認知症と思っていら肝性脳症だった。認知レベルの低下から考えられる疾患や原因って?



シンママナースの マリアンナ です。

 

急に患者が意思疎通図れなくなった。認知症かな?昨日までは普通に話せてたのに。直近の血液データは見ましたか?今まで認知力がしっかりしていた患者さんが、突然認知症のようなことを言い出したら、「肝性脳症」を起こしている可能性があります。認知症と肝性脳症のまとめです。

 

肝性脳症って何?

 

 

 



認知症の初期症状かと思っていたら肝性脳症だった

ある日しっかりしていた男性患者(60代)が、突然わけのわからないことを言い出しました。

うーん、まだちょっと早いけど、認知症状?なんて思ってたけど、あまりにも急な認知症状の進行に戸惑ってたんです、なんかあるな、と。

でも知識不足があだとなり、その原因は追究できず。

訪床したドクターに真顔で「肝性脳症ですね。」って言われたときの、自分の出来の悪さにうちひしがれたこと。

「認知症ですかね?」って聞いてしまったおたんこなーすっぷり@三十路。

あ、そうですよね。そんな早々に認知すすむことなんて、ないですものね。そういえば看護学校のときに肝性脳症がなんとかかんとかって勉強した記憶だけはあるな、肝心な内容は覚えてないけど。

ラウンド前に血液データの検査結果みてなかったわたしが悪いです。はい、すいません。

おたんこなーす、勉強がんばりたいと思います。

 

てなわけで、当記事では肝性脳症と認知症の違いや観察ポイントについて、まとめています。

 

 



認知レベルの低下を認めたら観察したいポイント

ひとくちに「認知レベルの低下」っていってもいろいろな背景が考えられます。

特に高齢者ってその原因が様々だったりします。

えらく認知レベル下がってるなーなんて思っていたら、精査しても何もなくて、結果「入院による環境の変化により認知レベルが低下した」ケースだったり、

今回わたしが恥をかいた「肝性脳症などの臓器疾患に関連するもの」だったり。

単刀直入に認知症状として現れる認知レベルの低下のケースもあります。

 

看護師として、患者の認知レベルに対して注意して介入したいのは、

その認知レベルの低下の原因として、考えられるのは何か、

また

認知レベルの低下に対してすべきことは何か

です。

認知症

 

 

 

今回のように「肝性脳症」が起因となる認知レベルの低下を認めたなら、低下している肝機能への治療アプローチが必要になってきます。

そしたらドクターへの報告とか、精査を仰いだりとか。看護師としてすることっていっぱいあります。

観察ポイントとしては、既往や感染症などから、肝機能が低下するようなものはないか等

認知力低下に合わせて患者自身の肝機能低下症状はないか見ていく必要がありますね。

 

単純に認知症による認知レベルの低下なら、

身体状況をいろいろ観察しても問題はなく精査も何もないことがほとんどです。

現状の認知レベルを維持するケアだったり、進行具合に合わせて退院後の生活の調整とか、危険行動はないか観察したり、残存機能維持へのアプローチとか。

とかいろいろ、看護師としてケア介入する内容も変わってきます。

 

環境の変化による一時的な認知レベルの低下なら、

精査に問題がなく、身体症状がないことがほとんど。

環境に対して不安や発言が多くなるイメージがあります。「ここどこ?」とか、「もう帰ります」とか。

混乱しないような環境づくりや、定期的なコミュニケーションを図るなど、特有のケアプランがあがってきますね。

 

 

わたしみたいに知識力が低いと(自爆)、

認知力低下=認知症

みたいに単純明快な関連図が仕上がってしまいますが、

 

認知力低下=認知症だけではないことをしっかり理解して観察しておかないといけません。(反省)

 

 



肝性脳症について

肝性脳症は、肝機能低下により毒物が血液中にうようよ残った状態のひとが起こす症状です。正常に代謝できませんからねー。結果としてその毒物が脳にまで回って、脳症を起こすことになります。

脳症発症初期頃は脳にダメージが起こっているので、考えることができなくなります。人格(喜怒哀楽が激しくなるとか)がかわってきたり、異常行動を起こすようになります。

進行していくと手をばたばたを羽ばたかせるような動きをする「羽ばたき振戦」たる動作をするらしいけど、まだわたしは見たいことないです。

羽ばたき振戦の実際の動画がありました。

思ってたより動作が小さいもんなんですね。イメージでは本当に飛びたちそうなくらい手を動かすのかと思ってた。

 

肝性脳症の要点として、メルクマニュアル医学百科さんが上手にまとめてくれていました。

 

    • 肝性脳症は、長期の肝障害がある患者で、過度のアルコール摂取、薬物、その他のストレスがきっかけとなり発症します。
    • 錯乱、見当識障害、眠気が起こるとともに、性格、行動、気分の変化がみられます。
    • 診察、脳波検査、血液検査の結果に基づいて診断します。
    • 症状の解消には、誘発因子の排除やタンパク質を控えた食事が有効です。

 

 

ってことで、

肝疾患 もしくは アル中 + わけのわからないことを言う = 肝性脳症かもしれない

っていう式ができあがりました。

 

バカのひとつ覚えとでも言いましょうか。

ひとつ勉強になりました。