シンママナースの マリアンナ です。
バイタルサインとは直訳すると「生命の兆候」という意味になりますが、臨床では主に患者の状態を客観的に評価する数値として日常的に使用されています。バイタルサイン測定は看護の観察項目に欠かせない項目です。臨床で一般的に使うバイタルサインは意識・体温・脈拍・血圧・SPO2・呼吸数です。この記事では年代に応じたバイタルサインの正常値を紹介しています。
意識レベルの評価
意識レベルは患者を観察する際、スケールを用いて評価されます。臨床でよく使われてる意識レベルスケールは以下の2つです。
JCS(ジャパン・コーマ・スケール)
3-3-9度方式とも言います。状態に応じた当てはまる数字で評価します。
Ⅰ:覚醒している(1桁の点数で表現)
Ⅰ= 0:意識清明
Ⅰ= 1:見当識は保たれているが意識清明ではない
Ⅰ= 2:見当識障害がある
Ⅰ= 3:自分の名前・生年月日が言えない
Ⅱ:刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)
Ⅱ= 10:普通の呼びかけで開眼する
Ⅱ= 20:大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
Ⅱ= 30:痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
Ⅲ:刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)
Ⅲ= 100:痛みに対して払いのけるなどの動作をする
Ⅲ= 200:痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
Ⅲ= 300:痛み刺激に対し全く反応しない
GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)
スコアを合計得点で評価します。正常を15点満点とし、軽症 14~15点、中等症は9~13点 (13 を軽症とする分類もある)、重症の場合、3~8点など三段階に分類して評価するのが一般的です。
開眼(E)Eye Opening
4点:自発的に開眼する(spontaneous)
3点:呼びかけにより開眼(to speech)
2点:痛み刺激により開眼する(to pain)
1点:全く開眼しない(nil)
最良言語反応(V)Best Verbel Response
5点:見当識あり(orientated)
4点:混乱した会話(confused conversation)
3点:混乱した言葉(inappropriate words)
2点:理解不明の音声(incomprehensible sounds)
1点:全くなし(nil)
最良運動反応(M)Best Motor Respponse
6点:命令に従う(obeys)
5点:疼痛部へ(localises)
4点:逃避する(withdraws)
3点:異常屈曲(abnormal flexion)
2点:伸展する(extends)
1点:全くなし(nil)
体温の正常値
腋窩温:36.5~37.5℃
直腸温:腋窩温より0.5~1℃高い
口腔温:腋窩温より0.4~0.5℃高い
脈拍の正常値
新生児:120~140回/分
乳児:120~130回/分
幼児:100~110回/分
学童:80~90回/分
成人:70回/分
血圧の正常値
新生児:60~80/50mmHg
乳児:80~90/60mmHg
幼児:90~100/60~65mmHg
学童:100~120/60~70mmHg
成人:110~130/60~80mmHg
SPO2の正常値
どの年代でも以下の数字以上が正常値になります。
サーチレーション:95%以上
呼吸数の正常値
新生児:40~50回/分
乳児:30~40回/分
幼児:20~30回/分
学童:20回/分
成人:16回/分