【看護必要度・疑義解釈】平成28年3月31日~9月15日発行の疑義解釈全文まとめ



シンママナースの マリアンナ です。

平成 28 年度(2016年)診療報酬改定にて「重症度、医療・看護必要度」が大きく変更されました。厚生労働省に集められた実際のQ&A(疑義解釈)について、平成28年3月31日発行の「その1」から、平成28年9月15日発行の「その7」までを項目別にまとめています。

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「重症度、医療・看護必要度」の疑義解釈って何?

診療報酬改定で大きな改変がされた「重症度、医療・看護必要度」ですが、この定義や管理は基本的に厚生労働省が行っています。変更がされるのはいいですが、やはり始まったばかりのときのルールとはあいまいなもの。様々な病院から厚生労働省に質疑応答が繰り返されているようです。

 

実際に厚生労働省にあったQ&Aまとめ資料をを「疑義解釈(診療報酬算定などについて医療機関等から受けた問い合わせを取りまとめた資料)」といいます。

この疑義解釈は必要に応じて厚生労働省から各期間に公表されるので、看護必要度についての疑義解釈などは、看護必要度を扱う看護師なら知っておく必要があります。

 

わたしも読んでみましたが、これがまた読みにくいのなんのって。点でバラバラにまとめられているわ、随時公表されるからわかりにくい。

 

なので、公表された「疑義解釈資料の送付について」について、

平成28年3月31日発行の「その1」から、平成28年9月15日発行の「その7」までを項目別にまとめました。

臨床で使う看護必要度の知識や、院内教育資料作りの基盤としてとしてお使いください。

 

 

看護必要度:A項目の疑義解釈



無菌治療室の治療について

無菌治療室の評価は「19時までの入室、5時以降の退室」が条件

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、新たに加わった「専門的な治療・処置」の「無菌治療室の治療」の定義に「無菌治療室で6時間以上行った場合に評価する」とあるが、

① 治療開始時刻は入室時刻としてよいか。

② 入室した時刻が19時の場合、評価の対象となるか。

③ 午前5時に無菌治療室を退室し多床室に移動した場合は対象となるか。

答え

① よい。

② 対象とならない。

③ 対象とならない。

 

補足

これは少し複雑だったので、以下の記事で詳細をまとめています。

【看護必要度】「無菌治療室での治療」の定義まとめ~疑義解釈の補足説明つき~ 2016年度、患者の状態を示す看護必要度A項目:専門的な治療・処置「無菌治療室での治療」の定義、あてはまる条件をかんたんにまとめています。厚生労働省から疑義解釈で追加補足された「多床室での無菌治療」、

 

上記の記事にも記載したのですが、要点は

入退室の時間だけでいうと

・その日のPM19:00までに無菌治療室に入室する

・その日のAM5:00以降に無菌治療室を退室する

ときだけ評価が「あり」になるってってことです。

 

 

無菌治療室として多床室も使える条件がある

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、「7 専門的な治療・処置」の「⑪ 無菌治療室での治療」の留意点に、個室であることが求められているが、個室ではないが多床室において、パーテ-ションなど個室に準ずる状態で、室内の空気清浄度等の基準を満たしていれば、当該項目に該当するとしてよいか。

答え

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価において、該当することとして差し支えない。

 

 



救急搬送後の入院について

救急搬送後の入院、予定入院の搬送は対象とならない

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、「Aモニタリング及び処置等」の「8 救急搬送後の入院」において、「救急搬送後の入院は、救急用の自動車(市町村又は都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車に限る)又は救急医療用ヘリコプターにより当該医療機関に搬送され」とあるが、転院搬送の場合も対象となるのか。

答え

緊急時の転院搬送のみ対象となり、予定された転院搬送については対象とならない。

 

 



看護必要度:B項目の疑義解釈



B項目

 

平成28年3月31日発行の「その1」から、平成28年9月15日発行の「その7」までに公表された「疑義解釈資料の送付について」について、

B項目に該当する質疑応答はなし。

 



看護必要度:C項目の疑義解釈

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C項目共通

手術当日として評価できるのは「手術が終了した日」

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、「C 手術等医学的状況」において、手術の開始時刻及び終了時刻が0時をまたぐ場合、日数はどのように数えるのか。

答え

手術が終了した日を手術当日として評価する。

 

二期的予定手術はひとつの手術として評価する、一疾患による一連の再治療は初回の治療のみ評価する

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目共通事項において、「同一疾患に起因した一連の再手術の場合は、初回の手術のみ評価の対象とすること。」とあるが、

予定手術として二期的に手術を行う場合も初回の手術のみが評価の対象となるのか。

救命等に係る内科的治療において、同一疾患に起因した一連の再治療の場合の取り扱いはどうなるのか
答え

予定手術として二期的に手術を行う場合は、それぞれの手術が評価の対象となる。

同一疾患に起因した一連の再治療が一回の入院中に行われる場合は、初回の治療のみ評価の対象となる。なお、予定していたものとして二期的に治療を行う場合は、それぞれの治療が評価の対象となる。

 

腹壁を切開しないで腹腔・骨盤腔又は後腹膜腔の臓器に達する手術は、「腹壁を切開し腹腔・骨盤腔内の臓器に達する方法により手術が行われた場合」に当てはまらない

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の開腹手術について、「腹壁を切開し腹腔・骨盤腔内の臓器に達する方法(腹膜を切開せず後腹膜腔の臓器に達する場合を含む)により手術が行われた場合に評価する」とあるが、腹壁を切開しない方法で腹腔・骨盤腔又は後腹膜腔の臓器に達する手術は、対象となるのか。
答え
対象とならない。

 

骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術には含まれない手術がある

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の骨の手術の「骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術(指(手、足)の手術は除く)」において、区分番号「K033」筋膜移植術、区分番号「K034」腱切離・切除術(関節鏡下によるものを含む。)、区分番号「K035」腱剥離術(関節鏡下によるものを含む。)、区分番号「K035-2」腱滑膜切除術、区分番号「K037」腱縫合術、区分番号「K037-2」アキレス腱断裂手術、区分 – 3 – 番号「K039」腱移植術(人工腱形成術を含む。)、区分番号「K040」腱移行術、区分番号「K042」骨穿孔術、区分番号「K043」骨掻爬術、区分番号「K066」関節滑膜切除術、区分番号「K066-2」関節鏡下関節滑膜切除術、区分番号「K066-4」関節鏡下滑液膜摘出術、区分番号「K067」関節鼠摘出手術、区分番号「K067-2」関節鏡下関節鼠摘出手術は含まれるか。
答え

含まれない。

 

アブミ骨摘出術・可動化手術等、頭頸部の骨の切除・移植を要する手術は、「骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術」に含まれる

質問
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の骨の手術の「骨切り若しくは骨の切除・移植を要する手術(指(手、足)の手術は除く)」において、区分番号「K320」アブミ骨摘出術・可動化手術等、頭頸部の骨の切除・移植を要する手術は含まれるか。
答え
含まれる。ただし、軟骨のみの操作で骨の操作を伴わないもの、開窓や穿孔のみの操作で骨の切除を伴わないものは対象とならない点に留意すること。

 

 

関節脱臼非観血的整復術は、「下肢・骨盤の骨接合に係る手術」にふくまない

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の骨の手術の「下肢・骨盤の骨接合に係る手術」において、区分番号「K044」骨折非観血的整復術、区分番号「K061」関節脱臼非観血的整復術は含まれるか。
答え

含まれない。

 

抜釘術は、「下肢・骨盤の骨接合に係る手術」にふくまない

質問
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の骨の手術の「下肢・骨盤の骨接合に係る手術」について、抜釘術は含まれるのか。
答え

含まれない。

 

下顎骨悪性腫瘍手術、上顎骨悪性腫瘍手術等、頭頸部の骨に対する悪性腫瘍の手術は「骨悪性腫瘍に係る手術」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の骨の手術の「骨悪性腫瘍に係る手術」において、区分番号「K439」下顎骨悪性腫瘍手術、区分番号「K442」上顎骨悪性腫瘍手術等、頭頸部の骨に対する悪性腫瘍の手術は含まれるか。

答え

含まれる。ただし、軟骨のみの操作で骨の操作を伴わないものは対象とならない点に留意すること。

 

静脈麻酔による麻酔は、条件によって「全身麻酔の手術」に評価できる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目「全身麻酔の手術」について、静脈麻酔によるものも含まれるのか。
答え

静脈麻酔で行われたもののうち、区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔として実施されたものであれば含まれる。

 

脳血管内手術・経皮的脳血管形成術・経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術・経皮的脳血栓回収術は経皮的血管内治療の「脳血管内治療」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における①経皮的血管内治療の「脳血管内治療」の中に、区分番号「K178」脳血管内手術、区分番号「K178-2」経皮的脳血管形成術、区分番号「K178-3」経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術、区分番号「K178-4」経皮的脳血栓回収術は含まれるのか。

答え

含まれる。

経皮的冠動脈形成術・経皮的冠動脈粥腫切除術・経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)・経皮的冠動脈ステント留置術・冠動脈内血栓溶解療法・経皮的冠動脈血栓吸引術・経皮的肺動脈形成術は「冠動脈カテーテル治療」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における①経皮的血管内治療の中に「冠動脈カテーテル治療」とあるが、区分番号「K546」経皮的冠動脈形成術、区分番号「K547」経皮的冠動脈粥腫切除術、区分番号「K548」経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)、区分番号「K549」経皮的冠動脈ステント留置術、区分番号「K550」冠動脈内血栓溶解療法、区分番号「K550-2」経皮的冠動脈血栓吸引術、区分番号「K570-3」経皮的肺動脈形成術は含まれるのか。
答え
含まれる。

 

肝動脈塞栓術は「選択的血管塞栓による止血術」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における①経皮的血管内治療の「選択的血管塞栓による止血術」について、肝動脈塞栓術は含まれるか。
答え

含まれる。

 

経皮的カテーテル心筋焼灼術・経皮的中隔心筋焼灼術は「経皮的心筋焼灼術」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における②経皮的心筋焼灼術等の治療の中に「経皮的心筋焼灼術」とあるが、区分番号「K595」経皮的カテーテル心筋焼灼術、区分番号「K595-2」経皮的中隔心筋焼灼術は含まれるのか。
答え

含まれる。

 

内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術・内視鏡的胆道結石除去術・内視鏡的胆道拡張術・内視鏡的乳頭切開術・内視鏡的胆道ステント留置術・内視鏡的膵管ステント留置術は「内視鏡による胆道・膵管に係る治療」に含まれる

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における③侵襲的な消化器治療の中に、「内視鏡による胆道・膵管に係る治療」とあるが、区分番号「K682-3」内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術、区分番号「K685」内視鏡的胆道結石除去術、区分番号「K686」内視鏡的胆道拡張術、区分番号「K687」内視鏡的乳頭切開術、区分番号「K688」内視鏡的胆道ステント留置術、区分番号「K708-3」内視鏡的膵管ステント留置術は含まれるのか。
答え

含まれる。

 

経皮的胆管ドレナージ術・経皮経肝胆管ステント挿入術・経皮的肝膿瘍ドレナージ術などの経皮的な治療は「内視鏡による胆道・膵管に係る治療」に含まれない

質問

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のC項目の救命等に係る内科的治療における③侵襲的な消化器治療の「内視鏡による胆道・膵管に係る治療」について、区分番号「K682-2」経皮的胆管ドレナージ術、区分番号「K689」経皮経肝胆管ステント挿入術、区分番号「K691-2」経皮的肝膿瘍ドレナージ術などの経皮的な治療は含まれるのか。
答え
含まれない。

一旦退院し再度入院した場合でも、「同一疾患に起因した一連の再手術の場合は、初回の手術のみ対象となること」の評価対象になる

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、「C 手術等医学的状況」において「同一疾患に起因した一連の再手術の場合は、初回の手術のみ対象となること」とあるが、一旦退院し再度入院した場合(入院期間が通算される再入院を含む)には、評価の対象となるのか。
答え

対象となる。

 

肝動脈化学塞栓術(TACE)など、抗悪性腫瘍剤を併用して塞栓を行う場合の評価について

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」について、肝動脈化学塞栓術(TACE)など、抗悪性腫瘍剤を併用して塞栓を行う場合 ①A項目の「7 専門的な治療・処置」の①抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)に含まれるか。 ②C項目の「22 救命等に係る内科的治療」における①経皮的血管内治療の選択的血管塞栓による止血術に含まれるか。

答え

①含まれない。

②含まれる。

 



その他 ABC項目共通

一部の評価項目における看護職員以外の職種について

質問

「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票 評価の手引き」において、一部の評価項目において看護職員以外の職種が実施または評価するとあるが、

具体的にどの項目で、どのような職種が評価できるのか。

事務職員や看護補助者でも可能か。

答え

① 看護職員以外の職種が実施する可能性のある項目については、「看護職員等」と示している。実施する内容については、各職種の実施できる業務範囲に基づいて実施されたものが評価の対象となり、当該項目について各職種が記録したものも評価の根拠となる。また、各職種の業務範囲の項目であれば、院内研修を受けた上で評価者として評価することができる。

② できない。ただし、転記や入力することは可能。

 



B項目共通

一部の病室を地域包括ケア入院医療管理料又は特殊疾患入院医療管理料を算定する病室として届け出ている場合は、「重症度、医療・看護必要度」の測定対象とはならない

質問

7対1入院基本料を算定するものとして届け出た病棟において、一部の病室を区分番号「A308-3」地域包括ケア入院医療管理料又は区分番号「A306」特殊疾患入院医療管理料を算定する病室として届け出ている場合、当該特定入院料を届け出ている病室に入室している患者について、7対1入院基本料における「重症度、医療・看護必要度」の測定の対象であるか。
答え
7対1入院基本料を算定しない病室に入院している患者であることから、7対1入院基本料における「重症度、医療・看護必要度」の測定対象とはならない。

 

転棟した場合・転棟したその日に退院(死亡退院含む)した場合の重症度、医療・看護必要度の評価

質問

重症度、医療・看護必要度に係る評価について、「入院した日に退院(死亡退院含む)した患者は、延べ患者数に含めるものとする。」とされたが、

①転棟した場合の評価はどちらの病棟ですればよいか。

②転棟したその日に退院(死亡退院含む)した場合は延べ患者数に含めるのか。
答え
①病棟種別が同じ病棟(病室)間で転棟する場合は、転棟先の病棟(病室)において、転棟時までの評価を含めた評価を行い、基準を満たす患者の割合の算出時の延べ患者数に含める。病棟種別が違う病棟(病室)間で転棟する場合は、転棟前の病棟(病室)において、転棟時まで評価を行うが、延べ患者数には含めない。転棟先の病棟(病室)においては、入棟時からを評価対象として評価を行い、延べ患者数に含める。
②転棟する病棟(病室)の病棟種別が同一かどうかに関わらず、転棟前及び転棟先の両方の病棟で退棟時までの評価は行うが、転棟日(退院日)の延べ患者数には含めない。

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