新しく変更された【看護必要度】を理解しよう!~2016年診療報酬改定による変更点について~



シンママナースの マリアンナ です。

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2016年(平成28年)の診療報酬改定にて、またまた大幅に看護必要度が追加変更されました。

7対1病床をいかに減らしていくかを目的にした改定でしたが、看護必要度に評価項目が追加され、看護度をより詳細に評価できるようなチェック項目になっています。

追加されたA項目の詳細と、手術関連のC項目の追加など、詳細をまとめています。

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平成28年度診療報酬改定で変更されたこと

2016年度診療報酬改定 動画説明

 

平成28年度(2016年)、診療報酬改定が大幅に変わりました。よって、看護師に身近な「看護必要度」に関連するところも、多く変更を伴っています。

2016年診療報酬改定では、7対1病床をいかに減らしていくかにフォーカスした改定となっているようです。

 

重症度、医療・看護必要度の項目追加

2016年度診療報酬改定後の看護必要度

 

A項目

a項目では今までの項目にさらに、

「無菌治療室での治療」

「救急搬送後の入院」

を追加

 

 

C項目項目の追加

これまでのA項目とB項目に、さらに手術関連に重きをおいたC項目が追加されています。

 

看護必要度:C項目

  1. 開頭手術7日間
  2. 開胸手術7日間
  3. 開腹手術5日間
  4. 骨の手術5日間
  5. 胸腔鏡・腹腔鏡手術3日間
  6. 全身麻酔・脊椎麻酔の手術2日間
  7. 救命等に係る内科的治療2日間

 

C項目の各定義

項目 概要 留意点
開頭手術 (7日間) 開頭により頭蓋内に達する方法による手術 ・穿頭及び内視鏡下に行われた手術は含めない
開胸手術(7日間) 胸壁を切開し胸腔に達する方法による手術(胸骨正中切開により縦隔に達するものも含む) ・胸腔鏡下に行われた手術は含めない
開腹手術(5日間) ・腹壁を切開し腹腔

・骨盤腔内の臓器に達する方法による手術 (腹膜を切開せず後腹膜腔の臓器に達する場合を含む)

・腹腔鏡下に行われた手術は含めない
骨の手術(5日間) ・骨切り又は骨の切除

・移植を要する手術(指(手、足)の手術は除く)

・関節置換

・骨頭挿入に係る手術

・下肢・骨盤の骨接合に係る手術(指(足)は除く)

・脊椎固定に係る手術又は骨悪性腫瘍に係る手術

胸腔鏡・腹腔鏡手術(3日間) ・胸腔鏡下に胸腔に達する手術(縦隔に達するものも含む)

・腹腔鏡下に腹腔・骨盤腔内の臓器に達する手術(後腹膜腔の臓器に達する場合も含む)

全身麻酔・脊椎麻酔の手術(2日間) 上記5項目に該当しないもので全身麻酔下、脊椎麻酔下に行われた手術

 

C項目の救命等に係る内科的治療

項目 概要 留意点
①経皮的血管内治療(2日間) ・経皮的な脳血管内治療

・t-PA療法・冠動脈カテーテル治療

・胸部又は腹部のステントグラフト挿入術

・選択的血管塞栓による止血術

・検査のみの場合は含めない
②経皮的心筋焼灼術等の治療(2日間) ・経皮的心筋焼灼術

・体外ペースメーキング術

・ペースメーカー移植術・除細動器移植術

・ペースメーカー交換術及び除細動器交換術は含めない

・体外ペースメーキング術は、1入院中に初回に実施した日から2日間までに限り評価を行う

③侵襲的な消化器治療(2日間) ・内視鏡による胆道

・膵管に係る治療

・内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術

・肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法

・緊急時の内視鏡による消化管止血術

・検査のみの場合は含めない

・内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜切除術又は内視鏡的ポリープ切除術を実施した場合は含めない

・緊急時の内視鏡による消化管止血術は、慢性疾患に対して予定された止血術や硬化療法を行う場合、同一病変について1入院中に再止血を行う場合、内視鏡治療に起因する 出血に対して行った場合等は含めない

 

 

各入院基本料における該当患者割合要件の変更

2016年度診療報酬改定にて、

一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について項目の見直しが行われたことを踏まえ、

以下の通り、各入院基本料における該当患者割合の基準の見直しが行われている。

 

 

基準を満たす患者割合の要件、改定前後の違い

 

【改定前】

基準を満たす患者割合の要件

【改定後】

基準を満たす患者割合の要件

[7対1入院基本料の病棟]

当該病棟入院患者の15%以上

[7対1入院基本料の病棟]

当該病棟入院患者の25%以上

[急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算]

当該病棟入院患者の5%以上

[急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算]

当該病棟入院患者の6%以上

[地域包括ケア病棟入院料の病棟]

当該病棟入院患者の10%以上(A項目のみ)

[地域包括ケア病棟入院料の病棟]

当該病棟入院患者の10%以上(A項目、C項目

[回復期リハビリテーション病棟入院料1の病棟]

当該病棟入院患者の10%以上(A項目のみ)

[回復期リハビリテーション病棟入院料1の病棟]

当該病棟入院患者の5%以上(A項目のみ)

 

経過処置:

7対1入院基本料について、

許可病床数が200床未満の保険医療機関で、病棟群単位による届出を行わない保険医療機関は、

平成30年3月31日までに限り一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者が23%以上であることとする。

 

 

特定集中治療室等における「重症度、医療・看護必要度」の見直し

特定集中治療室用の「重症度、医療・看護必要度」のA項目及び特定集中治療室管理料の施設基準の見直しも行われています。

改定前 改定後
特定集中治療室用の「重症度、医療・看護必要度」 A項目:すべての項目が1点該当基準:A項目が3点以上かつB項目が3点以上 特定集中治療室用の「重症度、医療・看護必要度」 A項目:「心電図モニターの管理」「輸液ポンプの管理」「シリンジポンプの管理」が1点 その他の項目が2点
該当基準:A項目が4点以上かつB項目が3点以上
特定集中治療室管理料1・2「重症度、医療・看護必要度」に該当する患者が90%以上特定集中治療室管理料3・4「重症度、医療・看護必要度」に該当する患者が80%以上 特定集中治療室管理料1・2「重症度、医療・看護必要度」に該当する患者が80%以上特定集中治療室管理料3・4「重症度、医療・看護必要度」に該当する患者が70%以上

特定集中治療室用及びハイケアユニット用の「重症度、医療・看護必要度」について、B項目の簡素化を図るため、一般病棟用の評価と統一された。

 

 



ちなみに、在宅復帰率の要件見直しもされてます

看護必要度とは直接関係ないですが、在宅復帰率の要件も見直しをされています。

恐らくこの在宅復帰率をあげるために、病棟看護における、日常の看護の方向も変わっていくような気がします。

現行(7対1入院基本料) 改定後(7対1入院基本料)
自宅等に退院する者の割合が75%以上 自宅等に退院する者の割合が80%以上
【評価の対象となる退院先】

・自宅 ・居住系介護施設等

・回復期リハビリテーション病棟

・地域包括ケア病棟・療養病棟(在宅復帰機能強化加算の届出病棟に限る。)

・介護老人保健施設(いわゆる在宅強化型老健施設等に限る。)

【評価の対象となる退院先】

・自宅 ・居住系介護施設等

・回復期リハビリテーション病棟

・地域包括ケア病棟

・療養病棟(在宅復帰機能強化加算の届出病棟に限る。)

・介護老人保健施設(いわゆる在宅強化型老健施設等に限る。)

・有床診療所(在宅復帰機能強化加算の届出施設に限る。)

 

引用参考資料:平成28年度診療報酬改定の概要(厚生労働省保険局医療課)より

 

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看護必要度について看護師が思うこと(ただの愚痴です)

正直、看護必要度がつくられ、また改定されていくのはいいですが、

うちの病院では一日日勤で10人以上の患者を担当することになっています。

もちろん、看護必要度が大切なのはわかるけど、

ただでさえも忙しくて、残業もするなとかいろいろいわれるのに、

そんなに項看護必要度の項目増やされたら、終わる仕事もおわらんわ!

っていう腹立たしさが募ります。

 

だって、ひとつ項目が増えたって、

看護師はその項目×10人以上の必要度を毎日見直さないといけない。

手術だ入院だって、何件もとりながら、急変の患者をみながら。

 

ほんと人手不足にもほどがあるー。

いい加減にしてよー。

これ以上看護必要度とか余計なカルテ入力が増えたら、

病棟看護師はもうやめたいと本気で思う今日この頃です。

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