シンママナースの マリアンナ です。
褥瘡(じょくそう)という言葉聞いたことはあるけど・・・イマイチわからない。
褥瘡はいわゆる「床ずれ」のこと。
健常者が椅子にずっと座っているとします。おしりが痛くなりますよね。
健常人であればお尻を浮かせる、脚を組むなど「痛い」「違和感がある」という現象を回避できます。
しかし感覚がない方、身体を自由に動かせない方は・・・痛くてもポジションを変えることが出来ません。
ここでは「褥瘡」に関することをお伝えしていきます。
褥瘡とは
褥瘡の定義
知っておこう!褥瘡と褥瘡予防のためのポジショニング
褥瘡(じょくそう)という言葉聞いたことはあるけど・・・イマイチわからない。そのような方も多いと思います。
褥瘡はいわゆる「床ずれ」です。
健常者が椅子にずっと座っているとします。おしりが痛くなりますよね。
健常人であればお尻を浮かせる、脚を組むなど「痛い」「違和感がある」という現象を回避できます。しかし感覚がない方、身体を自由に動かせない方は・・・どうなるのでしょうか。
ここでは「褥瘡」に関することをお伝えしていきます。
褥瘡とは
褥瘡の定義
「圧力・張力・剪断力の持続的作用により、
支持面と接触する身体の局所(圧迫点)に生じる阻血性の組織損傷や壊死」
どうして褥瘡ができるの?
「褥」は、寝るときの敷物を指し、「瘡」は、できもの・しゅもつ(はれもの)・かさという意味があります。
長期臥床中の背中や腰(仙骨部・腸骨部)・踵など、長時間圧迫され続けることで、十分に血液、栄養が通わなくなり、細胞壊死してしまうことで発症します。
またベッド上を移動させるときに生じる摩擦の影響で、皮膚が擦れてしまい発症することがあります。
褥瘡が重症化すると傷や水泡ができ、その部分に細菌が付くことで繁殖し、化膿し、正しい治療をせず放置すると、最悪死に至るケースがあります。
褥瘡のメカニズムと原因6つ
褥瘡はなぜできるのでしょうか。
過度の圧迫が長時間加わると、血管から血漿成分が漏れ出し、さらに血球成分も血管外に漏れ、虚血組織は不可逆性壊死に至ります。
これを「褥瘡」とよび、皮膚表層の欠損から筋肉・骨に至り、骨髄炎、敗血症または死に至るのです。
発生要因は「外的要因」と「内的要因」に分けられます。
外的要因としては、圧力・ずれ・摩擦・皮膚湿潤があり、中でも外力の強さと作用時間がもっとも重要であると言われています。
内的要因として末梢循環障害・低栄養・知覚麻痺・運動麻痺・加齢に分けられます。
この2つの要因が複雑に絡み合って「褥瘡」を発生させています。
また損傷は骨に向かうほど広範囲に起こり、台形状に脱落しポケットを形成します。
画像引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P358 2001 協同医書出版
褥瘡の原因
褥瘡の原因は、以下の6つです。
- 局所の圧迫や強い摩擦による循環障害
- 同一体位による長時間の臥位
- 知覚障害や血液循環障害のある患者
- 全身衰弱が著しい患者
- 貧血のある患者
- 栄養状態が著しく低下している患者
褥瘡発生の「促進因子」として、直接的因子ではないですが危険性を増大する因子として、考慮すべき重要な要因として以下の8つが挙げられます。
- 体動不能
- 神経障害(神経遮断・麻痺)
- 低栄養
- 血行障害(血流の質と量・リンパ管閉塞)
- 湿潤
- コラーゲンの質的変化
- 感染
- 精神的要因
褥瘡の分類
褥瘡は、さまざまな重症度分類がなされています。
大きく分け2通りの考えがあり、1つは深さによる分類、もう1つは褥瘡の創面の色による分類です。
黒色期、黄色期、赤色期、白色期とあり、創面の経過を色で分類し治療方針を検討するのに使用します。
1)深さによる分類
A.Campbellの分類
- 発赤を示す
- 発赤・腫脹・硬結が見られ、時に水疱形成
- 皮膚が壊死し、脂肪組織が露出
- 皮下脂肪組織まで壊死が進行し、筋肉露出
- 筋肉まで壊死が進行
- 骨に炎症が波及
- 骨髄炎・化濃性関節炎等が併発、敗血症、死亡の危険性
B.カリフォルニア州基準
1度:発赤/表皮の障害に留まる
2度:表皮欠損等真皮に至る浅い潰瘍
3度:皮下組織に至る壊死,中等度潰瘍
4度:皮下深部の腱/骨組織に至る壊死,深い潰瘍
C.Sheaの分類
- 損傷は表皮にとどまるか,真皮が露出
- 真皮全層から皮下脂肪層との移行部にまでに至る
- 脂肪層が損失するが深在筋膜には至らない,皮膚にポケットがみられる
- 創底部に骨が露出
- 小洞を経て閉鎖性の大きな空洞
D.Yarkony-Kirkの分類
1.発赤
30分以上続くが24時間以内に消える、24時間以上続く
2.表皮および、あるいは真皮が潰瘍化,ただし皮下脂肪層の露出はない
3.皮下脂肪層が露出,筋肉の露出はない
4.筋肉、筋膜が露出,骨の露出はない
5.骨が露出,関節内部までに至らない
6.関節内部に及ぶ
E.IAETの分類(International Association for Enterostomal Therapy)
ステージI(グレードI):
圧迫除去後30分以内に消退しない発赤(紅班).表皮は損われていない.いわゆる可逆的な階段.
ステージII(グレードII):
表皮あるいは真皮に至るが,皮下組織に至らない皮膚の部分欠損.発赤(紅班)を併う水疱や硬結も含む.創傷底は湿潤で,ピンク色.痛みを伴う.
ステージIII(グレードIII):
真皮全層を越え,皮下組織に至る全層欠損.痂皮で被われていない限り浅い潰瘍がある.壊死組織,ポケット形成,皮下交通,滲出液,感染の可能性がある。創傷底は通常痛みを併わない.
ステージIV(グレードIV):
皮下組織を越え,筋膜,筋層,関節,骨に達する深い組織欠損.壊死組織,ポケット形成,皮下交通,滲出液,感染の可能性がある.創傷底は通常痛みを併わない.
F.NPUAPの分類(National Pressure Ulcer Advisory Panel)
第I期:
皮膚の損傷はないが、指で押しても白くならない紅班がある.皮膚潰瘍の発生直前状態.皮膚の変色や硬化,局所的な発熱が見られる場合もある.
第II期:
表皮および/または真皮に及ぶ皮膚上層の損傷で,皮膚浅層の軽度の潰瘍状態.症状は,擦りむけ、水疱、浅い潰瘍.
第III期:
皮下組織の障害または壊死などの、皮膚全層からそれ以上に及ぶ損傷.ただしその下の筋膜までには達しない.症状は深いクレータ状で、周囲の組織深部にさらに広範囲な組織欠損(ポケット)が見られることもある.
第IV期:
皮膚深層の広範囲な組織壊死や壊死、さらに筋肉・骨・支持組織(腱や関節包)にまで及ぶ損傷.
G.褥瘡の予防ラインの治療ガイドライン(厚生省)の分類
I度:圧迫に除いても消退しない発赤・紅班
II度:真皮までにとどまる皮膚傷害、すなわち水疱やびらん、浅い潰瘍
III度:傷害が真皮を越え、皮下脂肪層にまで及ぶ褥瘡
IV度:傷害が筋肉や腱、関節炎、骨にまで及ぶ褥瘡
参考引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P375 2001 協同医書出版より
2)深達度による分類
褥瘡の深達度による分類
グレードⅠ
骨突起上の皮膚紅斑、もしくは硬結。
圧迫部位の除圧後、30分以上経過しても発赤改善なし。表皮に損傷はない。
グレードⅡ
表皮に至る皮膚の欠損を認める。
創は湿潤してピンク色、痛みを伴うが壊死組織はない。
グレードⅢ
皮下組織まで達する組織の欠損。浅いクレータが存在する、もしくは壊死組織を含む。
ポケットを認め、浸出液と感染を伴う。
グレードⅣ
筋肉や骨に達する深い潰瘍、深いクレータで壊死組織を認める。浸出液と感染を伴う。
参考引用文献
- 細田多穂 理学療法ハンドブック P374 2001 協同医書出版
褥瘡の好発部位
人間は通常、一晩に20~40回も体位を大きく変える寝返りをします。
8時間睡眠であれば、1時間当たり2.5~5回の割合で寝返りをし、同一局所への圧迫を避け組織の虚血状態を免れています。
健常者であれば「痛い」「痺れた」という感覚で自然と無意識下で動かすことができますが、
認知症・運動麻痺・知覚障害などの障害をもつ方は、無意識に行う自動的な体位変換ができずに、褥瘡のような不可逆性病変へと進行してしまいます。
身体を大きく4つに分け、頭部・胸部・腰部・脚部で加わる重量比を見てみると、頭部7%、胸部33%、腰部44%、脚部16%となります。全体重の4割強が、腰部にかかっていることがわかります。
すなわち、仙骨部に褥瘡が多発する理由がわかると思います。
画像引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P354 2001 協同医書出版
褥瘡の好発部位は、下図のように骨が皮膚表面に突出している部位に多くみられます。
発生部位の割合は、
仙骨部59.2%、大転子・踵部11.1%、その他(腸骨稜・腰背部、内側膝窩部、第5中足骨頭外側)18.6%
であり、仙骨部と大転子部に褥瘡が好発しており、リスク部であることがわかります。
臥床時の身体各部の重量比
画像引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P354 2001 協同医書出版
ポジショニングを知るために、体圧を知ろう
身体の局所に加わる圧迫を「体圧」と言います。
身体の固体条件と、身体が今おかれている環境の条件が複雑に絡みあって、「体圧」が決定します。
- 身体の固体条件 → ①加齢 ②性差・姿勢・体位 ③障害の有無
- 環境の条件 → 寝床の違い、予防用具の使用など
1)身体の固定条件
身体の固体条件 ①加齢
若い人と高齢者で比較すると、高齢者の場合は各筋群が萎縮しており、特に殿筋の萎縮が大きく、背臥位で最も体圧がかかる下部仙骨部に体圧が集中しているため、加齢が条件になります。
身体の固体条件 ②性差・姿勢・体位
性別でも差がみられます。最も顕著な差がみられるのは、大転子の体圧です。
女性は皮下脂肪が多いので、体圧は男性に比べると1/2と言われます。
しかしそれは成人の場合。
高齢者(片麻痺)ではほぼ男女差はありません。
高齢者になると皮下脂肪も少なくなり、体型上男女に顕著な差はないからです。
体脂肪が多い方と痩せ型の方を比較すると、やはり痩せ型の高齢者はリスクが高いため、看護・介護上要注意する必要があります。
身体の固体条件 ③障害の有無
片麻痺患者の麻痺側は自動的に動かせないため、廃用性萎縮をおこし、一方健側の方も低運動により筋組織や皮下組織が萎縮し、骨の突出部が現れやすい傾向です。
さらに高齢者片麻痺の仙骨部で圧が高くなるのは、殿筋の萎縮や姿勢変化によるためで、踵部の圧が高いのは、下腿三頭筋の萎縮によるものと言われています。
2)環境の条件
下記の図は褥瘡予防寝具別の体圧比較をしたものです。
- 通常の布団
- ポリスチレン小球(デキュビデックス)が綿布のなかにつめてあるもの
- 病院用マットレス、
- 噴気式エアーマット
- ウレタンマット
- 交互派状式エアーマットで、1つおきの空気管に一定時間おきに空気がはいるもの
- スポンジと水の袋とがサンドイッチ状になったもの(ウォーターマット)
- 袋の中に水が500lいり水温調節用のパネルヒーターつきウォーターマット(製造中止)
です。
通常の布団に比べ、いずれも減圧効果が認められています。
中でもウォーターベッドにおける体圧は、上部仙骨部1/2、下部仙骨部で1/4と好成績をあげています。
最も減圧効果が認められたのはウォーターベッドなのですが、患者側からすると寝返りがうちにくい、介護者側からすると介護しにくいという難点があるため現場では取り入れられていないのが現状です。
予防寝具体圧比較 大転子部
予防寝具体圧比較 仙骨部
画像引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P367 2001 協同医書出版
各肢位で、最も体圧が高い箇所は以下になります。
- 背臥位:肘頭、踵、仙骨部(下部)
- 側臥位:大転子、外果
大転子の圧を軽減させるには、マットに接触していない側の下肢の重みを、クッション・枕などで支えてやると、マットレスに接する大転子への体圧は減少します。
大転子にかかる体圧が少ない肢位を考えると「半背臥位」が良いと言われています。側臥位30°までとし、大殿筋に体重がかかるようにするポジショニングをとらせます。
※最近ではクッション併用で135°も有用とされていますが、これは患者の状態により限りがあると思われます。
・屈曲拘縮がある方
長期臥床の患者さんの場合、ほとんどの方で屈曲拘縮があります。膝関節屈曲角度で仙骨部への体圧が変化します。
下記の図を見て頂くとわかりますが、膝が曲がっていることで、膝伸展位と比べると圧が約2倍以上も高いのです。
屈曲位で保持すべき場合には、枕やクッションで下肢の重みを支持すれば、仙骨部への圧迫は軽減されるができるだけ拘縮や変形をつくらないような積極的なリハを進める必要があります。
仙骨部における膝屈曲角度と体圧の関係
画像引用:細田多穂 理学療法ハンドブック P362 2001 協同医書出版
褥瘡・拘縮予防! ポジショニング
ポジショニングとはクッション・まくらなどを使用し、患者さんの適切で楽なポジションにしてあげることです。
ポジショニングを行うことで、患者さんの身体への負担軽減、褥瘡・拘縮などの問題悪化を防ぐことができます。
長期臥床により体が自由に動けない方や、骨折後・オペ後の患者さんなどにポジショニングを行います。
一般的に、長期臥床の方の場合は、拘縮予防、褥瘡予防を目的に、骨折・オペ後の患者さんの場合は腫脹の軽減を目的に行われます。
各症状でポジショニングが異なります。個々に合う、また目的に沿ったポジショニングを行うことが大切になります。
すでに褥瘡になってしまった創に対しては、当然除圧をはかる必要があります。基本的に「2時間おきの体位変換」を行います。
ポジショニングの目的
- 接地面を増やすことで、圧を分散させる
- 皮膚表面の通気性を確保する
- 褥瘡、関節拘縮の悪化を防止する
体位変換=ポジショニングは同じ意味?
- 体位変換・・・ベッドやいすなどと接触しているために体重が一点に集中して圧が加わっている部位を無くすために、身体の向きや角度、姿勢を変える移動のこと
- ポジショニング・・・運動機能障害を有する方に、クッションや枕などを利用して体の相対的な位置関係を設定し、目的に適した姿勢(体位)を保持させること
下記の図は、高齢者に多い片麻痺を呈した方のポジショニングです。
痙性抑制のために良肢位を用います。
下肢は股関節伸展位、膝関節軽度屈曲位、足関節直角、肩関節外転位、肘関節伸展位、手関節背屈位を基本とします。
股関節屈曲、膝関節伸展、足関節底屈、肩関節内転、手関節掌屈位が優位になってしまうからです。
相反する筋と比較して単純に強い方が優位に働くからです。
画像引用:奈良勲:標準理学療法学 運動療法 総論.2002.9
ポジショニングのポイントと留意点
①体の歪み、筋緊張を把握する
この判断が大事です。
- 目でみて気になるところはないか
明らかに姿勢が傾いている、きつそうな体勢になっていないかを確認します。
この時にどの部位に体重がかかっているかがわかると思います。
へんな姿勢になっているときは自然と体も緊張が高くなっていることがあります。
また中枢神経障害の場合はこの方の麻痺の程度(筋緊張が亢進しているか、
弛緩しているか)各部位の筋の状態を把握しておきましょう。
②重力を利用する
重力を利用して、各関節を伸ばせる姿勢、もしくは曲げることができます。
拘縮した筋、関節は早い動きでは伸びてくれません。ゆっくり、じっくり時間をかけて伸びる性質なので、日中は臥位ではなく座位姿勢にして重力を利用して関節、筋を伸ばすことも良いでしょう。またその時にきつい姿勢にならないように①でも記載していますが、しっかり観察することが大切です。
③自動運動を妨げない
自発的に体を動かせる人においては、自動運動を妨げないように工夫してください。体に枕をおいているせいで、○○が伸ばせない、できないなどのことがないようにしましょう。
褥瘡予防のポジショニングで大切なのは「基本肢位は絶対にこれ」と思いこまないことです。
模範解答はありません。患者の体型、麻痺、拘縮、状態によって適切なポジションは変わります。
その患者さんの訴えを聞き、筋緊張の状態を把握しながら行うようにしてください。
褥瘡予防の看護計画ポイント
褥瘡をつくらないためには、以下のことに注意する必要があります。
目標:圧迫、摩擦、ずれなどの外部からの物理的力による悪影響を防ぐ。
寝たきりの患者には
- 少なくても2時間に1回の体位変換を行う
- 骨突出部同士が直接触れ合わないように、間に枕や楔形フォームパッドを入れる
- 予防用具を利用して、踵部への圧迫を完全に取り除く
- 転子部に直接体圧がかからないように体位を工夫する
- ベッドの背上げはできるだけ低くし、挙上の時間もできるだけ短くする
- 患者の移動や体位変換の際は引きずらず、リフト器具などを利用して、患者の身体を持ち上げて行う
- 褥瘡発生の危険性がある患者には、除圧マットを用いる。ただし、円座は使用しない
日中の大半をいすに座って暮らす患者には
- 少なくとも1時間に1回は体位変換を行う。連続座位時間は1時間が限度。
- 身体を動かせる患者には、15分ごとに自分で重心をずらしてもらう。または15分おきに10秒以上長く圧迫位置をずらす。(10秒程度の短期除圧では褥瘡防止には有効ではない。)
- 除圧パッドをいすに敷く。ただし、円座は使用してはならない
- 患者を座らせる際は、姿勢体圧分散、安定性、除圧などを考慮して適切な体位を取らせる。
- 姿勢変換には体幹の持ち上げ、前方、側方、後方への倒しがあるが、確実に皮膚、軟部組織に負荷されていないか確認して実施する。
- 座位姿勢はなるべく対称位の姿勢にする。
まとめ
褥瘡は予防が重要です。
入浴の際には、発赤の有無などの皮膚状態の観察、またケアを十分行う必要がなります。
発赤の段階で早期発見し、予防管理が適切に行われれば、褥瘡に至ることを防げます。
虚血後の反応性充血が一般に30分以内に消失するのに対し、30分以上、ときには1日以上続く発赤がみられることがあります。これを「持続的発赤」といいます。
圧迫性虚血から生じるさらに進行した重度の血管反応は、「白く退色しない発赤」です。暗赤色の発赤で、その発赤部を指で押しても赤色が消えません。
これは皮膚の微小循環障害が障害され、炎症が起こっている証拠です。
まず発赤を見つけたら、「指で押して退色するかしないか」で褥瘡の前段階を判断し、壊死に至らぬうちに早期の予防対策に取り組む必要があります。
褥瘡と拘縮は、隣合わせです。
褥瘡ができる方は拘縮も発生しやすい。
褥瘡・拘縮を予防するには、関節を動かす習慣が必要になります。
参考文献
- 細田多穂 理学療法ハンドブック 2001 協同医書出版
- 石川 斎 理学療法技術ガイド 2006.1.23 文光堂
- 奈良勲:標準理学療法学 運動療法 総論.2002.9
- 中村隆一 他:医歯学出版 臨床運動学 2002
- 嶋田智明 他:メディカルプレス 関節可動域障害-その評価と理学療法・作業療法 2000
- 竜昌也 他:PTジャーナル 34(9)早期理学療法-関節可動域へのアプローチ 2000
- 日高 正巳 褥瘡治療と物理療法 日本物理療法学会
引用文献
- 細田多穂 理学療法ハンドブック 2001 協同医書出版
- 奈良勲:標準理学療法学 運動療法 総論.2002.9
- 奈良勲:標準理学療法学 運動療法 総論.2002.9