シンママナースの マリアンナ です。
ギャンブル・パチンコを本気でやめたいと思うなら、もう依存症を半分ぬけられたようなものです。ギャンブルには依存するからくりがあります。だれでも依存する可能性があり、だれでもやめることができるのです。自分がギャンブルに依存する原因を理解して、適切な対策をできるのなら、必ずやめることができます。
ギャンブルを本気でやめたいと思っていたら、もう半分やめている
2016年9月14日、広島市「マツダ」の社員寮で起きた強盗殺人事件。逮捕された男性にはギャンブル癖があり、多額の借金があったことがわかりました。ギャンブル依存が金銭感覚を麻痺させ、お金を無心するあまり、最後には殺人まで至ってしまう。
ギャンブルやパチンコに依存してそれを続けるとどうなるのか、セオリーを物語るような事件でした。
もしギャンブルやパチンコに習慣的に通っていて、お給料をつぎ込み、消費者金融で借金をする生活が続いているなら、それはもうギャンブル依存症といえます。
なおかつ、家族や友人にまで金銭的に迷惑をかけてしまうようなことがあればもう重症の域です。ちょっとした引き金で、いつどんな事件を起こすかわからない状態といえるでしょう。
まだ大丈夫は、もう大丈夫じゃない状態なんです。
やめたいと思うのにやめられない。それがギャンブル依存症の特徴です。
でも「やめたい」と思っている地点で、半分ギャンブル依存から抜けているようなものなのです。本当のギャンブル依存者とはやめようとも思っていないものですから。
ではなぜやめられないのか、
それは正しいやめる方法と、自分が依存を繰り返してしまう原因を理解できていないからです。
なぜひとはギャンブルにのめり込んでしまうのか。
どうしてやめられなくなってしまうのか。
その原因を対策を理解していきましょう。
有名ユダヤの名言に「1度始めてしまえば、半分終わったも同然である」という言葉があります。
こぎはじめた自転車は重いけど、走り出すと軽くなっていくように、はじめが一番大変だけど、はじめてしまえばもうあとは楽なんだよっていうことですね。
ギャンブルをやめたいと思ったら、もう自転車をこぎはじめたようなものです。あとひとふんばりがんばりましょう。
もしこの記事を読んでいるあなたや、あなたの大切なひとがギャンブルに依存しているのなら、どうかその人生を、正常に戻してあげてください。
何かを成し遂げるために何かを知り、動き出すことが成長の第一歩です。
ギャンブルに依存する原因とからくり ~あなたはネギをしょった鴨である~
そもそもギャンブル依存症の定義って知っていますか?
近年ではやっとギャンブルに依存しているひとは精神疾患であることが認知されるようになってきました。
そうです、ギャンブル依存とは「病気」になった状態なんです。つまり治療すべき(治療しないといけないくらい)エマージェンシーな状態なんですよ。
わかった地点で対策しないと、絶対悪い方向にいくよ、っていう状態なんです。
今ギャンブルにはまっていて、明日勝てるかもしれないって思っているあなた、10年後ボロボロになりますよ。
まずはギャンブル依存症って何なの、っていう詳しい定義をさっと理解しておきましょう。
ギャンブル依存症の定義
以下はウィキペディアから抜粋。
- ギャンブル依存症の場合もすべての特徴が見られる。ギャンブル依存症とは次のような症状を呈す依存症、精神疾患である。
- ギャンブルを渇望する。
- ギャンブルを制御することが困難である。
- ギャンブルをしないと離脱症状に見舞われる。
- ギャンブルをする頻度が増える、賭け金が増加する、リスクの高い賭け方をするといった耐性が生じる。
- ギャンブル以外の事柄への関心が低下する。
- ギャンブルをするせいで借金などの問題が生じているにもかかわらずやめられずに続けてしまう。
離脱症状は薬物依存症におけるものがよく知られており、アルコール、覚醒剤などの物質が体内に入った後で摂取されなくなり血中濃度が低下することで引き起こされる。ギャンブル依存症は薬物依存症と異なり物質を体内に取り込むことがないため、離脱症状が起こらないという誤解が生じがちであるが、実際にはギャンブル依存者がギャンブルを絶つと集中力の低下や感情の乱れ、発汗、手の震え、不眠、幻視などの離脱症状に見舞われる。
ギャンブル依存者はギャンブルが楽しくてやめられないと考えられがちであるが、心理カウンセラーの丹野ゆきによると、実際には「やめなければ」という思いや借金に対するプレッシャーなど苦しさを感じつつギャンブルをしている場合がほとんどだという。丹野は、不快な感情やストレスから逃れようとしてギャンブルをした結果苦しさを味わい、さらにストレスを感じてギャンブルに走る「負のスパイラル」が存在すると指摘している。
ギャンブル依存症の定義として特徴的で注意したいのは、
「ギャンブルをする頻度が増える、賭け金が増加する、リスクの高い賭け方をするといった耐性が生じる。」
「ギャンブル以外の事柄への関心が低下する。」
「ギャンブルをするせいで借金などの問題が生じているにもかかわらずやめられずに続けてしまう。」
の症状です。
ここまでの症状がでたとき、ひととして社会的な生活を営むことが困難になってくるからです。
仕事に対して意欲がなくなったり、他のことでストレスを発散したりできなくなる。家族や友人などとも楽しく遊べなくなったり、普通のひとが興味を持つことに、興味がなくなってしまう。
さらに解説にある「不快な感情やストレスから逃れようとしてギャンブルをした結果苦しさを味わい、さらにストレスを感じてギャンブルに走る「負のスパイラル」が存在する」というアリジゴクのような状態になるのがギャンブル依存症の特徴でしょう。
なぜ依存するのか~ギャンブルにより心理的な働きと体の中でおこるメカニズム~
そもそもギャンブルってなぜ依存性があるのでしょうか。
実は依存性を持つ根拠があります。
ギャンブルをして初めて勝った日のことを覚えていますか?
簡単にお金が手に入った喜びと興奮、なんだかすごいことを成し遂げたような気持ち。勝てない周りの人からの優越感。
突然お金が入るもんだから、なんだか人よりお金持ちになったような気分すらします。
ギャンブルでとてつもなく楽しい思いをしたことは、人間忘れないものなんです。
実はあなたが初めてギャンブルに興奮を覚えたあの日、
あなたが気づいていないあいだに、あなたの脳にはギャンブルに依存するようにある現象がすりこまれているのです。
ギャンブルで快楽を覚えたとき、ひとは脳から「βエンドルフィン」という物質を分泌します。
「βエンドルフィン」とは快楽を感じさせる脳内麻薬物質です。
ギャンブルで勝ったりしたとき、分泌されることが明らかになっています。
同時にアドレナリンなどの興奮作用があるホルモンも分泌されています。
ギャンブルに勝つと別にお腹を抱えて笑うような状況でもないのに、まるでとても楽しいことをしているように思えます。
アドレナリンなどの興奮作用からドキドキして、日常生活では味わえないような興奮状態を感じることができます。
脳は都合のいい作りになっていて、
快楽や楽しいこと、楽なことなど自分に都合のよいことは何度も行うように体や意思に働きかける機能があるんです。
これがいわゆる「フラッシュバック」とも呼ばれる現象。
パチンコ店にいきたいわけじゃないのに、まるで吸い込まれるように入店してしまう。
つい休日になると馬券を買ってしまう。
これはまるで自分がしたいと意思を持ってしたことのように思えますが、
実は脳がまた快楽を欲するあまり、フラッシュバックを起こしている状態です。
麻薬中毒者が麻薬をやめられなかったり、アルコール中毒者がアルコールをやめられない原理と同じです。
すべての依存症は脳が覚えてしまった、過剰な快楽をまた求めるあまり、同じ行動を繰り返してしまう脳の反応なのです。
依存する人の違いは、本人の気質的な性格などもあれど、
始めてギャンブルをしたときに勝ったりして尋常じゃない興奮を覚えたか否か、
という経験も大きく依存症に作用しているのです。
はじめて経験したギャンブルが、負けっぱなしの嫌な思い出ばかりで魅力を感じなかったら、たいがいのひとはもうしないはずです。
依存するひとに共通するのは、勝って、快楽を覚えたことがあることです。
つまり、ギャンブル依存症は誰でもなりうる依存症なんです。
パチンコ屋、競馬場、ボートレース・・賭博場の魅力的なからくり
あなたがもしギャンブルを本気でやめたいと思っても、また気づけば賭博場に入ってしまっている。そんなこと多々ありませんか。
これには本人の脳がギャンブルに快楽を感じていることと、もうひとつ賭博場の巧妙なマーケティング方法があります。
パチンコ店ではその方法が露骨です。
騒がしい騒音、閉鎖的な空間、ちょうど視界いっぱいにくるパチンコ台で冷静な判断をかき消し、
はやりのタレントやアニメ、映画を起用した馴染みやすいパチンコ台、収入に応じた1円パチンコ、共通して人通りの多い立地、魅力的な景品、派手な外観から人を寄せ付けます。
連鎖的に起こる同じような玉の動きと、
ランダムに起こるリーチ。次はあたるんじゃないかという期待を持たせ、ターゲットを帰らせないようにします。
まるで計算されたかのように、パチンコ店が並ぶ通りにある消費者金融のキャッシングコーナー。
お金がなくなっても、すぐお金を準備できます。
ちょうど仕事帰りの通りになる、人通りの多い駅前や大きい道路沿い。
パチンコ店はそういったところに立ち並びます。
特に騒音と限られたスペースの閉鎖的空間は、
まるで日常の生活を忘れさせるパワーだってあります。
競馬やボートレースも同様、時々当たるような仕組みを盛り込んで、顧客の依存心を離しません。
どんなギャンブルでも共通していますが、結局はお客が負けるような仕組みになっているんです。
そのような仕組みをつくるために彼らは様々な研究をしているのですから、わたしたちがギャンブルに勝ち続けることはないのです。
じゃないと賭博場だって、商売にならないでしょう?
そしてどんな賭博場でも共通した手法が、
「ときどき勝たせる」
ことです。
時々勝たせる、というのは心理学的にも依存症から立ち直れない原因となるのにとても都合が良いのです。
脳が「やっぱり勝てない。ギャンブルではあの興奮はもう得られないんじゃないか・・。」っておもいだしたときに、またドーン!っと勝つ。
そしてまた脳はギャンブルって楽しいって錯覚してしまうんです。でも結局賭博場が勝つ仕組みになっています。結局はプラスマイナスでギャンブル依存者が大損することになっているのです。
ここまでくるともはや勝つとか負けるとかじゃなくて、
パチンコ屋とかの賭博場にいいようにあやつられてる鴨でしかありません。
適度に仕事をしていて、借金をすることができ、ギャンブルに依存性をもつひと。
ギャンブル屋さんからしたら、そんなひとはネギをしょった鴨のようなひとです。
自分がギャンブル店に利用され、自分の人生を食いつぶされようとしていることに気づきましょう。
いつやめるのか。「今でしょ」
本気でやめたい。でもまたしてしまう。ふとパチンコ屋の前を通ったら、吸い込まれるように店に入ってしまう。
気づいたときには空のサイフで帰路についている・・。みじめになって、やめようとおもうのに、気づけばまた入店して、借金の請求がくるようになる。
この負のスパイラルをとめるためにはどうしたらいいんでしょうか。らせんのように続く道を止める方法はひとつしかありません。
今、ギャンブルをやめることです。
そしてやめるために、動くこと。
またギャンブルをしにパチンコ店に入るのではなく、やめるためにどうしたらいいのか具体的に対策を探して、実践すること。
やめるためにすべきことは、たとえ時間でもなんでも惜しまないこと。中途半端な決心と行動では本当の意味でギャンブル依存を克服することはできません。
ギャンブルを本気でやめる方法
ギャンブルは絶対やめられる~都合のよい脳の機能を利用しろ~
ギャンブルは絶対やめられます。
ギャンブルに依存する大きな原因として、脳が快楽を覚えていることがありましたね。
ギャンブルをやめたいなら、その脳の機能を逆手にとって、ギャンブルによって得る快楽を、脳に忘れさせたらいいんです。
これはダイエットに成功したり、禁煙に成功したりする原理と同じです。
いままで快楽を感じさせていた事象(食事や喫煙による効果)を忘れてしまうと、人はそのことを欲さなくなります。
これは脳が「なーんだ、もうあの快楽イベント、こないじゃん。これ以上いらいらしたってストレスがたまるだけだ!もうあれのことは忘れるか!」っていう流れで、その依存していたものによって得ていた快楽の多くを忘れるようになるんです。
ストレスなどがたまったり、ギャンブルによる快楽を思い出すようなことがあればまたフラッシュバックが起こるかもしれませんが、
完全にわすれるとまではいかなくても、今まで程ギャンブルを欲さなくなるはずです。
禁煙で完全にタバコを断ち切ったひとなどにも同じことが言えます。タバコも一種の依存症です。なのに辞められてるひとがいますね。それは人間が一度依存したものから、依存を克服することができる証拠でもあるんです。
徹底してギャンブルができない環境を
本気でギャンブル・パチンコをやめたいと思うのなら、徹底的に自分がギャンブルをできない環境を作ることが重要です。
ギャンブルに手を出せる環境がある中でギャンブルを断ち切るのはすごく大変なことです。依存症を断ち切るというのは、人間の精神、身体すべてを管理する脳の強力な作用とも戦わないといけないので、精神力だけの問題ではありません。
キャッシュカード自体もう作らない、消費者金融からは借りられないようにする、お給料は家族などに管理してもらうなど、本当に徹底して、ギャンブルができない環境を作ってください。
どうしてもギャンブルしたい衝動にかられるなら・・置き換え法の実践
そしてギャンブル以外になんでもいいからできる遊びを自分の生活に取り組んでください。
ゲームでもいいし、クラブに通ってもいいし、時間が許すなら旅行でもいいから、とりあえずなんでもいいから、一定期間ギャンブルをわすれてしまうような環境を作るのです。
脳に快楽を忘れさせる時間が必要なのです。つまり、徹底したギャンブルができない環境を一定期間作る必要があります。ただ悪いことはしないように。
(ちなみにどんな依存症でも、この期間が一番つらいです。)
ギャンブル依存症という疾患としての治療
ギャンブル依存症は病気です。明らかに脳の反応にも影響をきたします。
どうしても自分だけで解決できないなら専門的な治療をうける、相談をすることは非常に効果的なことです。
近年ギャンブル依存症が意思によるものではなく、脳及び精神疾患としてみられるようになってきました。
そして各地の精神病院では積極的な治療が取り組まれるようになりました。
精神病院といっても、きつい精神薬を飲むなどのヘビーな治療ではなく、基本的には同じ経験をしたひとと関わりを持ったりして、ギャンブルに依存していた生活を客観的に見れるようトレーニングし、ギャンブルと自分を切り離すことを目標にした治療が行われます。
以下はギャンブル依存の治療について、NHKで放送されたないようです。
まずはギャンブル依存症を取り扱う病院などに相談にいくようにしましょう。
自分がどれだけギャンブルに依存している状態なのかを客観的に知り、これからどうしていくべきかを第三者を交えて話すことで、ギャンブルに対する視点が変わってくるはずです。
そしてギャンブル依存症特有の苦しみやみじめさを分かち合えるひとがいることで、依存症で一番つらい離脱(抜け出すとき)の時期を乗り越えるきっかけにもなります。
最後に
わたしは幼少期、父親が尋常じゃないほどのギャンブル中毒で、ひどく苦労をしました。
家族も親戚もばらばらになり、信頼はすべて失いました。
父親の借金があるから、学校にも満足にいけなかったし、父親と母親が離婚後も母親も精神的にかなり病んでしまいました。
大学進学はあきらめざる終えませんでした。
親の借金で自分の人生の選択肢が奪われてしまう。
当時はまだ若かったし、もう死にたいくらい辛かったです。
今になって、若い時は自分だけが辛いみたいに思ってたけど、
きっと世の中にはわたしが経験したようなことを、今現在体験しているひとがたくさんいるんだろうな、
ギャンブル依存のひと自体も、実はやめられない負の連鎖がとてもつらくかんじているんだろうな、
とおもい、この記事を書きました。
今は父もギャンブル中毒を克服し、普通の生活を営んでいます。
ギャンブルやめる人間だって、本当にいるんですよ。
もし自分がギャンブル依存症だったり、大切な家族やともだちがギャンブル依存症で、なおかつ「本気でやめたい!」という思いがあるのなら、
どうかやめるための第一歩を踏み出してほしいと思います。
やめるための第一歩はなにより「やめたい」という本人の意思です。
行動しない後悔より行動した後悔です。
やめるためにできることをできるだけやってみましょう。
ギャンブルは確実に依存する本人と、その家族、ときに友人の人生をむちゃくちゃにします。
どうか自分の人生を棒に振らないでください。
ギャンブル依存症のひとが、一人でも早く依存症から脱することが出来ることを願います。