【脱水の看護】~知っておきたい原因と観察項目~



シンママナースの マリアンナ です。

脱水とは

脱水とは、水分摂取量の低下、もしくは体液排出量の増加、あるいはその両方によるなんらかの原因で、体液量が減少している状態をいう。

 



脱水が起こる原因

脱水が起こる原因には、その原因により脱水が区別されています。

水欠乏性脱水

水分の摂取不足

水分が摂取できない、していない、もしくは口渇感の異常(脳疾患などの渇中枢障害によるもの)

水分の過剰喪失

真性尿崩症、腎性尿崩症、腎不全の利尿期、高血糖等による腎臓からの喪失。

もしくは発熱、発汗、熱射病、過呼吸等。

不適切な輸液管理

等張性脱水における等張液の補液、溶質過多の栄養法による利尿等。

 

Na欠乏性脱水

消化液からの大量喪失

多量の下痢やおう吐、消化液の大量吸引、消化管瘻からの排出等。

皮膚・粘膜からの喪失

多量の発汗、熱傷や創傷からの浸出液排泄。

Na喪失性の疾患

副腎皮質不全(アジソン病)

利尿剤 ・ 低塩食

Na排泄を促す利尿剤を服用しつつ、減塩食を摂取していると、体内の細胞外液中Naが低下し、細胞外液量の減少をきたす

 

Naの体内貯留

腸閉塞、超膜炎、

重度熱傷による浮腫や水泡形成等

 

Na輸液の不足

下痢やおう吐などから水とNaを喪失した状態で、水分のみ摂取した場合、Naが不足し、脱水状態に陥る。

 

混合性脱水

消化液の喪失、嘔吐、下痢、糖尿病、手術等

水分とNaが同時に失われる脱水。

 



脱水の血液データ

脱水で変化が現れる血液検査データの主な項目は以下の通りです。

赤血球・ヘモグロビン

血液が濃縮されるため高値になる。

 

尿素窒素(BUN)・クレアチニン

脱水が増悪して腎機能が低下すると上昇する。

 

ナトリウム(Na)・クロール(Cl、塩素)

水分の欠乏が電解質の欠乏より多いと、体液は高張性脱水になり、NaやClが残るため、高値となる。

混合性脱水時にNaを補給せず、水分のみを補給しているときなどは、NaやClが喪失されていくため、低値となる。

 

脱水の症状

脱水の症状は、脱水の種類によって異なります。

水欠乏性脱水

口渇、唾液・涙の減少、濃縮尿、発熱、幻覚

Na欠乏性脱水

頭痛、食欲不振、悪心・嘔吐・倦怠感・けいれん・立ちくらみ、血圧低下、頻尿、体温低下等

混合性脱水

口渇、全身倦怠感、脱力感、尿量減少

 



高齢者:脱水症状の特徴

  • 脱水の特徴的な症状が現れにくい
  • 口渇感など自覚症状に乏しい
  • 認知症や発語機能、聴力低下などから、症状があっても訴えない
  • ベースとなる体内の水分が少ないため、重症化しやすい


子ども:脱水症状の特徴

  • 症状がうまく表現できず、ぐずるようになる
  • 泣こうとするが、脱水状態にあることから涙の量が乏しい
  • 循環が悪いためいつもより手足が冷たい
  • 目がくぼんでいたり、頬がこけている。子どもが体内水分量が大人より多いことから、脱水の症状が見た目にでやすい。

 



脱水の危険な症状(二次的問題)

脱水が重症化した場合、以下のような二次的問題が起こりうる。

ADLの低下・ふらつきによる転倒・転落による損傷

脱水による体重減少、血圧低下、倦怠感やめまい症状に伴うもの

 呼吸器系・尿路系の感染リスク・褥瘡の発生・もしくは悪化

血液量低下により細胞が栄養・酸素不足になり、皮膚の弾力低下や乾燥等を起こすことで、褥瘡の発生や増悪が考えられる。

脱水により喀痰する力が低下したり、利尿作用の低下から、呼吸器系・尿路系の感染リスクが高くなる。

低Na性アシドーシス、高Cl性アシドーシス

低Na性アシドーシス:慢性腎不全に伴うNaの減少に関連したHCO3、Clの低下から起こる。

高Cl性アシドーシス:血漿NaとClの増加、HCO3の減少などによる。

ショック・腎不全

水分・電解質の喪失による多臓器障害によっておこる。

興奮や幻覚などの精神症状

細胞内脱水に伴い、精神障害が起こる。Na欠乏性脱水による痙攣や傾眠がみられる。

重症化による死亡

脱水の増悪により多臓器障害、こん睡などが起こると最悪死に至ることもある。

 



脱水の看護:観察項目

  • バイタルサイン
  • 体位変換に伴う血圧の変動(循環血液量が低下を評価する)
  • 体重変動
  • 尿量、飲水量、点滴量などの水分のIN/OUT
  • 精神症状はないか
  • 筋力低下、筋痙攣はないか
  • 皮膚の乾燥はないか
  • 皮膚の弾力性(ツルゴール)に異常はないか
  • 眼球陥没していないか
  • 口腔内の乾燥
  • 呼吸音に異常はないか
  • 腸蠕動音が低下していないか
  • 表在性静脈は虚脱していないか

 



脱水の看護:看護計画

OP

バイタルサイン、意識レベルの変化

口腔内の状態、口渇感、皮膚乾燥の程度、ツルゴールの変化

水分のIN/OUTバランス

脱水の随伴症状( 脱水の症状参照)

脱水の原因事項の増減

二次的問題の有無と程度

脱水に対する治療の効果

本人の主訴

 

TP

水分補給

Naの補給

輸液管理

水分・塩分喪失の防止

皮膚・粘膜の保護

褥瘡予防のケア(以下記事参照)

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精神面へのケア

転倒転落・事故に対する安全対策

日常生活動作の援護

 

EP

可能であればIN/OUTの記録を指導

随伴症状の有無と程度に対し報告するよう指導

水分摂取の必要性について説明

 



脱水患者における看護の留意点

点滴速度

脱水患者といえど急速な輸液は心臓や腎臓への負担が大きい。高齢者、衰弱している患者は輸液速度が速いと肺水腫や不整脈を起こすこともある。

OUT量を観察しながら輸液管理をする必要がある。

 

水中毒のリスク

Na欠乏性脱水の患者に水分摂取を促すと、血漿浸透圧が下がるため、水中毒を起こすことがある。検査データと照らし合わせて症状を観察していく必要がある。

 

脱水による急変症状

脱水でも増悪すれば意識レベルの低下、SPO2の低下、血圧の低下などからショック状態に陥ることがある。寝たきりの患者や小児などの場合、補液を行っていても点滴が漏れていたり、抜けていたりすると充分な水分量が確保できず、想定外の脱水性ショックを起こすことがあるので、脱水患者のIN/OUT管理はしっかり注意して観察したい。