【看護記録:SOAP】早く書ける・伝わる記録のコツと書き方



シンママナースの マリアンナ です。

看護学生のレポートや看護カルテ入力で使うSOAP。SOAPで看護記録を書くにあたり、「なにを書いたらいいのかわからない」「早く書けない」という問題にぶつかっていませんか?誰にでも伝わるSOAPを早く書き上げるための、コツとポイントを説明します。

 



看護記録SOAP:何を書いたらいいのかわからない

看護記録SOAPをいざ書き始めるとき、多くのひとが最初に「何を書いたらいいのかわからない」ことに戸惑います。

看護記録は、おおよその看護過程が決まっていても、個別性ある患者に応じた看護記録を自信をもって書ける人なんて、そうそういません。というより、看護記録自体に「絶対これが正解です」っていう答えがないものだから、そうなるのは当然なのです。

 

何をかけばいいのかわからない、というまえに、看護記録とはなにを書くべきなのか。まずその主軸がぶれることが、看護記録を難しくさせているんだと思います。

そもそも看護記録は、患者の問題にフォーカスさせた医療行為を、証拠として残す法的文書でもあり、同時に医療チームで円滑に患者情報を共有するためのツールでもあります。

SOAPの概要や目的は以下の記事に詳細が記載しているので、ぜひ一読ください。

【看護記録】SOAP:基礎からわかるSOAP記録の書き方【カルテ】 看護記録SOAP(ソープ)は、看護展開における分析方法です。新人看護師や看護学生のとき、一番頭を抱えるのはSOAPの書き方・記入方法です。まずS・O・A・Pそれぞれが何の項目か、SOAPの概念や目的は

 

つまり、看護記録は以下の2つのポイントが達成されていないといけない文書なんです。

 

  • 医療従事者である看護師が何を考えて何を行ったのか、がわかる内容であること。
  • 誰が見ても(他の職種がみても)わかる文章でなければならないということ。

 

 

この記事では看護記録が早く書けない、どんなSOAPを書いていいかわからないひとのために、この2つのポイントをおさえた看護記録をいかに早く書くか、そのコツについて説明します。

 



SOAPの書き方のコツ:SOAPで一番重要な部分を知ろう

SOAPの主役は「A:アセスメント」と「P:看護プラン」

SOAPで一番重要で記録の山場になるのは「A:アセスメント」と「P:看護プラン」です。

看護師が何を考えて、何をしたのかを証明する部分。看護記録のAとPは看護師と連携する他職種が一番知りたい情報でもあり、看護師として技術力や知識力がものをいう部分でもあります。

SOAPの記録過程は、「A:アセスメント」と「P:看護プラン」を述べるためにSとOを付け加えたようなものといってもいいでしょう。

簡単にいうなら「A:アセスメント」と「P:看護プラン」はSOAPの主役です。「S:主観的データ」と「O:客観的データ」は「A:アセスメント」と「P:看護プラン」を際立たせるためのわき役のようなものです。

医療の治療過程のベースは「問題志向型システム(POS:Problem Oriented System)」ですから、看護問題を表す「A:アセスメント」とそれに対する看護師としての行動「P:プラン」は、SOAPで主軸となる部分とっていも過言ではないんですね。

 

カルテ入力

 

SOAPを書くときに文章を考える順番

SOAPを記録するうえで、SOAPで一番重要な部分は「A:アセスメント」と「P:看護プラン」で、それらを証拠づけるために「S:主観的データ」と「O:客観的データ」があります。AとPに対する根拠がSとOです。なにを書くべきかすぐイメージできるなら別ですが、SOAPに慣れない間、記録を書くときはまず頭の中で「A:アセスメント」と「P:看護プラン」を先にイメージできるようにしましょう。

「A:アセスメント」と「P:看護プラン」が想定できれば、あとはそれに紐づく「S:主観的データ」と「O:客観的データ」を継ぎ足して、文章を肉付けすればいいだけです。

 

 

 



何も考えずただ上の「S:主観的データ」から書き始めるのはNG

看護記録を書くとき、「考えること」よりついつい「書かないといけない」責任が優位になって、何も考えずに「S:主観的データ」から書き始めると、たいがい「S」と「O」がやたらと多くて、「A」と「P」が薄い内容の看護記録になりがちです。臨床にいると本当にSとOばかりがすごいボリュームになっている看護記録がたくさんあります。恐らく忙しくて何が問題だったのかも振り返ることが出来なくて、そうなっているんですけどね。

思考過程がないままSから手をつけてしまうと、ボリュームはあるのに内容は薄い、結局なにが言いたいの?っていう看護記録になってしまい、読み手に伝わらない、読みにくいSOAPになってしまうのです。

これは看護記録で一番重要な「A」や「P」を主軸に考えず、「S」や「O」から考え始めて書き出しているのが問題です。

前述でも述べた通り、「A:アセスメント」と「P:看護プラン」のための、「S:主観的データ」と「O:客観的データ」です。

「S:主観的データ」と「O:客観的データ」は、「A:アセスメント」と「P:看護プラン」に必要な情報だけが記載されていればOKなんです。

 

というより、「A」と「P」を証拠づけるだけの必要最小量な「S」と「O」だけを記載していれば、情報がまとめられてグッと読みやすくなり、何が言いたいのか伝わるSOAPになります

 

SOAPの書き方のコツがわからない、看護記録が遅くて困っているって方は、

「A:アセスメント」と「P:看護プラン」から書き始めてみて、

そのあとに

「A」と「P」を証拠づけるのに必要な情報「S」と「O」を書いていくのがいいと思います。

 

そうすれば、不要な「S」や「O」をつらつら書くこともなく、書き手が感じた「看護問題」にフォーカスされたSOAPになって、読み手にも読みやすく、「なにを書こう」と思い悩んで、記録が遅くなることもなくなります。

 



看護記録SOAP:早く書く・読み手に伝わるSOAPのコツまとめ

看護記録SOAPに慣れない間は、SOAPを書く順番を「A」と「P」から書いていくようにしましょう。

以下の流れで自分がSOAPに記録すべきことをイメージしてみてください。

「何を書いたらいいのかわからない」SOAPの負の連鎖から、少しは脱出できると思います。

 

1:「A:アセスメント」と「P:看護プラン」をイメージして記録

  1. 患者の「問題」と思ったことは何か
  2. その問題に対してあなたが行ったことは何か

 

2:「S:主観的データ」と「O:客観的データ」で「A」と「P」を肉付け

  1. A:アセスメントとP:看護プランの証拠になるO情報とS情報は何か

 

看護記録で一番重要になるのは、AのアセスメントとPの看護プランです。どうしても看護記録に時間がかかるのは、たいだい「A」と「P」がイメージできていないまま、SやOから手をつけてしまうからですそしてついSとOだけが情報過多になって、AとPが薄い内容になってしまう。

看護記録を書くときは、AとPにスポットライトをあてる気持ちで書きましょう。

AとPから書けば、おのずと必要最小限なSとOが割り出せるようになってきます。