シンママナースの マリアンナ です。
この記事では便秘の看護計画について紹介しています。
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筆者も実際に使っている看護計画やアセスメントに役立つテキストです。
- スタンダートな看護計画はほとんどこれで網羅できる。
- 患者によく起こる症状とその看護が根拠とともに書かれていて、わかりやすい。
便秘とは~便秘のアセスメント。何日でてなければ便秘と判断するのか~
便秘とは、便の通過が遅れて腸内に便が停滞し、排便に困難を伴うもの、また排便後すっきりせずに不快感を自覚する状態のことです。便秘の主な症状は、3~4日以上便がでない、便量の減少、硬く乾燥した便、排便時の強度な努責と苦痛、腹痛や腹部圧迫感、直腸充満感、残便感など様々です。
便秘の評価には、便秘の評価尺度である日本語版便秘評価尺度(CAS)というものがあり、以下のような基準で便秘をスケール評価することができます。
日本語版便秘評価尺度(CAS)
大いに問題ありが2点、やや問題ありが1点、問題なしが0点で以下の項目を加点し、5点以上で便秘傾向と診断されます。
- 腹部膨満感がある
- 排ガスが減少している
- 排便回数
- 直腸に内容が充満している感じ
- 排便時の肛門の痛み
- 便の量
- 便の排泄状態
- 下痢または水様便
便秘の原因
入院中の患者はしばしば便秘状態に陥ることがあります。その患者がうける治療や状態によってその原因は様々ですが、以下のような原因が考えられます。
- 偏った食事摂取、食事摂取量の減少、食物繊維や水分摂取の減少
- 疾患や治療に伴う腹圧の低下
- 入院環境による排泄の羞恥心・抵抗感
- 手術や安静による運動不足に伴う腸蠕動運動の低下
- 麻酔による腸蠕動運動の低下
- 水分制限、強制利尿などによる体液量の不足
- 排便時の疼痛や努責時の疼痛から排便を我慢すること
- ストーマ狭窄による排便困難
- 入院や疾患によるストレスに関連した腸蠕動運動の低下
- 薬の副作用による腸蠕動運動の低下
- 腫瘍増大、腹水貯留等による腸管圧迫や腸管癒着による腸内容物の停滞
- 術中の腸管操作や腸管の炎症による腸蠕動運動の低下
- 低酸素状態に関連した腸蠕動運動の低下
- 脊椎損傷による直腸障害
- 鬱状態や妄想、認知症に伴う便意認識の欠如
排便の変調・便秘:看護目標
- 腸蠕動運動を認め、排ガスがある。
- 規則正しく、困難なく排便を認める。
- その患者に適した定期的な排便を認める。
排便の変調・便秘:観察項目(O-P)
- 排便の状態(回数・量・性状・間隔・努責の有無・疼痛の有無・排ガスの有無・出血の有無等) ※便の性状はブリストルスケールで評価することが望ましい
- 食事の好き嫌い、食習慣、水分摂取の程度
- 腹部症状(腸蠕動音、腹部膨満感、悪心・嘔吐の有無)
- 精神状態(ストレスや妄想・うつ状態などの精神症状、認知症の程度)
- 検査データ(レントゲン、腹部CT、消化管内視鏡検査の結果)
- 運動量、活動性の低下の有無と程度
- ヘガール、指ブジー挿入時の状態(疼痛、出血、肛門括約筋の収縮状態)
- 痔の有無
- ストーマの状態
- 排泄環境の状態、排泄方法、排泄手段
- 麻薬などの使用薬剤の有無とその使用状況
排便の変調・便秘:ケア項目(T-P)
- 便秘の原因をアセスメントする。
- 起床時に冷水の摂取を促す。
- 患者に適した水分量/日の水分摂取を促す。
- (制限がなければ)食物繊維を積極的に摂取する。
- 腹部マッサージ、温罨法を施行する。
- 術後の場合、早期から体位変換と離床を行う。
- 医師指示による便秘薬の与薬、大腸刺激性座薬の使用、浣腸や摘便。
- 排泄しやすい環境整備。
- 腹圧や努責をかけやすい体位の援助と環境整備(本人に合うトイレの選択)。
- リラックスできるよう援助し、ストレスの軽減に努める。
- 排便時疼痛があれば、潤滑油を使用して疼痛緩和に努める。
排便の変調・便秘:教育項目(E-P)
- バランスのとれた食事、食物繊維を多くふくむ食べ物の摂取を指導する。
- 水分摂取の必要性を説明する。
- 定期的に排便を試み、排便を我慢しないよう説明する。
- 飲水や腹部マッサージ、温罨法で排便を促すように指導する。
- 緩下剤の正しい使用方法を指導する。
- 規則正しい生活の必要性を説明する。
- 適度な運動の必要性を指導する。
- 便の性状の説明と観察方法を指導する。
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