与薬のルール「6つのR」ってなんだ?看護師なら知っておきたい与薬の看護



シンママナースの マリアンナ です。

 

 

どんな看護師でも起こす可能性がある「誤薬」。

日常的に行われる薬剤投与も、少し間違うだけでときに重大な医療事故にもつながる恐れがある、とても怖い業務のひとつです。

 

毎日行う投薬を、間違うことなく行うためにどうしたらいいのか。

看護のなかで誤薬予防のための6つのR、「6R」があります。

 

この記事では、その6Rについて解説しています。

 

 



6Rとは、投薬における6つの「right(正しい)」のこと

 

6Rとは、投薬時に確認すべき6つのまとめ。

看護師が患者に与薬するときに最低限確認すべき点が6点あるっていうことです。

 

ちゃんと合ってる?投薬で確認すべき6つの「R」

 

  • 正しい患者か?・・・Right patient

投薬のなかでも誤薬の原因になりやすいのが、「名前間違い」。

投薬する前に必ず名前が合っているかを確認します。

 

  • 正しいか?・・・Right drug

意外と似ている名前や形の薬って多いんです。

投薬するまえに必ず薬剤名が合っているかを確認します。

 

  • 正しい目的か?・・・Right purpose

Nsがなぜその薬が使われるのか理由を理解していない・量や薬が間違っていても気づけないと、誤薬を防止できません。もし治療に合わない薬が処方されたとしても、投薬前にNsが気づければ誤薬を予防できます。

 

医師の指示で出ている薬であっても、看護サイドで治療目的と薬の整合性を把握して、投薬する前に誤薬を予防すべきです。

そのため、看護師が薬と治療の内容をしっかり理解しておくことが大切です。

 

  • 正しいか?・・・Right dose

例え薬や名前が合っていたとしても、使用する薬の量が間違うと時に命取りになることも。

薬によってその量の表記方法は違います。1/2アンプルだったり、0.5mlだったり。

処方された薬剤の単位や表記まで確認し、医師指示で出された薬剤量と適切かをしっかり確認します。

 

  • 正しい投与方法か?・・・Right route

薬によって投与する方法は違います。

経口摂取か、皮下注射か、筋肉注射か、静脈注射か、ショットで注射するのか、メイン点滴に混注するのか・・。

カリウムをショットで注射して起こった死亡事故は有名な医療事故ですね。

見落としがちな「投与方法」もしっかり事前に確認する必要があります。

 

  • 正しい時間か? ・・・Right time

処方された点滴や薬の日付や時間、曜日に間違いはないかはもちろん、投薬における速度(滴下速度)、食前か、起床時か、など投薬するタイミングに間違いがないか確認します。

臨床では様々なタイミング・速度で薬が処方されます。

誤薬を予防するためには、患者名や薬、量だけでなく、投薬する「タイミング」や「速度」など、薬に関する時間にも配慮が必要です。

 

っていうことで、6Rのおさらい。

  • 正しい患者か?・・・Right patient
  • 正しいか?・・・Right drug
  • 正しい目的か?・・・Right purpose
  • 正しいか?・・・Right dose
  • 正しい投与方法か?・・・Right route
  • 正しい時間か? ・・・Right time

 



医師も薬剤師も間違えることがあるけど、最終的に最期に投薬した看護師の責任は重い

 

わたしが実際に臨床で働いて、肝に銘じている言葉があります。

それは、結局誤薬に関する医療ミスの最終的な責任は、看護師にあるということ。

 

いやそれって、看護師の責任おもすぎじゃね?医師や薬剤師が指示や量を間違うことだってあるのに。

って話なんですけど。

 

まぁ、そらもちろん、袋のなかに入っている錠剤のナンバーまで確認するのか、とか。

薬剤師が点滴内に混注ずみの薬をどうやって確認するんだ、とか、まぁ看護サイドで予防できる誤薬って確かに限界はあるっちゃあるんですけど、

 

一般的な内服や点滴、インスリンとかの誤薬って、主に日常的に投薬されるもので、多くは看護師が与薬するわけだから、やっぱり患者に投薬される直前の段階で誤薬のリスクに気づけるのは、看護師だけなんですよね。

 

そう考えると看護師の責任って本当に重い。

薬剤や治療とかに関する幅広い知識や判断力、コミュニケーション能力がいるんだよね。

 

そういった責任や負担があまりに大きすぎて、離職が進むんだろうなー、なんて思う今日この頃。

なんて話がそれたけど。

 

ということで、与薬における6つのRのお話は以上です。

人間だもの、ヒューマンエラーは誰にでも起こるもの。誤薬の事故はベテランも新人も関係なく、突然訪れます。

投薬、点滴前はしつこいくらい確認するクセをつけましょう。