シンママナースの マリアンナ です。
脳卒中系の疾患がベースにある患者にはいつも対光反射を確認してます。瞳孔に異常がないかってことで。脳神経に障害があると瞳孔に異常が生じる。もちろんそれくらいは把握しているから観察しているんですけど、じゃあ瞳孔不同があったとき、何が起こっているかをその症状から予測できるか?って聞かれたら正直できていない。
いや、学生のときはちゃんと勉強してたと思うんですよ(←言い訳)。でも看護師になってからはルーティン作業で、突っ込まれることもなくなってしまったので、調べることもなく、忘れてしまいました。ばかな看護師です。プリセプティとかもする立場になってるのに、やべぇ。
てなわけでこの記事では、看護師の忘備録として、対光反射と瞳孔の観察によるアセスメントについてまとめています。
●瞳孔ってなんで観察するの?
そもそも瞳孔を観察する原点。なぜ瞳孔を観察するのか。
それは、脳神経に障害をきたすと瞳孔に異常が生じるからです。もちろん神経障害以外にも考えられる原因はあります。瞳孔不同や縮瞳(ピンホール)、瞳孔散大など、なにかしら瞳孔に異常が生じているとき、それは患者に異常が生じているサイン。
瞳孔から状態をアセスメントするために、瞳孔の症状別にどんなことが考えられるのか、っていう理解が必要。その前に、基礎となる瞳孔を観察する際に必要度な対光反射のメカニズムについて理解しておきましょう。
瞳孔とは、目の中心にある黒い部分のこと。
明るさに応じて大きさを変え、目に入る光の量を調節する役割があります。交感神経優位の場合、瞳孔は大きくなります。
●しっておきたい「対光反射の原理」
瞳孔の観察で行う「対光反射」。瞳孔に光をあててその反応を観察します。
●対光反射の正常な反応
神経障害などの異常をきたしていない「正常な状態」での対光反射は、
迅速に1mm以上の縮瞳がみられる
ことです。
このとき、光を当てた目の反対側の目も縮瞳します。(右目に光をあてると、光を当てていない左目も縮瞳するってこと)この反応を間接対光反射といいます。
●対光反射で縮瞳する原理
瞳孔を支配している神経は、中脳からつながっている動眼神経です。動眼神経は左右の目に2本あります。瞳孔が縮んだり、開いたりする筋肉「瞳孔括約筋」を支配しています。
正常である場合、目に光をあてると瞳孔括約筋が収縮して瞳孔が縮みます。
脳梗塞や脳内出血、糖尿病による神経障害などが起因して動眼神経を圧迫すると、圧迫されている側の目に瞳孔不同やピンホールなどの異常反応が見られます。
●対光反射による瞳孔の観察、考えられる病気とアセスメント
瞳孔の観察から以下のような症状から予測される状態を解説していきます。
散瞳…両瞳孔が5mm以上に散大している
考えられる状態
心停止、低血糖状態、低酸素症、中脳障害、非代償期の脳ヘルニア、薬物中毒等
ピンホール…両瞳孔1mm以下
考えられる状態
橋出血、麻薬中毒
縮瞳…両瞳孔2mm以下
考えられる状態
脳ヘルニアの初期、有機リン中毒
瞳孔不同(アニソコリア)…両瞳孔に0.5mm以上の左右差を認める
考えられる状態
脳ヘルニア兆候
脳内出血、脳腫瘍、脳梗塞等に伴う脳浮腫を起こした場合、それらが原因となり、頭蓋内圧が亢進します。頭蓋骨の中の圧力が高くなりすぎると、頭蓋内にある脳が本来ある位置から押し出されてしまいます。これを脳ヘルニアといいます。
ヘルニアが起こる部位によって特異的症状は個々ありますが、ヘルニアによって中脳が圧迫されると動眼神経麻痺が起こり、アニソコリアが生じます。
瞳孔異常があっても、危篤な状態とは限らない?
アニソコリアや瞳孔散大などの症状を認めた場合、状態によっては必ずしも危篤な状態とは限りません。
- 眼疾患の既往があり手術等の治療歴がある場合
- 瞳孔に影響するような目薬や投薬治療中の場合
- 失明している場合
等の症例では、脳疾患や低血糖・低酸素等がなくても、アニソコリアや瞳孔散大などの症状を認めることがあります。また、瞳孔の大きさの異常の他にも、楕円形の瞳孔になったりすることもあります。
●瞳孔の見方
カーテン等が閉まっている自然な部屋の明るさ、もしくは照明が少ない環境で行います。
可能であれば両目が開いた状態で、外側から光をゆっくり当て瞳孔の変化を観察します。
このとき、光を当てている反対側の目の瞳孔の変化も観察するとよいでしょう。(間接対光反射の観察)
瞳孔観察手順の動画があったので、掲載しておきます。
脳神経疾患の症状についてもっと理解を深めたいなら
脳神経障害や脳血管疾患の症状理解は、近年看護師には必須。日本での死因第4位は、脳血管疾患ですから。どんな診療科であっても、脳機能における症状は知っておきたいところ。
もっと脳神経疾患ついて学びたい方に、読みやすく、口コミ高評価の書籍を3冊紹介します。持っておいて損のない本です。自分に合いそうな一冊を持っておくと急な対応にも困りません。
はじめての脳神経外科看護:カラービジュアルで見てわかる!
「はじめての脳神経外科看護」は、シリーズ化されている人気本。言葉だけではわかりにくい医療知識も、写真を多く取り入れ、臨床がイメージしやすい解説。読む時間が短くても、脳神経障害のケアがすぐ理解できるよう工夫されています。
「はじめての脳神経外科看護」amazonレビュー
★★★★★
新人にもわかる。
みやすくわかりやすい!
写真も多く理解しやすいです。
説明内容も理解しやすいです。
★★★★★
脳外科初心者も経験者も…
写真が多くて退屈しません。
自己の知識の確認と後輩指導に役立ちました。
エビデンスに基づく脳神経看護ケア関連図
「エビデンスに基づく脳神経看護ケア関連図」もシリーズ化された人気看護書籍です。なぜその症状が起こるのか、根拠からわかるので、疾患や症状の根拠からしっかり理解したいひとにおすすめの一冊。看護学生にはもちろん、プリセプティ、指導担当者などは知っておきたい知識がまとめられている。
「エビデンスに基づく脳神経看護ケア関連図」amazonレビュー
★★★★★
「エビデンスに基づく脳神経看護ケア関連図」
関連図は、この分野に絞った本は珍しく貴重ですが関連図よりも、解説文章が「エビデンスに基づく」というタイトル通り書かれています。
看護系の書籍は、経験だけで書かれていたり、孫引きが多かったり等ですが、この本は、きちんと原書に基づいて書かれています。
★★★★☆
エビデンスってなに?
Amazonで購入
ということで購入。看護計画立案に役に立ってます。復職したら色々変わって調べなければいけないことが多いです。
やさしくわかる脳神経外科
やさしくわかる脳神経外科amazonレビュー
★★★★★
久々に良い本ですね
脳神経の本ってなかなか面白い(わかりやすい)物が少なくて、苦手な人が多いと思います。
この本は「わかりやすさ」と「臨床で使える知識」がバッチリまとめてあります。
作成する方は本当に大変だったと思いますが、久々の「良書」ですね。
買って損はしません。
というか、この内容にこの値段は安すぎますね。
表紙が素人っぽいデザインですが、中身は良いですよ。
★★★★★
イラストが多く、分かりやすい^^
脳神経外科に異動になり、慌てて購入しました。
中は、イラストと分かりやすい図がたくさん載っていて、気楽に読めます。
今から脳外科を始める・・・という方にオススメだと思います。
★★★★☆
カラフルで読みやすい。解説も分かりやすいので苦手意識が少し和らぎます。持っててて良い一冊。
★★★★★
久々に良い本ですね
脳神経の本ってなかなか面白い(わかりやすい)物が少なくて、苦手な人が多いと思います。
この本は「わかりやすさ」と「臨床で使える知識」がバッチリまとめてあります。作成する方は本当に大変だったと思いますが、久々の「良書」ですね。
買って損はしません。
というか、この内容にこの値段は安すぎますね。表紙が素人っぽいデザインですが、中身は良いですよ。
★★★★★
イラストが多く、分かりやすい^^
脳神経外科に異動になり、慌てて購入しました。
中は、イラストと分かりやすい図がたくさん載っていて、気楽に読めます。
今から脳外科を始める・・・という方にオススメだと思います。★★★★☆
カラフルで読みやすい。解説も分かりやすいので苦手意識が少し和らぎます。持っててて良い一冊。