認定看護師・専門看護師になるには?ふたつの資格の違いと役割

認定看護師・専門看護師になるには


シンママナースの マリアンナ です。

最近取得者も増えてきた認定看護師・専門看護師。だいぶ定着してきましたね。

 

年をいけばいくほど学校へまた学びなおしたり、また教えてもらう立場になるのは大変だと思うので、マリアンナも子供が中学校、高校くらいになって、しっかり手が離れてきたら何かを取得するつもりでいます。

 

看護師だけでも食べていけないことはないけど、40代、50代に少しでも楽をするために、今の間に苦労しておく魂胆です。

 

今日は看護師としてキャリアアップをふまえ、認定看護師と専門看護師の違いと役割について、まとめました。



1.認定看護師とは

・認定看護師は、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる看護師です。・2016年1月現在21分野の認定看護分野があり、15,817人の認定看護師が日本全国で活動しています。

引用URL:知っておきたい認定看護師と専門看護師・診療看護師の違い

 

・認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら、

認定看護師の3つの役割である「実践」「指導」「相談」を通して、看護の質の向上に寄与します。

・認定看護師は、看護師として5年以上の実務経験があり、日本看護協会が定める認定看護師教育課程を修了し、認定審査に合格した者が認定看護師として認められます。

・認定看護師は、5年ごとに資格を更新しなければならず、専門分野の最新の知識や技術を常に追い求める姿勢が不可欠であるといえます。



2. 認定看護師の役割と実際の業務

認定看護師は特定の看護分野において、以下の3つの役割を果たします。

 

(実践)1.個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。

(指導)2.看護実践を通して看護職に対し指導を行う。

(相談)3.看護職に対しコンサルテーションを行う。

引用URL:日本看護協会

認定看護師はこれらの役割を遂行するため、病院やクリニック、訪問看護ステーションなどの医療現場で活動しています。

現在、「感染管理」、「皮膚・排泄ケア」、「がん化学療法看護」、「救急看護」などの21分野が認定看護分野として特定されています。

それぞれの専門知識に基づき、患者・家族支援を行ったり、自らが看護実践の手本を示すことや看護研修の企画を通して、医療現場で働く看護職の看護の質が向上するよう教育活動を行っています。さらに、実際の医療現場で発生する看護上の問題点や疑問に対する相談に応じ、より良い看護の提供につながるよう支援しています。専門知識を生かして専門外来を開設したり、部署に属さず院内で組織横断的に活動している認定看護師もいます。また、看護職だけではなく他職種とも連携・協働して、院内の医療の質が向上するよう取り組むことも認定看護師の役割となっています。



3. 認定看護師の取得方法

認定看護師の取得方法は下記の項目を満たすことが必要です。

 

1.日本の看護師免許を有していること

2.看護師免許取得後5年以上の実務経験があること

3.うち3年以上は取得しようとする特定分野での実務経験があること

4.日本看護協会の定める認定看護師教育機関での教育課程を修了すること(6カ月・615時間以上)

5.認定審査(筆記試験)に合格すること

引用URL:日本看護協会

 

教育課程は6ヶ月間に及び、その期間は所属施設での実務から離れ、教育課程に専念することが必要です。そのため所属施設での理解・協力を得ることが必要です。また、認定看護師は5年ごとに資格を更新することが必要です。その際には5年間の看護実践と自己研鑽の実績を日本看護協会に提出し、書類審査を受けます。



4. 認定看護師の取得費用

認定看護師の取得費用には下記費用が含まれます。

半年間の認定看護師教育課程の受講に際し、入学検定料・入学金・授業料がかかり、教育機関によって差はあるもののおおよそ100万程度が必要です。

教育課程では専門知識を学ぶため指定された教材を購入する必要があり、さらに自己学習のために専門分野に関する医学書を購入する機会も増えます。

また、教育機関が自宅から遠く通学が困難な場合、半年間教育機関の近くで暮らすことが必要なケースがあり、その場合は住居など生活に関わる費用も発生します。教育課程では病院での実習期間が設けられており、実習病院が遠い場合は宿泊費などの費用が発生します。

 

所属する施設によって、教育課程期間中も給与の支給を保証している施設、教育課程期間中は休職扱いとして給与を支給しないもしくは減給するなどの措置をとっている施設など、対応がわかれます。認定看護師取得における費用負担は、そういった所属施設の対応によって差があるのが現状です。認定審査料はおおよそ3万円、審査合格後の登録料におおよそ2万円が必要です。



5. 専門看護師とは

・専門看護師は、水準の高い看護を効率的に行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できるよう認められた看護師です。

・2016年1月現在、11分野の専門看護分野があり、1,678人の専門看護師が日本全国で活動しています。

引用URL:日本看護協会

 

・専門看護師は、患者・家族に起きている問題を総合的に捉えて判断する力と広い視野を持って、専門看護分野の専門性を発揮しながら専門看護師の6つの役割「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」を果たし、施設全体や地域の看護の質の向上に寄与します。

・専門看護師は、看護師として5年以上の実務経験があり、看護系の大学院で修士課程を修了して必要単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できます。

・専門看護師は、5年ごとに資格を更新しなければならず、専門分野の最新の知識や技術を常に追い求める姿勢が不可欠と言えます。



6. 専門看護師の役割と実際の業務

専門看護師の役割には、専門看護分野において以下の6つが挙げられます。

1.個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)

2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)

3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)

4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)

5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)

6.専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)

引用URL:日本看護協会

 

専門看護師はこれらの役割を遂行するため、病院やクリニック、訪問看護ステーションなどの医療現場で活動しています。現在「がん看護」、「老人看護」、「母性看護」などの11分野が専門看護分野として認められています。上記6つの役割を果たすためには、組織横断的に院内に働きかけたり、地域での啓蒙・教育活動も必要となります。また自らの看護の成果を研究論文としてまとめ、専門分野に関する学会で発表することも大切な役割です。



7. 専門看護師の取得方法

専門看護師の取得方法は下記の項目を満たすことが必要です。

1.日本の看護師免許を有していること

2.看護系大学院の修士課程修了者で、日本看護系大学院協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定単位を取得していること

3.看護師免許取得後5年以上の実務経験があり、うち3年以上は取得しようとする専門看護分野での実務経験があること

4.認定審査(書類審査、筆記試験)に合格すること

引用URL:日本看護協会

 

大学院には、所属施設での仕事を続けながら、所属施設の理解・協力を得て、時間を工面しながら通学するケースが多いです。また、専門看護師は5年ごとに資格を更新することが必要です。その際には看護実践の実績、研修実績、研究実績などを日本看護協会に提出し、書類審査を受けます。



8. 専門看護師の取得費用

専門看護師の取得費用には下記費用が含まれます。専門看護師になるためには看護系大学院の修士課程を修了することが必要であり、大学院進学のための入学検定料・入学金・学費がかかります。入学金や学費は国公立大学なのか私立大学なのかによって大きく異なりますが、一般的には年間おおよそ100万円程度の学費が必要でしょう。

所属する施設によって、専門看護師になるための費用をサポートするため奨学金制度を設けている施設もあります。大学院では、教材費及び自己学習のために専門分野に関する医学書などを購入する機会も増えるため、自己研鑽のための費用がかかることも念頭に入れておくと良いでしょう。認定審査料はおおよそ5万円、審査合格後の登録料におおよそ5万円が必要です。

 



9. 認定看護師と専門看護師の違い

認定看護師は「水準の高い看護を実践できると認められた看護師」、対して専門看護師は「水準の高い看護を効率良く行うための知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師」となっており、求められている専門性に違いがあります。

 

専門看護師はより専門性が高く、分かりやすく言えば認定看護師はエキスパート、専門看護師はスペシャリストという単語が当てはまるといえます。認定看護分野数も異なり、認定看護師は21分野、専門看護師は11分野となっており、認定看護師はより細分化された分野での細やかな活動が期待され、患者・家族との密接な関わりに役立つ資格とも言えます。

 

役割にも違いがあり、認定看護師では「実践」「指導」「相談」の3つであるのに対し、

専門看護師では「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6つと多く、院内での活動に関わらず院外での活動も求められ、より高度な知識や調整力が必要です。

 

認定されている資格保有者数にも差があり、専門看護師は認定看護師に比べると人数が少なく、一人の専門看護師が担う役割や責務はとても大きいものです。資格取得までの道にも違いがあり、専門看護師では大学院で修士課程を修了する必要があり、その前提として看護大学を卒業していなければなりません。認定看護師と専門看護師の違いは多々ありますが、認定分野には重なりがあり、有している知識や看護技術は共通するものもあります。互いの専門性を理解し合い、協働して看護の質の向上に寄与することが求められています。

 



10.認定看護師と専門看護師の資格手当

認定看護師と専門看護師の資格手当についてですが、病院によってまちまちであるものの、

国立ベースでは

認定看護師:3000円

専門看護師:5000円

くらいがつけてもらえるようです。

 

更新が必要であったり、責任もある役割ですが、思いのほか手当が少ないのが現状です。専門看護師にいたっては、大学院にも通う必要があるため、割に合わないのが本音でしょうか。

最近発足された診療看護師であれば、月6万(国立病院基準)の資格手当がつきます。



まとめ

看護師のキャリアアップである専門看護師、認定看護師。

どこへいってもニーズはあるし、もっていて損はなさそうですが、手当ての少なさや、更新の手間、新しい資格制度の増加もあり、もう少し様子をみてもいいかな、っていうのが現状です。

看護師だって、責任が重い仕事なんだから、勉強したひとにはもっと手当つけてほしいところですね。

お金を稼ぐって本当厳しい世界だと思う今日この頃。

eye catch photo by ナースのたまご

認定看護師・専門看護師になるには