を見ることで、統一した看護を提供することができ、また継続的に行なえる必要があります。また看護師が行った行動の看護記録のガイドのような役割もあります。看護計画がしっかりできていないと、みんながバラバラの看護を提供して、バラバラの看護記録を書いてしまうことになりますからね。

看護計画を立案するときに重要なこと、まず以下の3つを抑える必要があります。

  • 看護診断の優先度
  • 看護計画を実施することで期待する結果=看護目標
  • 具体的援助の計画(OP・TP・EP)

看護診断の優先度

看護診断(看護問題)の優先度順に沿って、看護計画も優先順位をつけて立案します。看護問題の優先順位は患者各個人の状態によって変わりますが、基本的にマズローの段階に沿って優先順位を考えると、基本的な看護計画の優先順位がつけやすくなります。マズローの詳細についてはこちらを参照してください。

マズローって人間が満たされるべき基本的欲求から順に、

  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 社会的欲求
  4. 尊厳欲求
  5. 自己実現欲

が重要であると説いています。看護問題を立てる優先順位も、特別な問題がない限りはこのマズローの基本的欲求の順に沿って立案すると良いと思います。いわば生命の危機から優先的な問題として考えるイメージですね。ただし生理的欲求や安全欲求を脅かす看護問題があったとしても、家族や本人がそれに対してケアを望んでいないなら、基本的に家族と患者が望むケアを優先するのが大切です。また生命の危機に関する看護問題が最優先されるべきだとはいえ、ターミナル期など状況によっては、生命の危機よりも自己実現欲や尊厳欲求のほうが優先になることもあります。看護計画と看護診断の優先順位は基本的に生命の危機に関することから優先的にあげられていきますが、個別性によってその順位が変わることも念頭に置いておきましょう。

 

 

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看護計画を実施することで期待する結果=看護目標

看護計画を立てる時、その看護計画を実施することで、患者にどうなってほしいのか明確にしておく必要があります。看護目標、いわばゴールのようなものですね。どこがゴールなのかしっかり示しておかないと、結局評価が難しくなります。看護目標を立てるときは以下のようなポイントがあります。

看護目標の構成

  • 患者や家族の具体的な行動で表現する
  • 目標は複数ではなく、単一の目標にする
  • 誰でも評価できるように患者が目標に達成したと評価できる行動を明記しておく
  • 行動を測定できる基準(量や時間、距離、発言)などを設定する
  • 目標を達成できたと判断できる期を設定する

看護目標で設定する時間

看護目標の期間は大まかに短期目標と長期目標があります。

短期目標は、1週間くらいで達成できる看護目標で、長期目標は、3~4週間かけて達成できる看護目標です。

患者や患者の家族の動詞を用いる

具体的で誰でも実践できる看護目標を書くには、まず誰でも評価できる看護目標でなければならないですよね。

看護目標を評価する表現として、基本は患者や患者の家族を主語とした動詞を使って表現するようにしましょう。例えば「歩くことができる、飲むことができる、●●について説明することができる・・」など、誰が見ても評価できるような具体的な動詞で書くとよりわかりやすい看護目標になります。「ADLを改善する」など、抽象的な表現では看護師間でみんなが同じ評価をすることができません。

看護計画の必要性

看護計画のなかでも、何が一番優先度の高い看護問題なのか、また看護計画を実施することで患者にどうなってほしいのかがわかること、そして誰が見ても同じ看護が提供できる具体的な看護計画じゃないといけないってことなんです。

それが難しいんだよーー!ってなるんですけどね。

でも想像してみてください。どれだけ素晴らしい家電製品を買っても説明書が何を書いているかさっぱりわからなかったら、みんなが同じように使えない。どんな良い家電製品でも、みんなが同じように使用できなくないなら、家電製品の意味がなくなってしまいますね。

回復できる可能性がある患者さんだって、正しいアセスメントに基づいて看護者みんなが同じ認識をもって看護すれば回復します。でもそれにはみんなが読んでわかる指南書となる看護計画が必要ですね。「この患者さんにはこんな看護問題があって、こんな看護計画をするんだ」っていう、共通認識が必要なんです。みんながバラバラの認識でバラバラの看護をしていたら、治るものも治らないですから。そういったことにならいようにするための「看護問題」と「看護計画」なんです。だから誰が読んでもわかる看護問題と看護計画は、すっごく具体的な細かい内容になるんですよね。

看護計画の詳しい書き方については事項「看護計画の書き方」から紹介しているので、ぜひ読んでください。

 



看護問題の書き方~PES方式の活用~

看護計画の大元は、看護問題です。いわゆる看護診断ってやつですね。看護問題に対して看護計画を立案するので、どれだけ具体的で看護問題を立てられるかが、看護計画立案を楽にさせるか否かのポイントになるわけです。看護問題の書き方は問題と原因と症状と合わせたPES方式で書くとわかりやすく、また個別性を漏らすことのない看護問題が診断できます。

PES方式とは、

P:problem=問題

E:Etiology=原因

S:Signs and symptom=症状

の略で、問題と原因と症状にフォーカスした看護問題のあげ方のことです。以下にPES方式の症例看護問題があったので、参考にしてください。

 

PES方式

引用元:http://www.nissoken.com/book/1274/02.pdf

 

実際に実習でPES方式で看護問題を書くことがないにしても、PES方式のルール「問題と原因と症状」にフォーカスして、看護問題をあげれば、個別性を漏らすことなく、具体的な看護問題を立案することができます。上記のPES方式症例の看護問題を一文にして書きかえると、「胃切除後のため必要な1日の食事量を摂取できないことによる栄養摂取消費バランス異常」に書き換えれます。

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看護計画の書き方

看護診断ができたら、その看護問題にそった看護計画を立案します。看護計画は看護目標とその看護目標に対するOP(観察項目)、TP(ケア項目)、EP(教育)によって構成されます。看護目標とするOP(観察項目)・TP(ケア項目)・EP(教育)の書き方は以下の通りです。

看護目標の書き方

看護目標はよく5w1hで書くように指導されたりしますが、看護目標の基本的な書き方は

主語:誰が

動詞:何を、どんな行為を

状態:どんな状態で行うのか

尺度:いつまで、どの位、どこまで、どのような状態になれば良いのか

時間:いつ行うのか

をちゃんと書くことです。これらを網羅することでよく指導される「具体的な看護計画」に近づくことができます。

主語はたいてい患者しかいない場合、時間は具体的な援助計画に記されていたりする場合等、短縮できるときは主語や時間を割愛しても大丈夫です。

例をあげると、

主語:患者が

動詞:端座位をとることができる

状態:患側にクッションを入れた状態で

尺度:30分以上保つ

時間:食事時間

って感じの看護目標があげられます。

この例を文章にすると

患者主語患側にクッションをいれた状態状態食事時間時間30分以上尺度端座位を保つことができる動詞

「患者が健側にクッションをいれた状態で、食事時間に30分以上端座位を保つことができる。」

っていう感じの看護目標になります。

 

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看護目標の表現の書き方

看護目標の表現の書き方は、分類によって以下のように表現します。

動作に関する看護目標

「~実施することができる」「~できる」「~を操作できる」など

意思に関する看護目標

「~と述べることができる」「~話すことができる」など、意思を表現した事実を評価できる内容

知識に関する看護目標

「~について説明できる」「~について発言することができる」など

OP(観察項目)・TP(ケア項目)・EP(教育)の書き方

以下のような症例でOP(観察項目)・TP(ケア項目)・EP(教育)の書き方を説明していきます。

看護問題の例

#1:脳梗塞による左片麻痺に関連した身体可動性の障害

長期看護目標

健側の残存機能を強化し、車いすで日常生活ができるようになる

短期看護目標

  1. 12/1までに端座位のバランスを30分間保つことができる
  2. 患側の筋肉・関節の拘縮が出現しない

 

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OP(観察項目)の書き方

OPの書き方のポイントは、

どんな時に

何のために

何を観察するか

です。

 

OP(観察項目)の書き方 例

OP1:座位時の起立性低血圧の出現を早期発見するために、脈拍の緊張に注意する。または血圧測定を行う。

OP2:患側に拘縮が現れていないか観察する。

OP3:リハビリ中に偶発症をおこさないよう関節可動域をこえることがない様注意する。

OP4:偶発症を避けるための良肢位は保たれているか観察する。

OP5:リハビリ後、バイタルサインの測定と全身状態の観察を行い、患者の訴え等で低血糖症状や異常徴候の有無を観察する。

 

TP(ケア項目)の書き方

TPの書き方のポイントは、

どんな時に

何のために

何を行うか

です。

 

TP(ケア項目)の書き方 例

TP1:患側の拘縮・萎縮をきたさないように、患肢には他動的ROMを行い、健肢には自動的ROMを行う。(毎日14時ごろ20回ずつ)

TP2:端座位は1日1回14時30分から、20分間行う。

TP3:偶発症を避けるために、長時間の同一体位を避け、1時間おきに体位変換をする。

 

EP(教育)の書き方

EPの書き方のポイントは、

どんな時に

何のために

何を指導するか

です。

 

EP1:端座位のとき、麻痺側に倒れてしまうので、右側に体重がかかるように誘導し、バランスを保てるよう指導する。

EP2:患肢を外傷させないよう、健肢で支えながら移乗するように指導する。

 

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