TACEの看護、備忘録



シンママナースの マリアンナ です。

 

ときどきあるTACEの看護について備忘録。

 



肝動脈化学塞栓療法(TACE:transcatheter arterial chemoembolization)とは

 

冠動脈塞栓療法(TAE:transcatheter arterial embolization)とは、祖頸動脈からカテーテルを入れて、肝臓の動脈を意図的にゼラチン粒等で塞栓させて、その先にある肝臓がんを死滅させる治療法。

肝動脈化学塞栓療法(TACE:transcatheter arterial chemoembolization)とは、塞栓物質に抗がん剤を加えて、TAEを行う方法。

 

画像引用:バイエル薬品株式会社「肝臓がんについて」

 

 



肝臓がんとTACE

 

肝臓がんのTACE適応条件は以下の通り。

 

  • 腫瘍による門脈本幹の閉塞がない
  • 黄疸はT.Bilが最大53mg/dlまで。通常3mg/dlまでが望ましい
  • 腫瘍の大きさや数は問わない
  • 著明な腫瘍内シャントがみられない

 

参考

 



TACEの看護

 

TACE前の看護

  • TACE前には検査・診察に加え、検査説明を行う。
  • 禁忌事項の確認。
  • バイタルサインの確認、全身状態の観察。
  • 必要であれば鼠径部周囲を除毛。

 

TACE禁忌・注意点

  • 造影剤アレルギーの有無
  • 抗凝固薬の内服
  • 薬剤過敏・アレルギーの有無

は確認しておくこと。

 

TACE後の看護

TACE検査後の看護の焦点は以下の3つ。

  • 合併症、副作用の早期発見
  • 苦痛の緩和
  • 不安の軽減

 

観察項目は以下。

  • 塞栓後症候群(がんの死滅によって免疫反応から出る症状)・・・疺痛、嘔気、発熱etc

参考:がんプラス

  • 動脈穿刺による合併症・・・出血、血腫形成、動脈閉塞etc
  • 抗がん剤による副作用・・・腎障害、肝障害症状、ショック症状等
  • 肺梗塞予防・・・弾性ストッキングの着用、足関節の運動、水分摂取etc
  • 造影剤や薬剤による遅発性副作用・・・発赤、発疹 etc
  • 安静による苦痛・・・長時間同一姿勢による苦痛
  • 精神的苦痛や不安

 

参考:肝炎情報センター:肝癌の治療”TACEの実際と看護