横浜市大口病院でおきた点滴異物混入事件の犯人について看護師が考察する



シンママナースの マリアンナ です。

2016年9月20日4時55分横浜市の大口病院で、入院患者の88歳男性が、点滴に漂白剤のようなものを混入され殺害された事件。現役看護師の立場から、不可解に思うことがいろいろとあります。犯人は誰なのか、この事件の前に起こったスタッフの飲料に混入されていた異物や、エプロンを切り裂いていた事件などが起こっていたも踏まえて、考察したい。
点滴



横浜市大口病院の点滴異物混入事件の概要

2016年9月20日4時55分横浜市の大口病院で、入院患者の88歳男性が、点滴に漂白剤のようなものを混入され殺害された事件。

混入されていた異物は、界面活性剤という漂白効果のある液体。

 

9月20日3時:担当看護師がバイタルサインチェック、トラブルなし。おむつ交換施行。

9月20日4時:被害者患者のHR低下。モニターアラームが鳴る。

9月20日4時55分:心停止。死亡確認。

 

当事件勃発の半年前、4階フロアの看護師のエプロンが切り裂かれたり、患者カルテが無くなるなど、不信な出来事が続いていた。

このときはこれらのことを警察に相談することはなかった。

 



犯人は誰なのか、特徴から読み取る

 

病院スタッフ以外は犯行が難しい

この事件、怖いですねー。なんていったって、命を預けるはずの病院で起こった故意的殺人。

看護師の目線からみて、犯人は医療関係者含む病院に勤めている人だと思います。

誰でもそう思うか。

 

だってね、そう思える根拠があるんですよ。

まず

夜間の病院は不審者が侵入できない

こと。

警備員や防犯カメラで、どこの病院でもたいがい安全対策がされているため、部外者が夜間に侵入することって、すごく難しいです。特に夜中の病院は。

しかも病院スタッフでない人間がうろうろしていたら、すぐ気づかれて通報されますからね。

 

点滴

点滴の開始時間と脈拍低下の時間から読み取る

あくまで憶測ですが、

看護師が持続点滴を更新するのは夜間0時前後(病院や状況によりけりかもだけど)。

おそらくこの時間帯になくなっているってことは、無くなる4時間前の0時ごろに更新された点滴に異物が混入されていた可能性がたかい。

0時に更新する点滴は当日0時までに準備するので、0時までにナースステーションにいた人間が犯人ってことになる。

0時ごろ点滴を患者につなげ、24時間持続点滴を行うなら、1時間40~60ccの速さで滴下する。

肝臓で代謝され、腎臓でろ過されるまでの時間を考えると、ちょうどこの4時くらいに急変を起こすのが自然。

ナースコールを押して自分の症状を伝えらえるような、しっかりしたひとだとすぐばれちゃうから、おそらくこの患者の状態もしりつくしている人が犯人でしょう。

きっと自分の体に異変が起こっていることも訴えられないような患者だったんだと思います。

 

その日に使用する点滴は、病院によりけりでも前日から当日までに薬剤部からナースステーションに届きます。

この時間帯にいた人間なら、点滴に異物混入できるので、この点滴袋にふれることができた人間が犯人ってことになりますよね、

そうなるとだいぶ絞れてくるとおもうんですが。。

 

でも点滴をセットした、担当看護師さんは、犯人じゃない気がする。そんなあからさまなこといくらなんでもしないと思うから。

恐らくこの夜勤看護師の誰かに憎しみを持つひとが、このひとを困らせるためにおこなったんじゃないかなー、なんて考察しております。

 

エプロン切り裂きやカルテ紛失から見える犯人の心理

半年前の4月に入院していた患者が、継続して半年間も入院するわけない。精神科病院でもない限り、病院は早く退院させたがるからね。

エプロンを切り裂いたり、スタッフののみものに異物混入した犯人も患者などの部外者ではないだろうと思います。

しかもスタッフが身に着けるエプロンの場所なんて、普通スタッフしかしらないだろー。

エプロンを捨てるならまだしも、切り裂くっていう行為は、憎しみがないとできません。

相手を傷つけたいような思いが潜在した行動ですからね。

恐らくスタッフ間の人間関係がいびつで、何かトラブルのようなものがあったんじゃないでしょうか。

 

犯人のひとはその憎しみや怒りが半年間ふつふつとこみあげ、こんなとんでもない行動をおこしたんじゃないかなー、とか思っています。

女社会ってこえーな。

でも、トラブルとか、うまくいかない人間関係がしんどいことはよくわかるけど、

患者さんを被害者にするようなことだけはやめよーよ。

患者さんは看護師さんしか頼ることができないのに、なんてことすんだ。ほんと。

 



この病院の問題点と犯人の疑問点

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わたし、このニュースを見てすごく思いますが、

エプロン切り裂きとか、カルテがなくなった地点でもっと厳密に調査と対策をすべきだったんじゃないでしょうかね。

カルテがなくなるのは、個人情報を扱う病院としてはあるまじきことですし、しっかり警察などの公的機関に報告・相談すべきことだしね。

エプロン切り裂きとか、普通に人が故意にしたことってわかるんだし、異常行動なんだから、もっと調査しないといけないでしょー、って思います。

 

どこでもそうだけど、

重役は自分の所属する組織の問題はおおやけにしたくないものです。

でも、

かくしてどうにか身内で解決しよう、お客さんや患者さんの信頼をなくさないでおこうとするその恐怖心が、

ことを大きくして結果取り返しのつかない事態になるんです。

そう考えると重役の人間性ってすごく重要なんだなって思います。

特に医療の現場では、対象が患者たる人間です。

小さな隠し事でも、あとから大事になってしまえば時に大事故になることだってあります。

 

 

この犯人のひとは誰なんだか知らないけど、

おそらく点滴に混入する知識がある看護師や医師、看護助手等で、病院を知り尽くしている従業員のだれか、だと思います。

範囲が広いけど。部外者ではないだろうと。

 

恐らく憎しみなどの怨恨によるもの。

誰かにいやがらせをしたい、憎しみがあるひとが、患者を題材にして起こした事件なんじゃないでしょうか。

 

でも、ほんとさ、

患者さんを使うのは、やめてほしい。

だれかが嫌いなら、直接きらいって伝えるか、その職場をやめたらいいじゃんーー!

 

明日から患者さんに点滴つなげるの、怖いよ。

早く捕まってほしい。世の中いろんなことがあるもんだなぁ。

 

被害者の患者さんのご冥福をお祈りいたします。