看護サマリーの書き方と要約のコツ



シンママナースの マリアンナ です。

看護サマリーってうまく書けなくて、要点をまとめるのが難しい。看護要約って書くのって大変ですよね。この記事では看護サマリーをより簡単に書けるよう、看護サマリーの書き方をまとめています。

 



看護サマリーとは~うまく書けない理由~

サマリー(summary)とは、要約のことをいいます。看護サマリーとは、その患者の「まとめ」です。この患者さんはこんなひとです!っていうのが読めばすぐわかる資料です。でも看護サマリーが苦手な看護師さんって結構います。新人看護師さんなんて、特によく注意されていますね。

看護サマリーは書き手の個別性もすごく反映されるし、病院や施設によって書き方や書式、ニーズが違うので、絶対「こうでないといけない!」っていうルールはないんです、実は。

ただ、いつも看護サマリーの書き方で注意されているひとをみていると、だいたい同じことでつまづいています。看護サマリーが苦手なひと、上手に書けないひとたちの共通点は、たいがい「看護サマリーの使途をそもそも理解していない」ことです。

なぜ看護サマリーが必要なのか、具体的な理由を理解していないから、何を書いていいのかまとまらず、ただ長文を書いてしまったり、結局何がいいたいのかわからない看護サマリーを書いてしまうんです。

この記事では、看護サマリーの書き方と上手に書けるポイントをまとめています。

 



看護サマリーの目的~患者に必要な看護がわかる文章~

誰が読んでも理解できる看護サマリーを上手に書くためには、まずその看護サマリーを書く「目的」を理解しておく必要があります。

これ結構盲点で、看護業務上、担当の患者をあてられて「なんとなく業務で書かないといけないから看護サマリーを書く」っていうひと、多いんです。

患者が退院するから、転院するから、転棟するから・・ってな具合に、患者がでていくからしゃーなし書いてるって感じ。私自身もそんな気持ちで書いていました。看護業務の一環だから書くっていう理由でもいいんだけど、ただ書かないといけないから書いてるだけで、「なぜそのサマリーを書かないといけないのか」そもそもの目的を知らずに書いているひとがあまりにも多いんです。

前置きが長くなってしまった。

看護サマリーを書くとき、なぜそのサマリーを書かないといけないか、ふまえて書いていますか?看護サマリーの目的は、「読んだひとがその患者の入院治療に、どんな看護が必要だったか一目で知ることができる」文章であることです。

看護サマリーの失敗例でよくみかけるのが、医師の行った治療やリハビリの経過など、他職種のおこなったことばかりを記載していて、じゃあ実際に看護師がどんな看護介入をおこなったのかさっぱりわからない看護サマリーって、結構多いんです。

医師の治療経過は、医師がサマリーとして書きますし、リハビリはPTやOTがサマリーを書きます。看護サマリーは、看護師でしか介入できなかった看護を中心に書く必要があるんです。危険行動があったから安全帯をしていたならその情報は重要な看護の一環ですから、記載すべきですし、

逆にどのような症状に対してどのような薬を使い治療して結果どうなったか、など病態と治療メインの内容は本来特別な事情がない限り、医師のサマリーに記載されています。

そして、その看護サマリーを次に他の看護師が読んだときに、「このひとこんな看護がいるんだな」「こういうところに注意して関わりを持たないといけないな」ってな具合に、「その患者に必要な看護」が見える看護サマリーじゃないといけません。

これが看護サマリーの本来の目的です。その患者に必要な看護が見える、看護師が行った行動がわかる文章を書く必要があります。



看護サマリー、読み手のニーズ~読み手は患者の何を知りたいのか~

看護サマリーを上手に書けるようになるには、その看護サマリーを読む対象を理解する必要があります。

状態が安定し、慢性期に入り、施設などに転院する患者の退院サマリーなのか、状態が悪化しこれから集中治療室や3次救急に転院する患者なのかなど、行く先の読み手によって、必要な情報がかわるからです。

状態が悪化した患者が一般病棟から集中治療室へ移動するとき、そのひとのADLや日常生活の介助などについて、詳しい情報は必要でしょうか?まったくいらない情報ではありませんが、それより急性期の看護師が読み手になるなら、いつどんな状況でレベルダウンして、状態が悪化したのか、どんな症状だったのか、症状を訴えることができるのか、などもっとフィジカルな部分の情報がほしいのがセオリーです。

逆に、

状態が安定し慢性期に入った患者であれば、これから主な看護の視点は、日常生活になるわけです。施設や慢性期病院の看護師が読み手であれば、病態や治療や症状などフィジカルな部分の情報より、どちからといえば日常生活についての情報(ADLや認知力、危険行動などの有無等)を中心に情報がほしいですよね。

結構、看護サマリーって書くのが大変なので、書かないといけない状況になると、つい書き上げることが目標になってしまい、「誰が何の目的で読むのか」という一番文章を書くときに大切なことを忘れてしまいがちです。

読み手のほしい情報は何でしょうか?

また読みではどのような立場で、その患者にかかわるひとでしょうか?

看護サマリーにまとめるべき内容は、読み手がほしい情報です。

読み手の状況と看護サマリーに書くべき内容を一致させるようにしましょう。

 



看護サマリーの書き方例

看護サマリーの書き方のポイントを、簡単な例を使って説明します。

看護サマリーを書く際、ひとつ覚えておいてほしいのは、極力最大限に短文にすることを心がけてください。

長文で患者の状態を書くのはカンタンですが、読み手は必要な情報を探すのがとても大変だからです。

書式やテンプレートは施設によって様々ですが、前述で説明した読み手と目的を意識した看護サマリーの書き方を、例文を通して覚えておきましょう。

症例としてオーソドックスな高齢者、肺炎患者を題材に看護サマリーの例文を紹介します。

同じ肺炎の症例でも、患者の状態や転院先によって看護サマリーで伝えたいことの主軸が違うので、例文にしてみました。

すっごく単純な内容でこれが正解ではないので、あしからず。

肺炎で入院した高齢患者、状態が安定して施設へ転院する場合

看護サマリー例文

平成28年1月15日、自宅で咳嗽と発熱を認め当院受診。精査により肺炎と診断され、精査加療目的にて同日入院となる。

入院後点滴加療行い、現在検査データ上も炎症反応改善している。

現在ADLは、見守り歩行にてトイレ移動している。食事はセッティングまで介助、食事摂取動作は自立でムセなく行えている。保清は介助浴で行った。

軽度認知症認めるが、指示に理解できており、危険行動なく経過している。内服は看護師管理である。

状態安定認めているため、貴院へ転院の運びとなる。

看護サマリーのポイント

この患者さんは状態が安定しており、転院時の看護問題はフィジカル的な部分より、ADL的側面が大きいと思うので、ADLが中心に記載されています。

治療は良好で、特に留意するような点はないので治療経過は割愛しています。

慢性期が知りたいADLや日常生活介助の部分を主に要約します。

肺炎で入院した高齢患者、状態が悪化して急性期病院へ転院する場合

看護サマリー例文

平成28年1月15日、自宅で咳嗽と発熱を認め当院受診。精査により肺炎と診断され、精査加療目的にて同日入院となる。

入院後点滴にて抗生剤投与し治療はかるも、検査データ上も炎症反応改善せず。発熱も継続し、酸素化も不良である。

バイタルサインの平均は、体温が37~37.5度、血圧110~130/70~90mmhg、脈拍70~90回/分SPO2は経鼻酸素2Lで95~98%前後で経過している。尿量は700~900cc/日利尿認める。点滴による補液は1000cc/日行っている。活気がないため飲水、食事はほぼ摂取していない。

ADLはもともと見守り歩行可能であったが、現在発熱による倦怠感もあり、全介助である。

本日の採血データにて炎症反応の増悪と脱水の兆候認めたため、精査加療目的で貴院へ転院の運びとなる。

看護サマリーのポイント

この患者さんは肺炎の状態が増悪しており、転院時の看護問題はADL的な日常生活の側面より、フィジカル的側面が大きいと思うので、バイタルサインやIN/OUT、治療と治療に対する結果等が中心に記載されています。

ADLは現在あまり活気がないことや、安静が必要な状態であるため、優先順位の低い情報と考えて内容を割愛しています。

急性期が知りたいフィジカルデータや治療に関するの情報を主に要約します。

 



看護サマリーの書き方まとめ

看護サマリーの書き方のポイントとして、以下をおさえておきましょう。

看護サマリーの目的である「患者に対する看護のまとめ」をふまえて書く

今の患者の状態とともに、その状態に対して、看護師として何をしたのかわかるようにまとめるようにしましょう。その患者にとって必要な看護がわかるようにする必要があります。

転院先、転出先などによって変わる読み手のほしい情報をまとめる

読み手が施設なのか急性期病院なのか、慢性期病院なのか、転院する(もしくは退院する)目的によって看護サマリーに記載する必要な情報はかわります。読み手の必要な情報をまず頭に浮かべてから、看護サマリーを書くようにしましょう。

極力短い文章で、読み手の知りたいことをまとめる

看護サマリーは、必要な情報だけをまとめていれば、短文であればあるほど読み手にとって不快なく読むことができます。長文で患者の知ってほしい情報を書くことは簡単ですが、読み手にとっては苦痛です。読み手にとって読みやすい、端的で要点だけをまとめた文章になるよう意識しましょう。

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