シンママナースの マリアンナ です。
看護学生になるとよく「カンファレンス」っていう話し合いの場が持たれます。
看護学生になったころは、いきなりカンファレンスっていわれても、いきなり「カンファレンス」ってなに?ってなるひとも多いはず。
カンファレンス(conference)とは、直訳すると大規模な「会議・検討会」などの意味。「国際カンファレンス」「東京カンファレンス」等、実際には大規模なひとの集まりなどに使われる言葉です。
医療現場ではしばしば、小さな会議でもひとと集まって話すことを「カンファレンス」って言ってます。
では、実際に看護師・看護学生が行うカンファレンスって、どんなことが話し合われているのか?
をテーマにお話をしたいと思います。
看護学生から始まる「カンファレンス」。なにを、なんのために話すの?
看護学校に入学すると、学生同士で「カンファレンス」を行うことが多々ある。
授業の一環で、毎日の看護実習の終わりに、1クール実習が終わるときに、等。
このカンファレンスは、看護師になってからも続くわけで。
なぜこんなに看護学生・看護師にカンファレンスを求めるのか、看護学生時代はわたしもすごく疑問に思いました。
話し合わなくても、答えなんか出ているようなことも正直あるので。
だけど、看護師になってからはや数年。
患者のことをみんなで話し合うことの大切さ、みたいなのは感じるようになりました。
っていうのも、
自分が知っている患者の情報と、他のみんなが持っている患者の情報は違うかったり、
自分が患者Aさんを暴力的なひとだ、と短絡的に捉えていても、
他の看護師から見たら精神疾患を患うひとだから、精神科にコンサルタントが必要だ、と捉えていたり。
看護師って相手が患者っていう「人」だから、人によってとらえ方がみんな違うんですよ。
つまり、「この患者にはこんな看護が必要だ!」っていうアセスメントも微妙に違ったりするわけで。
おまけに患者一人でも、社会資源や家族構成、既往歴や病歴など、たくさんの情報を含めてアセスメントしていく必要があります。
患者の看護の方向性を、もし看護師一人で判断していたら。
看護の質にも偏りがでるし、多角的な看護ってなかなか難しいと思います。
わたしの見解も混じってますが、医療現場における「カンファレンス」とは、
ある意味で看護ケアのアイディアの出し合い。
患者にとってこれからどんな方向性で看護介入していくのがいいのか、みんなで話し合って決める場所なんです。
そして一番その患者の個別性にあった看護介入を決めていく。
これがカンファレンスの最終的な目的といってもいいんじゃないでしょうか。
患者って千差万別だから、どれが一番正しい、なんて結論はないんです。
患者の身体的状態も、心理的状態も日々変化していきます。その時その時必要なケアって変わっていくもんなんです。
だから、毎日、24時間交代で看護しているメンバーと話し合って、その患者の看護の方向性を考える。
これがすごく大事になってくるわけなんですね。
看護師と看護学生のカンファレンスの違い
てなわけで、看護にとって「カンファレンス」たるものが、すごく大切なことはわかりました。
だけど、看護学生と看護師のカンファレンスって、なにか違いってあるのか?
わたしが看護学生のとき、正直「なんでこんなことで話し合いなんかしないといけないんだろう」って思ったカンファレンスが多々ありました(先生すいません)。なにか物事を決めるとき、実習が終わるとき、とかなんかいつでもカンファレンスばっかりしていました。っていうかさせられてたといっても過言ではない。
正直、今思い返しても「そこ別にカンファレンスいらないんじゃないの」ってこともあるw
だけど、たぶん看護師になってから、いろんなひとの考えを互いに話し合うカンファレンスがすごく重要になってくるので、学生時代はその「練習」みたいなとこも兼ねてるんだと思います。
看護師は実際の臨床の患者の看護について、とか病棟の業務システムとかについて話し合うことが多い。
看護学生は主に自分たちの学びや学ぶ姿勢、反省点などについてカンファレンスすることが多いと思います。
主に患者に対して責任がある看護師と、学ぶことに対して責任がある看護学生では、同じカンファレンスでも、少しテーマがそれてくるんですね。
現役看護学生のカンファレンステーマ
じゃあ現役看護学生のカンファレンスのテーマって、実際にどんなことを話しているのって具体的なところの話。
看護学生のときのカンファレンスって種類があるんですよ。
授業の一環として行うカンファレンスと、実習などで臨床の患者さんに関するカンファレンス。
授業の一環として行うカンファレンスは、たいていの場合カンファレンスすべきテーマを、先生が課題として出してくれることが多いので、学生は先生から出された課題に応じて話し合いをしていく形になります。
実習などで臨床の患者さんに関するカンファレンス場合は、学校にもよりけりですが、
毎日の実習終わりまでに看護学生がカンファレンスのテーマを考えて、指導者や担当教員に伝えて、カンファレンスを行います。
実習中のカンファレンスっていえば、もっぱら実習の関連する内容です。
カンファレンスのテーマを例にあげると・・・
- 今日の振り返りと反省
- 今の看護計画の問題点
- アセスメントで悩んでいること
- 患者とのかかわり方について
- この実習で学んだこと
などなど。
その実習のメンバーや教員によって、また進み具合によってテーマは変わりますが、
だいたい同じようなテーマを繰り返しカンファしているような感じですね。
看護学生の実習カンファレンスのテーマ、主軸はやはり
患者の看護展開
じゃないでしょうか。
患者の関わり方からアセスメント、看護計画を立てて実践して評価するまで、
学生として悩んだことや学んだこと、一人で解決できないことをカンファレンステーマに出して話し合い、
看護の方向性をきめていくのが良いかと思います。
看護学生が「ここで悩んでるんだけど」みたいなことをカンファレンステーマで話すことで、
教員や指導者からちょっとしたヒントをもらえたりしますしね。
看護学生の間は「考えなさい」「自分でかんがえることが大事なのよ」みたいな風に、
なんだか教えてくれない感じが半端ないけど、
教員や指導者から、上手に看護のヒントをもらっていくことも、
看護学生の技術のひとつだったりします。
現役看護師のカンファレンステーマ
じゃあところかわって、
現役看護師は実際どんなことをカンファレンスで話し合っているのか。
現役看護師ともなると、話し合う内容は学びが中心ではなく、やはり臨床患者の看護が中心です。
入院中の日常生活の看護はもちろん、退院後の調整まで、患者中心のカンファレンスになります。
ときに、ケースワーカーや理学療法士、医師などが参画することもあります。
学びという自分が主体的な内容ではなく、
患者中心、しかもときに他職種が絡んで来たりすることもあるのが、看護学生と違うところですね。