【漫画】シングルマザーになってから一番辛かった日 ~忘れられない思い出~



シンママナースの マリアンナ です。

未婚のシングルマザーになってから起こった、今も忘れられない出来事があります。

仕事で怒られ、お金はないし、精神的にもだいぶ疲れていました。

シングルマザーとしても、社会人としても自信喪失したあの日、忘れられない出来事がありました。

あのときの思い出が、今もわたしを奮い立たせる原動力になっています。

 



シングルマザーになって追い込まれる日々

 

 

1なんでこんなこともできないんだよ!そもそもなんでみんな残業して仕事してんのに、お前いつも17時あがりなんだよ!どれだけ仕事が切羽詰まった状態がわかってんだろ!

 

 

2.「すいません・・。」

 

 

 

シングルマザーになって3年。

子どもがいるので17時までに終われる仕事という条件で雇われた正社員の仕事。

雇用後しばらくして世間は不景気になり会社の業績は下がる一方。人件費削減のため業務が忙しくなるばかり。

小さい子供がいるシングルマザーのわたしへの風当たりも強くなっていました。

 

 

 

「こどもがいるのわかるけど、人件費も削られてるんだし、少ない人数で仕事まわしてんだから、残ってでも仕事してもらわないと困るよ。お前だけだよ、17時に帰ってるやつなんて!今日は帰ってもいいけどさぁ~、あんまり残業できないようなら、今後の請負業務も考えないといけないから。」

 

 

 

こどもがいるからってそれだけが理由で自分だけ早く帰ります、みたいなの通用しない

職歴もない、学歴もないのに19歳で未婚の母になり、子どもを食べさせていくために必死で働きました。

 

 

 

「(帰りの電車)・・・。」

 

働いても、シングルマザーのわたしの収入はすずめの涙のようなもので。

「(それでさ~,こないだの合コンでさ~~)(え~信じられなーい)きゃいきゃい」

 

自分の娯楽はおろか、生活も十分にできるような状況じゃなかった。

それでも少しでもまだ3歳にならない息子・佐助と一緒にいてあげたくて、早く帰るようにしてました。

そのかわり、忙しい中早く帰るわたしは職場でかなり責められるようになっていました。

 

「いっそ泣きたいけど、電車のなかじゃ泣けないし。」

 

 

「きゃー、かっこいいー!」

その日の仕事帰りの電車の中、

同じ年代くらいの子たちの笑い声が辛かった。

 

「自転車にのるわたし」

 



精神的な限界

収入は大事だけど、さっちゃん(息子)との時間を大切にしたい。

でも、シングルマザーのわたしの収入じゃ、無理なのかな。

 

 

「自転車をこぎながら泣いてる」

 

シングルマザーのわたしには1人で泣いてる時間も場所もなかった。

もちろん車もないもんだから、泣きたいときは自転車で移動しながらこそこそ泣いてました。

 

「泣いてるシーン(さぞかし異様なひとに見えただろうな)」「ぶさいくな泣き顔

 

 

通りすがりのひとからしたら、さぞ怪しい人物だっただろうな。

 

 

「家に帰ったらさっちゃんがいるから、なきやまんと。」

 

 

養育費がもっとあればいいのに。

なんでわたしだけ、こんなに辛い思いしないといけないんだろう。

 

「ただいまー」

 

毎日仕事仕事、怒られてばっかりの日々。

子どもと遊んでやれる気力なんかなくなってた。

「まま!まま!」

 

容赦なく母親のわたしに飛びついてくる息子の佐助。

まだ話せるようになったばかりの3歳だった。

 

「まま!おちゃえり!(おかえり!) おかえりー(ばあちゃん)」

 

無邪気な笑顔。

帰ったら母親なんだから。

さっちゃん(佐助)の前で泣いちゃだめだ。

「・・・ただいま(にこ)」

 

うまく笑顔を作れなかった。

 

「まま?あそぼ!」「うん・・」

 

 

 

だめだ、泣いちゃいそうだ。

さっちゃんのまえでは良いお母さんでいないと。

 



耐えられなかった

 

「ぽと・・。」

19歳で未婚のまま産んだ佐助。自分の青春を犠牲にしてもいいから、この子を幸せにしたい一心だった。

でもどれだけ努力しても、時間とお金はいつまでたっても足らない。現実にぶつかった。

 

 

「まま・・?どうちたの?」

学歴も職歴も資格もないまだ22歳のわたしには、未婚の母になるなんて無理だったのかもしれない。

夫婦二人でも子育てって大変なのに、一人なんて無理だ。

 

 

「まま?どうちたの?」

不覚にも子どもの前で泣いてしまった。

きっとさっちゃんは動揺するんじゃないか。

泣いてばかりの遊んでくれない母親にがっかりするんじゃないか。

 

「まま?ないてるの?」

 

さっちゃんに泣いてるって気づかれてしまった。

泣き虫で暗い母親にはなりたくなかったのに。

 

 

「・・・。ぽとぽと」

わたしは母親失格だ。

この子に嫌われても仕方ないな。

ずっとわたしの帰りを待ってたのに、遊んでやることもできないなんて。

 

「まま、どうちてないてるの、ぽんぽんいたいの?」

 

「・・・。ぽとぽと」

もうだめだ~。わたし。

 

 

「さっちゃん、おくちゅり、のませてあげようか?」

 

 

え?・・・

 

「・・・。目がテン」

 

「ままのぽんぽんの、いちゃいの、いちゃいの、とんでけー」「ほらとんでいったでしょ」

 

 



まっすぐな思いやり

「・・・。」

 

わたしが泣いたら、

いやがると思ってたのに。

 

あれ?

 

 

「ままのぽんぽんの、いちゃいの、いちゃいの、とんでけー」「ほらとんでいったでしょ」

 

にかー

 

泣いてるひとを見たら、慰めてあげるなんてこと、どこで覚えたんだろう。

言葉も最近覚えたばっかりで、そんなこと教えたことないのに。

 

・・・・・。

 

あ・・。

 

 

「・・・。」

 

 

さっちゃんが2さいのとき。

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にへ

 

 

「・・・。」

 

 

 

あのとき。

わたしがしてきたことを、この子はしっかり覚えてるんだ。

 

おくちゅり

 

はいおくちゅり

 

 

してもらって嬉しかったことを、わたしにしようとしてるんだ。

 

 

わたしの背中をみて、この子は育っていくのか。

 

 

シングルマザーだから気がはって

1人で頑張っているような気でいたけど、

 

 

 

こんなに小さくて心強いバディがいるじゃないか。

 

 

にかー

 

 

さっちゃんに、幸せになってほしい。

生まれてきたことをよかったと思える人生を歩んでほしい。

 

 

 

女手一つの子育てなんて、楽な道じゃないことは承知の上だった。

苦労も2倍。でも子どもとの絆もその分2倍だ。

 

 

さっちゃん、ママさっちゃんのためにがんばるよ。

だから、さっちゃんも立派な男の子になるんだよ。

 

 

はいおくちゅり

 



子どもの一言に支えられたあの日

これはわたしの息子が3歳になってすぐ、実際にあった出来事です。

仕事に行き詰り、お金もなくて、時間もない。

22歳くらいだったわたしは精神的にも未熟、社会人としても未熟なときでした。

 

仕事ではこてんぱんに怒られて、すべてのことに対して自信をなくして、

強い母親にならなきゃ、って気持ちが張り詰めていた日々で、プツンと何かが切れて泣いてしまったんです。

はじめて子どもの前でわたしが涙を我慢できなかったとき、3歳なりたてのさっちゃんがとった行動。

思ってもなかった子どもの行動と、その純粋無垢なやさしさにこころを打たれたことを今でも鮮明に覚えています。

 

あの日のさっちゃんの一言、行動がわたしの心に火をつけました。

 

「ぽんぽんいちゃいの?おくちゅりのましてあげようか?」

 

覚えたての少ない言葉。小さいけど、まだこどもだけど、純粋にわたしを応援してくれるひとがいる。

1人なようで1人じゃなかった。

この子に恥じない母親になりたい。

 

絶対、立派な子に育ててやる!

シングルマザーだからって、絶対負けねーからなみてろやこるらぁ!って(笑)

火がついたんですよ、気が若いですね。(笑)

 

子どもって親の背中を本当にみてるんだと思います。

子どもって親にしてもらったことを、本当にするようになるんだなーって実感しました。

だから、なにがあってもめげたり、逃げたりしないでおこうって思いました。

わたしが前向きに生きるなら、さっちゃんも同じように前向きに生きるだろうから。

 

このワンシーンは、わたしにとって忘れられない思い出です。

 

 

「まま!おちゃえり!(おかえり!) おかえりー(ばあちゃん)」