心電図で見るAf波形ってなに?心房細動の話



シンママナースの マリアンナ です。

臨床現場ではよく「Af波形」という言葉を耳にします。

Af波形は心電図上の波形の一種です。

 

だけどAfは大文字で表現するひともいれば、小文字で表現するひともいたり、

心房細動と心房租動と混乱してしまうこともあって、ややこしい。

 

Af波形をしっかり理解するために、この記事では「Af波形」について解説しています。

 



心電図で見るAf波形ってなに?

 

Af波形とは「心房細動」のこと。

時々心房租動のことをAFということもありますが、大半は心房細動のことを言います。

 

昔は

  • Af=心房細動(atrial fibrillation)
  • AF=心房租動(atrial flutter)

と大文字小文字を使い分けて表記されていたようですが、

最近では

  • Af(AF/af)=心房細動
  • AFL=心房租動

と表記されるようになってきました。

なので、だいたいAFと言われたら心房細動を意味していると思っていいでしょう。

 

同じアルファベットを小文字や大文字で使い分けると、誤解を招きやすいですもんね。

 

AFは心房細動

AFLは心房租動

です。

 



心房細動(Af)の波形

心房細動(Af)の波形は、以下3つの条件で評価できます。

  1. P波がない
  2. f波がある(V1でよく見える)
  3. RR不規則

 

人により2のf波が確認できないことがあるが、

1.P波がない

3.RR不規則

がそろえば心房細動と判断できる。

 

 

心房細動は心房に多数の興奮がおこることで発生します。その振動の回数は350~700回/分と超高頻度。心房がバイブレーションみたいに震えている状態。

 

 

無秩序なこの心房の興奮は、心電図の波形上「f波」となり、V1ではっきり表示されます。

 

 

心房でたくさん興奮がでても、すべてが心室まで伝えられるわけではなく、房室結節で数回に1回の頻度で興奮が伝えられます。

f波を規則正しく拾って心室に伝えることが出来ないため、ここでRR不整が生じます。RR間隔が不規則なのは、心房細動の重要な特徴です。

 

心房細動の看護ってどんなの?

 

  • 脈リズムはどうか

・・・Afは脈がバラバラになる。心電図モニターをつけていなくても、脈リズム不整がある場合、心房細動が起きている可能性があります。

 

  • 頻脈の有無と程度

・・・房室結節の調節機能がうまく働かない場合、f波が心室に伝わりすぎて心室の動きが速くなり頻脈になる。1分間140回以上の頻脈が長く続くと、心室の働きが悪くなって心不全が起こる可能性がある。

 

  • 心房細動が起きている期間はどれくらいか

・・・心房細動が続くと血栓ができる可能性がある。血栓は発作性心房細動が48時間以上続くような場合、または持続性心房細動でできやすい。
心房細動を認める患者が、頻脈や心房細動を持続的に起こしている場合、不整脈や血栓予防の治療が必要になる場合があります。

  • 1分間140回以上の頻脈
  • 心房細動が48時間以上

続いている患者の場合、指示を仰ぐためにも医師に相談したほうが良いでしょう。

 

参考文献・url